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ジェイムズ・H・シュミッツ
ジェイムズ・H・シュミッツ James Henry Schmitz (1911〜1981)
もう少し評価されても良い筈。職人気質のスペースオペラ作家。未訳作品については、こちらを
参照。
関連サイトはここ。
http://24.98.103.204:8080/Schmitz/index.htm
http://www.kiva.net/~flint/rpgs/hub/
http://www.mwilson.on.ca/wilson/Schmitz/JHS.html
http://www.harbormist.com/pat/schmitz/default.htm
『テルジーの冒険』The
Universe Against Her (1964) 鎌田三平訳(新潮文庫/青心社)

テルジー・アンバーダン(Telzey Amberdon)の翻訳である。Novice 「チックタックとわたし」(SFM'74 12月)と
Undercurrents
という二つの短編・中編からなる作品。15才の超能力少女の冒険と言えば、昔なら「ジュブナイル(SF)」とか言ったが、「ヤングアダルト(SF)」とい
う言葉に変遷し、この言葉にも飽きが来たようで、いままた別の言葉が探されているようだが、ようするに、少年少女が主人公で活躍する話である。人類以外の
異生物の知性とコンタクトできるというテルジーが、その能力ゆえトラブルに巻き込まれ、その能力を駆使して、解決にあたるという作品である。
惜しむらくは、表紙が宮崎駿であれば売れたであろうこの作品、表紙で買うしか知らない読者のため、埋もれることになった。内容を考えるならば、『惑星カ
レスの魔女』よりもよっぽど宮崎駿にあっているはずである。活発だけど、超人ではなく普通の女の子。緩やかに結合した未来世界の<ハブ連邦>。破茶目茶に
ならず、理性的に進むストーリー。
もし古書店で見つけることがあれば、買って読んでみて下さい。と言っても見つかったり見つからなかったりするから、捜し求めて古書店行ってもだめかも。
未訳の続編の紹介は、こちらを参照。まさか、自分が原書でこの続きを読むことになろうと
は、
翻訳が出た当時思いも寄りませんでしたね。
久方ぶりに古書店巡りをして、新潮社文庫版をゲットしたので、jpgで貼ります。
ついでだから、粗筋を書きましょう。
テルジー・アンバーダンは、富裕な家庭に育ち、知能レベルが高い以外は、ごく普通の15歳の女の子だった。彼女のペットのチクタクは風変わりな野良猫だ
と、5年前に惑星オラドで拾われたのだが、実は猫でなく、カンムリ・ライオン(クレスト・キャット)という惑星ジョンタロウの生物だったのだ。とりわけ顕
著な特性は、周囲にとけ込むカモフラージュ能力があることだった。テルジーがそのジョンタロウに行ってから、事は起こる。まず、チクタクがその種族と共
に、テルジーのサイ能力を開花させようとする。次に性悪伯母が、チクタクがレッドデータブックの生き物だと見抜いて、テルジーから引き離そうと企んだの
だ。
カンムリ・ライオンは猫のような狩猟家であるが、テレパシーが使える知的生物で、その領域に人間たちが入り込んできたのである。人間が一方的にカンム
リ・ライオンたちを狩り始めたので、カンムリ・ライオンは姿を潜め、一方でコンタクトを取ろうとしたわけである。その大使の役割がチクタクであり、コンタ
クト出来そうな人物として選ばれたのが、ゼノテレパス(異生物とのテレパス)の潜在能力のあったテルジーだった。サイ能力の初心者(Novice)とし
て、果たして、この異種族の衝突を防げるか?
ここまでが第1部Noviceである。
(2003/5/24追記)
『惑星カレスの魔女』The
Witches of Karres (1966) 鎌田三平訳(創元SF文庫/新潮文庫)
シュミッツ最大級の作品とされる。奔放でおもちゃ箱をひっくり返したような、ドタバタしたガジェット、ストーリーてんこもりな作品。その上、いい大人で
あるはずのパウサート船長といたいけという十歳の女の子ゴスという組み合わせ(表紙参照)、パウサート船長は毎度のように頭を抱え、茶目っ気たっぷりカレ
スの三姉妹に振り回される。こりゃロリコンか? という作品。
最初に書かれたのが1949年12月のアスタウンディング誌で、まだ粗削りな状態です。しかし勢いに任せて動き回っており、それが魅力である。やはり、
時空を駆け巡らねばスペース・オペラじゃないよなあ、と思うことしきり。
『悪鬼の種族』The
Demon Breed (1968) 冬川亘訳(ハヤカワ文庫SF)
人類のハブ連邦の辺境、海洋惑星ナンディ=クラインに、かって人類に撃退されたパラファン族が、再度の侵攻をかけて潜行した。彼らに捕まった長寿命研究
の科学者ティコス・ケイは、パラファン族が異種生命体の論理思考を理解できず、自分たちの納得できるような理論に沿って行動していると見て取るや、口八丁
もいいとこ大法螺を吹く。一方、ケイによって、ハブ連邦の裏の支配者階層であるとされた、ケイを探索中の美人野外生物学者ナイル・エッドランドは、孤軍奮
闘し、ケイの意図に沿って、裏の支配者然とし、パラファン族を敵に回して、パラファン族に恐慌をもたらせる。
軽く楽しめて、それでもって飽きない、佳作スペース・オペラ。軽妙洒脱で完成されたシュミッツの世界です。
『ライオン・ルース』Lion
Loose (1986) 鎌田三平・他訳(青心社)
収録作品と内容は以下のもの.
「ライオン・ルース」Lion Loose
宇宙船キャメロット号と第7ステーション・ホテルの爆破計画を阻止すべく、ヘスレット・キランとリタール・デストーンが活躍する。
「時の風」The Winds of Time
エイリアンと人間の攻防。この作品集の中で私が一番好きな話であるのは、ヴァン・ヴォークト風であるからである。
「ポークチョプ・ツリー」The Pork Chop Tree
トリガー・アージーもの。生物の環境を扱ったSFと言えば、良いのかな? SF雑誌ギャラクシー風の作品。
「トラブル・タイド」Trouble Tide
海洋惑星ナンディ・クラインで、ナイル・エッドランドとダンリッチ・パロールが活躍する、海洋冒険SF。『悪鬼の種族』のシリーズとも言えるかな。
出た時、「ライオン・ゲーム」だとトチくるって喜んだ記憶がある。短編集としては、そこそこレベルのような気がしないこともない。なんせ、強烈な印象が
残っていなかったから。
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