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今回は、かの有名なロンドンハロッズデパートで薩摩焼の香炉を買った話をしましょう。既に行かれた方も多いと思いますがロンドンのポートベロー骨董市に行くには地下鉄ノッチンゲンヒルゲートから歩いていくのが便利で10分も歩けば市場に到着します。骨董市場に入って直ぐ右側に白っぽい建物で如何にも高そうな陶磁器しか置いてない雰囲気の店があります。1996年の春でしたか、折角ドイツから来たんだからと私は思い切ってこの店に入りました。
気を落ち着かせながら店内をぐるりと回ってみたところ殆どの商品が清朝の乾隆帝の頃の派手な色絵の焼き物でしたがその中に日本物らしき鶴を器面全体に大胆に描いた絵皿があったので店主に何処のものか尋ねたところ18世紀の伊万里とのこと。その時は予算に合わなかったので伊万里購入は諦め他に気に入った康煕染付けの皿を買う事にしました。店主は英国紳士風のスーツ、ネクタイを身に付けており流石に高い店は服装から違うなあと感心しながらカードで支払いしてた所、自分はハロッズにも店を持ってるので是非覗いてみたらどうかと店主からの誘いがありました。え、あの天下のハロッズに店を出してるとはこの人は大変な人なんだと尊敬の気持ちで店には何を並べてるか聞くとメインは海底から引き上げた中国の焼き物だが伊万里、薩摩も置いてあるとの返事。
夕方デパートで会う約束をして私は一旦ホテルに戻り、事前に商品を見ておくため早めにホテルを出てハロッズ2階(日本では3階)のショップを訪ねました。
ショップの商品レイアウトを見て驚いたのは誰でも手に取って見れる場所には中国陶磁器と伊万里を並べ、薩摩焼は目の高さの位置の鍵付きガラスケースに陳列して特別待遇をしてるではありませんか。
薩摩焼が明治時代パリ、ウィーン等の万博で好評を博し欧州に浸透してる事は知識としては持ってましたがここまで欧州で評価を得ているとは驚きでした。
こんなに薩摩が大切にされるのなら、またハロッズで何か買いたい気持ちから予算を大幅にオーバして薩摩焼の香炉を買ってしまいました。
昨年店主と再会しましたが残念ながらハロッズの骨董店、諸事情があって1999年にクローズしたそうです。
※なお本文中に出てくる
鶴絵皿は商品紹介のNo.501、康煕染付けはNo.507、また薩摩香炉はNo.511です。
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