役に立たない

医学部再受験ガイド


一度他学部を出てから医師を目指す人のために、再受験に関するTipsをまとめました。 なお、内容は随時加筆訂正していきます。
<再受験(学士入学)について>

昨今、医学部に再入学する人が増えているようですね。

僕のいた大学でも、年々学士入学の人が増えていました。
新入生の10%近くが学士入学だった年もありましたよ(笑)。

もともとアメリカなんかはどこかの大学を出てから医学部に入る(※)わけですから、日本でも学士入学する人が増えても当たり前かな…とは思ってますけど。

 (※)アメリカの医学部は医学専門課程のみの『大学院』的な位置づけなのに対し、

   日本の医学部は一般教養課程(=医学以外の講義)二年+医学専門課程と

   いう、大学と大学院が『一体化した』ような構造になっているので、

   単純な比較はできません。



   また、『学士号を持っている』=『一般教養は履修済み』ということですから、

   本来なら専門課程(=第三学年)に編入するのが筋だとは思うのですが、日本の

   医学部では一般教養課程の部分にも専門課程の内容が食い込むカリキュラムを

   取っている大学がたくさんあるので、現状では学士入学組がいきなり第三学年に

   編入されると、カリキュラムについていけない可能性があります。

というわけで、医学部に学士入学しようとする人は増えているわけですが、それを受けて大学側も学士入学に対応(※)しつつあるようです。

 (※)例えば、東海大学医学部は10月の段階で学士入学の人のための入学試験を

   実施しています。これに合格すると第二学年に編入できます。

   また、千葉大学や群馬大学などの国立大学にも、同じような制度が数年前から

   始まっていたような…?。



   他にも学士選抜をしている大学があるので、希望大学について調べてみては

   いかがでしょう(さりげなく手抜き(ぉぃ))。

ですから、あなたの目指している道は決して邪道ではありません。
自信をもって進んでくださいね。
<学士入学のメリット・デメリット>

さてさて、医学部に入ろうというモチベーションを保ち続けて勉強に励むには、学士入学のメリットとデメリットを知っておいた方がいいかもしれません。
学士入学(と多浪生)はどういう医大生活になるのか、ちょっと覗いてみましょう(笑)。
  • 多くの場合、同級生から「さん」付けで呼ばれます。

    →まぁ、ありがちな話ではありますね(笑)。
     でも留年生も「さん」付けで呼ばれてます。

     では、同じ「さん」付け同士の学士入学生と留年生の間では
     どちらが目上になるのでしょう?

     これはお互いの年齢差等によっても違いますが、多くは
     留年生の方が仮に年下だとしても目上になるようです。

     一般に医者の世界では、年齢や何期生なのかということよりも、
     医学部卒後何年目の医者なのかでヒエラルキーが形成されますから、
     学生同士でも医学部在学が長い方が勝ち(勝ちって何だ)になるんでしょう。

     でも、さすがに干支ひとまわり分くらいまでの差があると、お互いが
     「さん」付けで呼び合ったりという奇妙な光景も見られますが(笑)。

  • クラスの「若者組」(笑)に入りにくいかも。

    →僕の出た大学では、1学年に2クラスありました。
     20歳までのA組と、それ以上の年齢のB組です(爆)。

     それでなくてもジェネレーションギャップがあるのに、あからさまに
     クラス分けされてしまうとますます交流がなくなってしまうのに…(涙)。

     まぁ、こんな組分けをしている大学ばかりではないと思いますが、
     やはり最初のうちは「5歳や10歳も離れている同級生」にはなかなか
     お互いなじめないと思います。

     でも、心配しないでください。
     半年か一年もすれば、年齢と関係なくお互い仲良くなれるはずです。
     クラスが違っても、部活とかで何かと顔を合わすようになるし。

     ていうか、そこで仲良くなれないようだと、医者になってからの
     グループ医療にも差し障るのでは…。

  • 歳を取っている分、記憶力が…(汗)。

    →医学部では、とにかく覚えることが鬼のようにあります。
     ロジカルに考えればわかることは丸暗記する必要はありませんが、
     例えば骨学や解剖学(※)などは基本的に覚える以外ありません。
    
      (※)おなかの動脈だから「腹部大動脈」とか、おしりの筋肉だから
    
       「大殿筋」くらいのロジカルさはあります(笑)。
    
       また、筋肉の名称は基本的に「起始→停止」(どこから始まり
    
       どこで終わるか)で命名されているので、例えば「胸鎖乳突筋」と
    
       いった場合は、胸骨&鎖骨と乳様突起を結んでる筋肉だな位の
    
       こともわかります。
    
    
    
