マイカー管理の留意点

 
  1. マイカー利用の形態
  1. マイカー管理の方法

 

1.マイカー利用の形態

 マイカーを通勤に利用することを認めている会社は多いのではないかと思います。特に、公共の交通機関がなかったり、あってもその数が少ない地方では、マイカーは通勤の足として欠かせないものでしょう。

 また、会社の所有している自動車では足りず、マイカーを業務に利用することもあるのではないかと思います。

 このように、マイカーにも通勤利用だけの形態もあれば、業務利用の形態もありますので自社の利用形態をまず確認しておくべきでしょう。

 

通勤利用

 マイカーは、通勤に利用するというのが一番ポピュラーな形態ではないかと思います。前述したように、地方によっては、通勤に利用できる公共の交通機関が少ない場合もありますので、こうした場合はマイカーを通勤に使わざるを得ないということになるでしょう。

業務利用

 会社によっては、通勤利用だけにとどまらず業務にも利用しているところもあるでしょう。マイカーを業務に利用できれば、自動車を会社で保有する必要がありません。社員の方も、使い慣れたマイカーを業務に利用できた方が何かと便利でしょう。

2.マイカー管理の方法

 会社にとってマイカーは、通勤用だけでなく業務にも利用できる利便性があります。実際にそうした使い方をしているところも多いはずですが、その管理については、意外と無頓着だったりします。双方にメリットがあるのだから、とあえて明確な管理の基準を作っていないこともあります。

 確かに、何もトラブルがなければそれでもいいのでしょうが、万一のことを考えれば、やはり適切な管理が必要ではないかと思います。自社の利用形態を的確に把握したうえで、適切なマイカー管理の方法を考えるべきでしょう。

 

通勤用マイカーの管理

 自社においてマイカーを通勤用に認める場合は、どのような条件で認めるかをはっきりしておきます。そのうえで、通勤用マイカーの管理の規定を定めておくべきでしょう。そのほか、記録や証拠という意味で許可申請書や誓約書などの各種の手続き資料も作成しておくようにします。

 また、マイカー通勤を認める場合、将来にわたって継続的に認めるのか、あるいは一定の期間を設定して更新方式とするのか、ということも検討しておくべきです。これについては、面倒かもしれませんが1年ごとの更新制としておいた方がいいような気がします。それと同時に、許可の取り消し基準も明らかにしておいた方がいいでしょう。何かあれば、会社の意向によって通勤許可を取り消すこともあるということです。

 さらに通勤利用するマイカーについては、会社のロゴマークの取扱いについても留意しておくべきでしょう。通勤限定ということを明確にするためには、会社の業務と関連するようなマークの使用は禁止しておいた方がいいでしょう。これは交通事故を起こしたときの会社の業務との関連性を否定するという意味で大切なことです。

■マイカー通勤許可基準の設定
 まず最初に、マイカーを通勤利用に認める基準を設定します。
 一般的には、通勤に利用できる公共の交通機関がない場合とか、マイカーを使った方が通勤上著しく便利であるといった許可基準を定めることが多いようです。もちろん、これに拘束される必要はありません。自社の状況を考えたうえで、自社独自の許可基準を設定すればいいでしょう。
 ただ、このとき社員によって不公平が生じるようでは問題がありますので、そうした点にも配慮することが必要でしょう。

■マイカー通勤規定の作成
 通勤用マイカーの取扱いが決まれば、これを規定の形にまとめておきましょう。取扱いを決めても、それが関係者の間だけの口頭での取り決めになっていたのでは公平な扱いは望めません。また、何かあったときの対応にも苦慮することになるでしょう。そこで、通勤用マイカーの取扱いルールを規定という形で文書化し、こうしたことを防止するということです。

■手続き資料の書式作成
 規定と同時に、マイカーを通勤に利用する場合の手続きに関して必要な資料を作成しておきます。自由な形で申請してもらってもいいですが、書式が決まっていなければ記載する方は何を書けばいいのか分からないでしょうし、それを受けつける会社もチェックするのに苦労することになるでしょう。
 やはり、手続き資料についても会社が必要とする書類をあらかじめ用意しておいて、マイカー通勤を申請する場合にこれを利用させるようにしておくべきです。

業務利用マイカーの管理

 マイカーの業務利用は、社員と会社の双方にとってさまざまなメリットがあります。そのため、マイカーを積極的に業務に利用する会社もあるのではないかと思います。
 マイカーを業務利用する際のメリット、デメリットをあげてみれば次のようになるでしょう。

■会社側のメリット
 マイカーの業務利用は、会社にとって経費や管理面で多くのメリットがありあます。
 まず、経費の点ですが、購入するための資金を節約することができます。本来なら業務に使うための自動車を購入しなければならない訳ですが、マイカーを利用できればそれが不要になるということです。
 管理面でも、会社が保有する訳ではありませんので、管理の手間が省けるでしょう。またマイカーであれば、会社からあれこれ指示しなくても、自動車の手入れはよくなるはずです。さらに、マイカー用と会社の業務用の駐車場が重複しませんから、その分だけ敷地も少なくてすむでしょう。

■社員側のメリット
 社員側のメリットとしてまず考えられるのは、借り上げ使用料を支給されるので、その分の個人負担のコストが軽減されるということです。そのほかにも保険料や駐車場の費用を負担を会社にしてもらえるといったこともあげられるでしょう。
 また、自分の自動車ですので、いつでも自由に使えますし、万一交通事項を起こした場合もその処理を会社側にやってもらえるといったメリットもあります。

■双方のデメリット
 マイカーの業務利用はメリットばかりとは限りません。まず、会社にとっては交通事故を起こした場合の会社の責任範囲が広くなることがあげられます。通勤利用だけ認めているような場合には、通勤時に交通事故を起こしても会社の責任を問われることはほとんどないでしょう。しかし、業務利用を認めている場合には、業務利用中の交通事故に限らず、通勤時の交通事故についても会社の責任が問われる可能性が大きくなります。

 社員にとっては、私用のみならず業務用にも使う訳ですから、自動車の損耗が激しくなるというデメリットがあります。また、業務利用に認める自動車の種類や色が会社によって指定されることもあります。もし、それに従うということになれば自動車の選択の幅が狭まってくるでしょう。

 マイカーの業務利用には、このようなメリット、デメリットがあります。こうした点を理解したうえで、業務利用のマイカー管理を行う必要があるでしょう。特にデメリットの中でも説明したように、マイカーを業務利用すると交通事故による会社の責任の範囲が広くなります。当然、その管理は通勤用で認めているマイカーの管理よりも厳しいものでなければならないでしょう。

■業務利用基準の検討
 会社によっては、業務に使えるのであれば、特別な条件を設定しないということもあるかもしれません。しかし、マイカーを業務に利用する場合、一般的には車種であるとか色などについての基準を設けています。会社の業務に使う以上、何でもかんでもいいという訳にはゆかないでしょう。交通事故についての会社責任の問題もありますので、一定の利用基準を定めておいた方がいいでしょう。
 その際、借り上げ使用料や、保険料、税金等の取扱いについてもどのようにするかを検討しておきます。また会社のマークを入れるのであれば、大きさや色等を指定する必要もあるでしょう。

■規定の作成
 マイカーの業務利用も通勤利用と同様、その取り決め事項は文書の形で規定化しておく必要があります。
 規定の中には、利用基準であるとか、交通事故を起こしたときの扱いや交通違反の処置などについて定めておくべきでしょう。