■総務評価の考え方

 総務が担当している業務は多様で、また会社によっても違いがあります。その会社における総務の組織的位置づけや経営方針によって、担当する業務は変わってくるということです。極端な言い方をすれば、総務のバリエーションは会社の数ほどあるといってもいいでしょう。
 ですから、それぞれ態様の異なる総務を単純に相互比較しても、意味のある内容を引き出すことはなかなか難しいかもしれません。ある会社の総務で担当している業務を別の会社の総務では担当していないからといって、それがただちに問題だとはいえないということです。
 ただ、総務と呼ばれている組織単位が担当している業務を公約数的に抽出することは不可能ではありません。こうして抽出された業務について、自社の総務でどの程度遂行しているか、またどのくらいのレベルで遂行しているかを判断することはできるはずです。
 そこでここでは一般的に総務の共通業務と思われる代表的なものを抜き出してきて、これを次に紹介するような5つの機能に分類し、それぞれの業務について評価基準を示しました。この基準に照らせば、自社の総務がどの程度のレベルにあるかを自己採点することができるはずです。
 これによって、自社の総務の実情を把握することができるでしょうし、どのようなところに弱点があるかも認識することができるでしょう。
 ただ、このような評価の仕方が妥当かどうかについては異論があるかもしれません。あくまで、モノサシの一つであると割り切って使っていただきたいと思います。

■総務の機能を5つに分類する

 総務の機能を、総務という組織単位で担当している共通的業務から帰納的に類推してみると、次のように5つに分類することができるでしょう。
 @経営者補佐
 A部門間調整
 B社内活動援助
 C会社資産管理
 D対外折衝
 もちろん、これが総務業務の唯一の分類方法という訳ではありません。このほかにも考え方はいくつもあると思いますが、一応ここでは便宜的にこの分類方法によって話を進めてゆきたいと思います。
 次にそれぞれの機能について簡単にその概略を説明しておきます。

●経営者補佐
 総務の機能としてまず最初にとりあげられるのが、経営者を補佐する機能です。ここに分類される業務としては、経営計画の立案や、業務の効率化を目指した業務監査、経営者のスケジュール調整等を行う秘書業務、さらには、経営をとりまくリスクへの対応といった業務が代表的なものでしょう。

●部門間調整
 総務は、全社的なスタッフとしても位置づけられます。職能別に区分された組織単位をまたがる会議を主催し、全社的な調整を行う役割も担っています。また、各部門から申請される稟議について、これを受けつけるとともに、合議先の指定や決裁の進達をも担当します。これらの業務が部門間調整の機能に分類されます。

●社内活動援助
 会社は複数の人によって組織され、これらの人々が協同することによって運営されています。企業目的を効率的に達成するためには、組織活動が円滑に行われていることが必要ですが、社員が活動しやすい環境作りも総務の果たさなければならない機能の一つです。
この機能に分類される業務としては、労働時間制度や福利厚生制度の策定等があります。

●会社資産管理
 会社は、企業経営に必要な建物・設備等、各種の資産を保有しています。資産というと、通常は形のあるものを思い浮かべますが、知的財産のような形のないソフト資産もあります。最近は、むしろこうしたソフト資産の重要性が認識されてきています。総務は、これら有形・無形の会社資産を管理する機能も持ってます。

●対外折衝
 対外折衝というと通常は営業活動をイメージしますが、総務にも対外折衝の機能があります。総務が行う対外折衝としては、身近なものとしては、来客対応の業務がありますし、そのほか、官公署に対する申請や届け出もこの機能の中に入ります。

■業務別の評価基準

 前項で示した5つの機能に分類される業務の中から、代表的と思われる業務をそれぞれ4つずつピックアップしました。そして、これらの業務について3段階の評価基準を業務ごとに示しましたのでこれを基準に自己採点してみてください。とりあげた業務は全部で20です。業務別の得点は最高5点としていますから、すべての業務で満点をとるとちょうど100点になります。

総務評価表

■レーダーチャートの見方

 レーダーチャートの形によって、自社の総務の特徴がどのようなものであるかが判断できます。大きくは次のようなタイプに区分できるでしょう。

●標準型総務
 中小企業では、一般的に社内活動援助機能を中心として総務の活動が行われています。経営者補佐機能や部門間調整機能の得点は低くなる傾向にあるでしょう。

●参謀型総務
 経営者補佐機能が高得点だった総務は、参謀型総務といえます。経営者を補佐する立場で、懐刀的な役割を果たしてるといえるでしょう。

●外交主導型総務
 対外折衝の機能が突出しているタイプです。社内活動援助や部門間調整等の内部活動よりも、外部との関係に活動の中心をおいた総務ということができます。

●内助型総務
 標準型の総務に近いパターンです。ただ、より社内活動援助機能に特化した型といえるでしょう。いわゆる庶務的総務ということになります。