〜〜謎と教訓〜〜

 ケイスナルドの大学には「謎の一覧表」というものがあって、ありとあらゆる謎が載せられているということですが、私たちに知ることができるのは、ほんのいくつかです。
 それさえも、完全な形では語られていないものがほとんどですが、わかる範囲でまとめてみました。(一部、一覧表に載っているかどうか不明のものもあります)
 なお、謎の答えは要約してありますので、全文を読みたい方は、謎の末尾に記した()内のページを参照してください。

ヘドのケルンの謎……モルゴンがエリアードとトリスタンに語って聞かせた謎(I−17)

 ヘドのケルンは、名前のないものに追跡されるという、わけのわからない運命に見舞われる。そのものから逃げたために、ケルンは残りの生涯のあいだずっと、自分の名前を呼んだのはいったいなんだったのだろうと悩むことになる。

教訓  答えられていない謎に答えよ

イリエのアイロンの謎 「イリエのアイロンとはだれか」……偉大なる者のもとへの旅を拒んだモルゴンに、オーム博士が問いかけた謎 (I−55)

 ハールの怒りを恐れて逃げ出したイリエの竪琴引き、アイロンは、世界の果てまで逃げたが、そこで奏でていた竪琴の調べにより、ハールを自分の許へ引き寄せてしまう。

教訓★  死から逃れようとする男は、まず自分自身から逃れねばならない

オスターランドの古い謎 「姿を変えるために両手の傷で支払いをしたのは誰か? そして誰に対してその支払いはなされたのか?」
      ……記憶を失ったモルゴンにアストリンが問いかけた謎 (I−75)

(モルゴンはアロイルの呪文の本に謎の答えと教訓を書き込んでいる)

アンの古い謎……アストリンの小屋からヒュールーの館に移されたモルゴンが、わりあてられた部屋で休んでいるときにつぶやいた教訓 (I−96)

教訓★  眼で見えぬものを心で見よ。そうすればないかに見える扉も見出せるであろう

アンから出た、アウムのリーの謎……オーム博士がギステスルウクルオームである可能性について考えたモルゴル・エルが、モルゴンに語った謎 (I-163)

 ヘルの大公の怒りを恐れたアウムのリーは、見知らぬ男に自分の館を囲う壁を作らせる。やがて、壁の外に出ようとしたリーは、壁に出口がないことと、どうやら壁を作ったのがヘルの大公自身であったらしいことに気づく。

教訓★  (エルは教訓は忘れたと言っているが、この謎は、上記の謎と同一のものではないだろうか

「アイシグのソルとは誰か? そして彼はなぜ死んだのか?」……アイシグ山に向かう旅の途中で、デスがモルゴンに問いかけた謎 ( I−130)

 ダナンの息子ソルは、彼から宝石を盗もうとした商人たちに追われ、アイシグ山の鉱山の中を逃げまわる。山の底の石の扉のところまで来たものの、扉のむこうの闇の中にいるかもしれないものが恐くて扉が開けられず、追いついた者たちによって殺されてしまった。(実はこの答えは誤解であり、のちにアイシグでモルゴンは真相に気づく。I-273)

教訓★  死にむかって後退するよりも、未知にむかって前進せよ。

「ヘルンの七つの輪とは何か、そしてそれを建てたのは誰か」…… 王冠の都を初めて見たときに、モルゴンがライラに語った謎 (I−143)

 ヘルンの第四代のモルゴル・ルーが、自らに八つの謎を課し、そのひとつひとつに対して円を環作ることを計画した。モルゴル・ルーは8番目の謎を解こうと出かけた旅の途中で死んだ。

               スター・ベアラー
モルゴル・ルーの第8の謎 「星を帯びし者とは誰か、そして彼は何をその縛めから解放するのか?」
      ……モルゴル・エルが、王冠の都が見えるところに来たらモルゴンに伝えるようにと、ライラに託した謎 (I−143)


スースがハールに託し、ハールが小男に託した謎 「ひとつの星が沈黙から呼びおこすものは何か、そしてひとつの星が暗闇から呼びおこし、またひとつの星が死か ら呼びおこすものは何か?」……モルゴンが、フルルレの居酒屋でアッシュ・ストラグから聞いた謎(I−197)

                  スター・ベアラー
星を帯びし者についての五つの謎 「星を帯びし者とは誰か、そして彼は何をその縛めから解放するのか? ひとつの星が沈黙から呼びおこすものは何か、そしてひ とつの星が暗闇から呼びおこし、またひとつの星が死から呼びおこすものは何か? 時の終わりに来る者は誰か、そして彼は何をもたらすのか? 始原より沈黙を保 てる大地の竪琴を奏でる者は誰か? 炎と氷の星を時代の終末に運び来る者は誰か?」
      ……モルゴンがハールから訊いた上記の謎の全文。スースがハールに託した謎 (I-227,266)

