《イランビザは個人でも取れる》


これが伝説のイランビザだ!

 

安い服では失礼なので、タキシードを着ようと思ったが、残念ながら、タキシードは持っていない。
そこで、僕の持っている一番高い服を身につけることにして、「GUESS?」のジーンズと 「BANANA REPUBLIC」のTシャツに変えた。

付け加えておくが、大使館に行くときには、いくら高いブランドもののTシャツでも、醤油の染みがついたり、破れたりしていると、外交儀礼として問題になることを覚えておいてほしい。

また、Tシャツの図柄が問題になる場合もある。
ポコチンの絵を始めとする下品な図柄がプリントされたTシャツの場合は、大使館への入館自体がセキュリテイによって阻止されることも、予想される。

非礼だと判断されると、銃で撃たれることも、鞭打ちの刑にあうことも、拷問されることもある。
大使館の中は、日本ではなく、外国の領土なので、日本の警察はいっさい手出しが出来ないのだから、注意して欲しいものだ。

 

地図を見ると、イラン大使館は四の橋バス停をちょっと上がった所らしく、これも御近所なので、歩いていった。

四の橋のバス停を背にして、仙台坂上方面へ坂をすこし登ると、右前方のビルにイランの旗が見える。
その手前、左へ曲がる角にペルシャ文字でなにか書いてある。

僕の勘として、左へ曲がった方が領事部ではないかという気がしたが、日本語で書いてないので、アラブ過激派秘密アジトなのかもしれないと、左へは曲がらず、旗の立ったビルへと入っていった。

中にいた男性に聞くと、やはり、左へ曲がった方が領事部だった(…)。

領事部の門を入ると、二階へと続く階段があり、そこを入るとホールになっていて、コピー機とビザ代の証紙販売機らしいマシンが見える。
椅子に座って待っている人の数はほんの数人なので、窓口へ進む。

ビザ受付の日本人女性に、話し掛ける。

この話し掛け方が、大切なのだ。

僕の話術のテクニックを披露しておくので、ちゃんとした言葉の使えない人は、家で練習していくように。

「おはようございますっ!」
(とにかく挨拶が肝心だ、これは、微笑みながら、さわやかに言うこと)

「実は、イランの観光ビザを申請したいと思いまして…、こちらでよろしいでしょうか?」
(観光ビザについては、知っていることがあっても、すべて忘れて、最初から聞くこと。知ったかぶりをすると嫌われる)

すると、ビザの申請はここだという返事が戻る。

それはわかってるんだ。
これからが問題なんだ。

ガイドブックによると、イランのツーリストビザの申請には、「イラン外務省発行の許可番号が必要で、これは、イランにいる人が、イランの外務省で取得する」という面倒な手続きが必要で、それゆえに、個人でイラン大使館へ行っても、許可番号がないのでビザが取れない、と嬉しそうに書いてあるのだ。

「個人で申請する場合、なにか特別な書類が必要でしょうか?」
(ここで、許可番号の話を出しては駄目だ。ビザなどというのは、相手が「出してあげたい」という気持ちになったとき、するりと出てくるものなので、あくまでも、相手を立てる、お願いする、お伺いするという態度が大切だ)

ツーリストビザなら、申請書三枚に記入して、写真3枚を付けて、あとはパスポートのコピーがいるとの説明がある。

えーっ。

それなら、すごく簡単な話じゃないか…。

おかしいなー。

「あの…、僕が読んだガイドブックによりますと、なにか特別な書類がないと、個人ではツーリストビザが取れないとあったんですが、申請書を提出するだけで、ビザがいただけるということでしょうか?」
(ガイドブックがあまりに個人では取れないと書いているので、ついつい、聞いてしまった。しかしここでも、許可番号という言葉はつかわない。基本は、「変なガイドブックを読んでしまいましたが、もちろんビザの受付窓口様の話が正しいわけですから、反論するつもりなど全くございませんが」という、謙虚な気持ちを持って話すことだ)

すると、必ず取れるわけではない、本国へ申請書を送って(ファックスで?)、返事を待つということだ。
だから、取れない人もいるらしい。

なるほど…、つまり、こちらから送る書類がきちんとしていれば、取れる可能性があるという雰囲気だ。

「パキスタンからイランへ陸路で入るつもりだ」と話をすると、パキスタンのビザのコピーもあったほうがいいだろうと助言をもらった。

申請書3枚をもらって、外に出る。

 

歩きながら、今の話を反芻してみる。

受付の雰囲気、話の感じでは、僕なら、イランのツーリストビザは取れるね…。

受付の女性は、言葉に出さずとも、僕に対して、「あなたにビザをあげますよ」と、言っている。

だとしたら、まず、パキスタンのビザをとっとと取ってしまおう!

 

僕はイラン大使館前の坂を登って、パキスタン大使館へ向かったが、その前に、広尾のマクドナルドへ。

パキスタンのビザ申請書類を、さっさと書いてしまおうというのだ。

(でも、この話はまだまだ続くので、あわてないように)

 

getting Iranian tourist visa is not impossible