       でも、「ヒラメ筋」とか「僧帽筋」とか言われても、どこのことだか
    
       わかりませんよね(汗)。
    
        →これらは形状から命名されてます
    
    
     また、学士入学で入学した学生の多くは、現役生よりも「医者になるっ!」と
     いうモチベーションが強いために、勉強には真面目に取り組む傾向があります。
     それに加え、前の大学で一般教養を一通り終了している関係もあって、
     低学年のうちは一般に成績は優秀です。

     ところが、医学専門課程に入って暗記する量が爆発的に増え始めると、年齢に
     伴う記憶力や柔軟さの低下からか、だんだん成績が落ちてくる人がいます。

     もともと再受験してまで医師を目指すような人なので、生まれながらにか物事を
     生真面目に受け取ってしまう人も多く、自分の努力が成績に結びつかないことに
     悩むこともあるかもしれません。

  • クラスの高齢化率(笑)にもよりますが、クラス代表に祭り上げられてしまうかもしれません。

    →つまり、みんなに頼られる立場になるということです。
     どちらかというと自分は「頼りたい」タイプだと思うなら注意(?)しましょう。

  • 臨床実習中や研修中の指導医が年下になっちゃうかも。

    →別に気にすることではないと思うんですが、それでもあまりに年齢差が
     あると、指導医もちょっとやりにくいこともあるみたいです。

     指導医より5歳や6歳年上だという程度なら別に問題にもならないんですが、
     例えば40歳すぎてから医学部に入りましたなんていう場合だと(こういう
     方もいらっしゃるんですよ)、患者さんから見てどちらが上の立場の医者
     (あるいは学生)なのかがわかりにくく、まぎらわしい思いをさせてしまう
     かもしれません。

     僕が学生のころ、どう見ても教授より恰幅が良い老練な外観の研修医(汗)の
     先生がいらっしゃいましたっけ。

     一方で、研修医にとっては「若すぎない」おかげでトクをすることもあります。
     歳を取っていると、患者さんが「経験豊富そうだ」と見てくださることが
     多いため、無用に患者さんを不安にさせずに済みます。

     …まぁ、外見で患者さんを安心させることも結構大事なことではあるんですが、
     本来は技術が伴ってナンボですからね(笑)。

  • 医者になってからは、豊富な人生経験が役に立つかも。

    →いろんな意味で、医者の世界は狭いです。
     ですから、ある意味「世間知らず」な医師(※)もいっぱいいます。
    
      (※)僕だ僕(爆)
    
    
     医者というのは接客業という一面もあるので、社会経験の豊かな学士入学の
     医者や、人生紆余曲折してきた医者っていうのは、患者さんの気持ちを上手に
     くみ取ってあげられるかもしれません。

     僕と一緒に「癒し系の医者」をめざしましょう(笑)。

  • 医者として働ける期間は短くなってしまいます。

    →それでなくても医学部は6年もあって、卒業するまでに時間がかかります。
     卒業しても最初の2年は初期研修、その次の2年も研修みたいなもの、
     5年目くらいからやっと戦力になってくるものの、一人前の専門医を名乗れる
     ようになるには、なんだかんだで卒後10年くらいはかかります。

     つまり、下手すると医学部に入って一人前になるまで、20年くらいかかっちゃう
     かもしれないわけです。
     30歳で医学部に入ったとしたら、50歳で一人前?
     うーん…。

     そんなこともあって、例えば会社員から学士入学で医者になった場合、
     医学部での授業料や書籍代等のコスト(※)、離職期間は無収入になることも
     考えると、生涯年収は会社員を続けていた方がずっと多いのかもしれません。
    
      (※)国公立なら授業料は高くないですが、書籍代や実習費は
    
       それなりにかかります。
    
       書籍代だけでも毎年20〜30万円くらいはかかりますよ。
    
    
<国立?公立?私立?>

授業料を考えれば、当然国公立がいいに決まってます(笑)。
国公立と私立では、学費だけでも10倍くらい違いますもん。

しかし、安い学費というのは裏を返せば、国公立の医大生には莫大な税金が投入されているということです。
だから国公立医学部側からすれば、税金を無駄にする学生は取りたくない。
つまり、
  • 優秀であること
  • 途中でイヤになって勝手に退学したりしないこと
  • ちゃんと国試をパスして医者になること
  • 医者として長く働けること
が重視されるとも言えます。

国公立は基本的に成績順(本来当たり前なんですが)で合否が決まるので、たとえ50歳で医学部を受験しても成績さえ良ければ合格できます(※)が、同じ成績ならばより若い人や医者の適正が高そうな人を選ぶでしょうね。

  (※)ただし一部の医学部では、ある程度の年齢制限(or多浪生制限)を

   行なっていると思えるようなところもあるようですが…。

   風の噂では、千葉大学とか横浜市立大学とか筑波大学とか…?