モルゴンは、「時の終わりに来る者」は星を帯びし者と解いた。

「オスターランドのイングリスとは誰か、そして彼はなぜ死んだか?」
      ……王冠の都に向かう途中、先に進むことを拒むモルゴンを説得しようとするデスに、モルゴ ンが問いかけた謎(I−147)

 オスターランドのイングリスは、ある夜オスターランドの王ハールを怒らせたために、次にイングリスの家を訪れる見知らぬ客がその名を明かさなければ、イングリスは死ななければならないという呪いをかけられる。それから初めに訪れた見知らぬ客は1人の竪琴引きだった
                        デス
が、どうしても本当の名前を明かしてくれなかった。イングリスが名を訊ねる度に、竪琴引きが繰り返したのは「死」という言葉だった。そしてとうとうハールへの恐怖と呪いへの絶望のために、イングリスの心臓は止まった。

教訓★  ひとが命をかけて欲しがっているものを与えよ。

「答えられていない謎に気をつけよ」…… ダナンと会話するモルゴンがつぶやいた言葉。
 いずれかの謎の教訓のように思える。(I−258)

答えられていない謎のひとつ 「大地のあるじたちの都市の壊滅」…… デスがケイスナルドにいたときにある博士に聞いた謎 (I−267)

 その博士は、謎の一覧表にある答えられていない謎のひとつであるそれを偉大なる者に尋ねたが、あれらの都市は古いもので、偉大なる者が王国内の領国の掟を支配しはじめる以前からすでに廃墟だったとしか答えなかったらしい。

イムリスの古い謎 「ベルとビロとは誰か、そして二人はどのように結びついていたか」
      ……アクレンでエリアードにデスを殺さなかった理由を問われて語った謎 (III-44)

 二人はイムリスの王子だったが、まったく同時にこの世に生まれ、死も同時であろうと予言されいた。大きくなって二人は互いに憎みあうようになったが、結びつきがあまりに強かったので、相手を殺せば自分もまた破滅するしかなかった。(二人については『ベルとビロの哀歌』というバラードが作られている I-27〜28)

「タネット・ロスとは誰か、そして彼はなぜ弦のない竪琴を弾いたか?」
      ……マラ・クレーグを訪ねては行けない理由を尋ねたレーデルルにマソムが答えとして与えた謎(II−12,13)

 タネット・ロスは、何も理由がないという理由で弦のない竪琴を弾いたり、うしろむきに歩いたり、髭のかわりに頭を剃ったりしたが、同じ理由で後ろむきに歩いていて、川に落ちた。それ以来二度とその姿を見たものはなく、多分なんの理由もなかったから死んだのだろうということになった。

オエンとイロンについての謎……自分の力について苦悩するレーデルルがアストリンとの会話の中で触れた謎 (II-104)

 

ヘルンのアルヤの謎
      ……自分の力を使うことにためらうレーデルルにモルゴンが語り、のちに、同様のためらいをみせたモルゴンにレーデルルが問い返した謎
        (III-80,219)

 アルヤはヘレンの山の中にさまざまな獣たちを集めて一緒に暮らしていた。ある日彼女は、名前のわからない小さな黒い獣を見つけ、家に連れ帰り、よく世話をした。獣は巨大になり、ほかの獣たちは家を逃げ出した。その名前のない獣だけが、部屋から部屋へと彼女のあとについて歩き回るようになった。ついにアルヤは恐怖のあまり死んでしまったが、その獣もあとを追うように死んでいった。

偉大なる者の謎 「偉大なる者がエーレンスター山から逃げたのはいつか、そして彼は誰から逃げたか?」
      ……ランゴルドで、エリエル・ミアモントの姿をとっている変身術者とのやりとりの中で、モルゴンが自分自身に問いかけた謎 (III-185)

ギステスルウクルオームの謎 「ランゴルトの創立者は誰か、そして彼の教えの九つの教訓とは何か?」
      ……オーム博士がギステスルウクルオームなのではないかと指摘したモルゴル・エルに向かってモルゴンが口にした謎。 (I−157,159 )

「千年前に彼があの大学を創立したのはなんのためでしたか」……モルゴル・エルがライラに問いかけた謎 (I-159)

 ギステスルウクルオームは偉大なる者の王国のうちで一番力のある魔法使いだったが、ほかの魔法使いたちは訓練されておらず、半分野蛮人のようで、自分たちの能力を充分に使いこなすことさえできなかった。それを教育するために、ギステスルウクルオームは大学を創立した。(モルゴルは、教育するためだけでなく、管理するために集めたのではないかと疑っている)

〔ランゴルドの創立者の教訓〕

第一の教訓 「真実を語る言語は力ある言語----名前の持つ真実は本質の持つ真実」……アンウィンにデスを追いつめたモルゴンがデスに言った言葉(II-276)

第三の教訓 「助けを求める叫びを聞いて背をむける魔法使い、悪事を見て何も言わない魔法使い、真実を捜しながらそれから眼をそらす魔法使い----これらは偽 りの力しか持たぬ魔法使いだ」……スースに助けを求めてモルゴンが引用した言葉 (I−245)

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