あらすじぼくはイカマル。うみねこ島の見習い水夫だ。あこがれのサンゴロウ親分に、マリン号に乗せてもらえることになった。はじめての船、はじめての港、はじめての島。親分の仕事はうまくいったけれど、サンゴ屋からきいたうわさや、占いばあさんのいったことが気に掛かる。ぼくたちは、無事うみねこ島に帰れるのだろうか。
もくじ
1.春の旅
2. 密航
3.とびいり
4. 風の気分
5. 三日月島
6. サラ
7. 黒い船
8. 海賊たち
9. 味方
10.銀貨と魚
登場人物など
サンゴロウ
フルヤ・サンゴロウ。すらっとやせた黒いねこ。マリン号の船長。うみねこ島にきて、4年ほどになる。
イカマル
サンゴロウとマリン号にあこがれていて、サンゴロウを親分とよんでは、やめろといわれている。漁船のウミガメ号の見習いをしていたが、船長のカジキじいさんが引退したのをきっかけにウミガメ号をおりた。子どものころ、南の浜ではじめてマリン号をみたときから、あこがれていた。出身地の南の村には、両親と弟がふたり、妹かひとりいる。父親はサンゴとりの漁師をしている。
サラ
月ねこ族の娘。ピクシーという名のエスタトカゲを連れている。ぱっちりとしたうすい水色の目。
青目とのっぽ
サンゴロウたちを襲った3人の海賊のうち、マリン号に乗り移ってきた2人。うみねこ族ではない。目の青いがっちりしたものと、黄色い目ののっぽ。
マリン号
サンゴロウの船。帆は白。風と太陽エンジンではしる。自動コンパスの性能はすごくいい。
海賊船
三日月島から帰るマリン号を襲った船。まっ黒で、なまえもナンバーもない。マストがない、エンジンだけではしる船。
三日月島
サンゴロウがサンゴ屋に頼まれてサンゴ細工を売りにいく島。なまえどおり三日月のかたちをした島。すんでいるのは、だいたいが月ねこ族で、うみねこ族もすこしいる。このごろ海賊がでるといううわさがある。
七ツ島
三日月島の近くにある。島とはなばかりで、七つの岩が横一列にならんでいるだけ。潮がみちると水にもぐってしまう。岩には、ひとつずつなまえがついている。むかし海をあらした巨人族が岩にかわったとかいう伝説もある。
サラの港
三日月島でいちばん大きな港。三日月型の島の、へこんだがわのちょうどまんなかあたりにある。
感想
これまで一人称で語られてきたシリーズですが、この物語は一章ごとにサンゴロウとイカマルが語り手を務めています。
サンゴロウと海賊の戦いの物語であり、イカマルの成長の物語ですが、ファンのための物語といってもいいのではないかと思います。
イカマルは、いってみれば、サンゴロウファンの分身です。サンゴロウにあこがれ、マリン号にあこがれ、なんとか近くで学びたいと、マリン号に密航してしまいます。かれのあこがれは、わたしのあこがれ。かれのため息は、わたしのため息。サンゴロウといっしょに海に出られるなんて。やきもちを焼いたりしないから、イカマル、わたしのかわりにサンゴロウのそばにいて。わたしの目となり、耳となり、サンゴロウを感じさせて、どうか。