8. 活気づく中国陶磁器

7. ミントンを探し求めて

6. ドイツのオークション

5.ポートベロの近況

4. アウトバーンの180キロ族

3. チューリンゲン磁器街道

2. ハロッズデパートの骨董店

1. ドイツのアンティークマーケット


  

チューリンゲン磁器街道

 ドイツの焼き物生産地としてはマイセンが余りにも有名で、マイセンからアウトバーンで2時間位のそう遠くない距離のチューリンゲン地方に数百という窯場があったのを知っておられる方は少ないようです。
その理由のひとつはこのチューリンゲン地方が東西ドイツ統合前は東ドイツに属していたために西側から訪れる人は少なく情報が殆ど得られなかったからでしょう。チューリンゲンの位置ですが西は宗教改革のルターで有名なアイゼンナッハから東はゲラの都市を結ぶ線の南側の森林地帯を指します。
2つの都市間にはゲーテあるいは憲法で有名なワイマール、高精度のレンズを産したイエナなどの町が在ります。
18世紀後半から20世紀の初めにかけてこのチューリンゲン地方の道路沿いには多くの焼き物工場が林立し主に庶民向の焼き物を大量に生産していたので今でもこれらの道路にはチューリンゲン磁器街道(Thueringer Porzellan Strasse)の名前が付けられています。Strasseは通り、道路くらいの意味ですがPorzellan Strasseは数十キロに及ぶものがあるので私が勝手に街道と訳させてもらいました。
1997年の秋に私はフランクフルトから日帰りで磁器街道を訪ねました。
チューリンゲン地方は旧東ドイツに属していたため道路は未だアスファルト舗装がされずに石畳が多く残っていました。石畳に歴史を感じるものの何しろ50Km以上もの速度で走ろうものなら車の振れと騒音が激しくついゆっくり走ることになります。
西から東に磁器街道を走りはじめると今でも磁器生産を継続しているWallendorf,Sitzendorfなどの磁器工場が見えてきますが、殆どの窯は閉鎖したそうで工場跡地だけが残っている所もありました。また道路端には磁器人形の製作工程を見学できる展示場もあります。興味深かったのは人形のレースの衣服の作り方でレースを粘土に浸して乾かし人形本体に取り付けていました。
磁器街道を更に東に進むとチューリンゲン地方の中心都市Rudolstadtに至ります。この街には品質の良い磁器を生産しているVolkstedtの工場がありますし結構大きな規模のオークションが開催されています。土地柄オークションの主要な出し物は陶磁器で一回のオークションに800-1000品目が競売にふされ朝の9時に開始して午後4時頃オークション終了するそうです。マイセン、KPMに混じってチューリンゲン地方の窯の作品が多く出品されています。
旅行客には不便な場所ですが一度参加されたら如何でしょうか。
Rudolstadtから東、ゲラの町の方には残念ながら行っておりません。
ゲラの東にはドレスデン、マイセンが在ることを思うとチューリンゲン地方の東部には興味深い陶磁器情報が沢山あるような気がしてなりません。
と言いますのは先日あるドイツのオークションでカップとソーサ全面に人里離れた森の中で生活する女性を見事に描いたC&Sを購入したのですが、この焼き物の生産地がチューリンゲン地方の西隣に位置するズール(Suhl)だったからです。
きっと東側の窯でも素晴らしい作品が作られたと推測しています。
次回訪ドイツ時是非東部チューリンゲンを訪ねて見たいと思います。
それにしてもチューリンゲン磁器街道、名前からロマンを感じますね。