   また、防衛医大のように年齢を受験条件として明記している

   ところもあります。

そう言う意味では、「学士入学 welcome!」と謳っている大学以外では、高齢者や多浪生、時に学士入学(※)もあまり歓迎されないかもしれません。

  (※)学士入学、つまり改めて医学部を目指すということは、最初に入学した

   学部を自己否定しているとも取れるわけです。

   つまり、飽きっぽいとか判断力が甘いとか思われても仕方がないかも…。

また、公立大学というのは本来その地元の住民の為に作られた大学ですから、よそ者はさりげなく不利(※)かもしれません(笑)。
もちろん、卒後もその大学の地元に残って活躍してくれそうな人を優先して取りたいなと思っているはずです。

だから、お膝元以外の公立大学を受験するならば、「なぜあえてその公立大学を選んだのか?」という点に関して、合理的で説得力のある答えを持っているべきだと思います。
きっと面接でつっこまれますよ、そこ。

  (※)例えば公立大学では、地元以外からの新入生の入学金は割高に

   設定されてたりします。

   ま、今までそこの自治体に税金納めてなかったんですから、

   仕方ないですけど。

最後に私立。

私立は国公立以上に多様なので、「私立」というひとくくりでは語りにくいんですが…基本的には学費のかなりの部分を学生(の親)自身が負担しているので、言葉は悪いですが国公立よりも「いいかげんである自由」(※)があると思います。

  (※)『留年する自由』『退学する自由』『自分の好きな場所で働く自由』など。

    もちろん『勉強しない自由』『患者さんを主体にしない自由』『診療拒否する自由』

    などは、国公立か私立かにかかわらず存在しないことは言うまでもないですね。


また、私立医学部では「縁故」がモノを言うことがあるので、自分の親兄弟の出身医学部を受験した方がやや有利にはなるようです。

結局、国立だろうが私立だろうが国試を通れば医者なんですから、何年も国公立医学部を目指して多浪を重ねるくらいならば、学費は高くともさっさと私立医学部に入って医者になり、早くから稼ぎ始めた方が結局はおトク(?)かもしれませんよ。
<面接について>

医学部には面接がつきものですが、ある意味で再受験には隠れたハードルとなるのが面接。

面接には個人面接と集団面接がありますが、医学部受験では多くは個人面接です。
で、面接会場の中には机と椅子が置かれており、机には面接官が3人くらいついています。
この3人の役割分担は、
  • 主に質問する人(もしくは、とりあえずどんな回答にもうなずく人)
  • 補助的に質問する人(もしくは、回答にツッコミを入れて受験生を焦らせたり怒らせたりする人)
  • 質疑の様子(受験生の回答内容、挙動、感情など)をチェックして記録する人
といったところです。

集団面接では、いかにその場をうまくまとめて、全体のオピニオンリーダーになれるかが鍵でしょう。
一方、個人面接では教科書的な回答よりは、自分の個性を強調した方が面接官の心証はいいと思います。ただ、あまりに荒唐無稽な個性や利己的な個性は逆効果ですよ(笑)。

とりあえず基本的な面接のスタンスですが、「怒らない」「熱くならない」「焦らない」「わからないならわからないと言う(=黙り込まない)」あたりでしょうか。
特に「熱くならない」のは大事。わざと嫌みなことを聞いてきて、受験生の反応を見ることもあります。 みすみす面接官の罠にはまらないようにしましょう。

次に肝に銘じておいてほしいのは、面接の点数は筆記試験の点数に加算されるのではなく、減算されるものだと思っていてほしいということです(※)

  (※)思っていてほしいだけです。

   本当の採点基準は大学当局しか知らないことですし。

つまり、筆記試験のミスを面接点で上乗せして取り返すというのはほぼ無理な話で、むしろいくら筆記試験がよくできていても、面接で訳の分からないことを言って「医者の適正なし」と判断されてしまえば事実上終わりだということですね。

そして、面接で再受験生がよく質問されるのが「以前の大学での専門は?」と「なぜ今更医師になろうと思ったのか?」そして「年齢が高くて働ける期間も短いあなたが、若い人をさしおいて医者になるメリットは?」あたりの質問です。

特に3つ目の「なぜあなたでなければいけないのか?」という質問に対しては、面接官を納得させられるだけの説得力をもった答えが必要です。
今のうちから自分のいいところ、自分でなければできないことをじっくり考えておきましょう。
<続く?>




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