2007電塾大勉強会レポート

ビギナー向け第3部のセッションは鹿野さんと僕、湯浅のコンビによるデジタルカメラワークフローのセッションです。
僕と鹿野さん、実際のプロカメラマンとして仕事している者がどういう流れで仕事をしているのか?それのデモをしながらポイントをおさらいするというものです。

このWEBでは当日、かなりはしょって説明したため、分かりにくい面も多々あったという反省から、そのフォローをするためのものです。

前提条件は、カメラはキヤノンで、使用PCはマックという設定です。WIn使用、ニコンユーザーの人はごめんなさい。

 

撮影から、セレクト、現像、納品まで、実際の仕事をシミレーションしました。
統一テーマは「ロケでのブツ撮りと人物の取材」ギャラ3〜5万程度の仕事を想定しています。
金額的な面でそれほど大がかりに出来ません。その与えられた条件下でどうすれば効率的に、そして、よりクォリティを高められるのか?それがテーマです。

僕の使用機材はキヤノン40D。2007年出たばかりですが、ボディ単体で市場価格12万円前後の廉価な価格の割に使えると思いました。
まず、ブツ撮りではライブビューを活用したもの。
ライブビューは35タイプでも今年のモデルから搭載される機種が多くなりました。実際に使ってみると、もう便利で、、コレ無しではブツ撮りはやりたくない、、、とさえ思わせる便利機能です。


はじめの鹿野さんの撮影デモでもニコンD3でのライブビューのデモを行いましたが、マックと直結撮影ではキヤノンとニコン、ソフトの作り込み比較において、キヤノンの方が使い勝手は良いと思いました。個人的な感想を言えば、ニコンのそれはキヤノンに比べて2年は遅れていると思いました。あと2年くらいはキヤノンを使った方が快適に仕事は出来るでしょう。


さて、そのライブビューにワイヤレスモニタリングを組み合わせた提案をしました。これはカメラ側の外部モニター端子からビデオ信号を出し、それをトランスミッターで電波でとばし、市販のテレビで受信するというものです。トランスミッターはUHFなのでアナログ放送が受信できる携帯テレビならなんでもOK です。トランスミッターは1万以下で買えるので、安価にワイヤレスの外部モニターを構築できます。
ブツ撮りなどは物の近くにモニターを置いて、それを見ながら物の向きを調整できますので効率が上がります。

注意!アナログ放送終了間近ですのでUHF受信できる携帯テレビは在庫分のみになると思います。入手できるかどうかは分かりません

次にセッションを聞いていた森島さんにモデルになっていただき、取材撮影のシミレーション。ここではマックから切り離してstand-aloneでの撮影です。
この時に使ったのが無線シンクロ。アメリカ製を使いましたが、ストレスなく撮影が可能です。
ブツ撮りと取材もの、両方ともモノブロックストロボを使っています。僕の場合、カスタムホワイトバランスは取らずに太陽マークで。撮影はRAW+JPEGで撮ります。基本はRAWだけを使いますが、万が一のメモリーカード読み出し不能の場合、最悪読み出しやすいのはJPEGだと思って、保険の意味でJPEGデータも付属させます。

次のセッションは事務所に戻ってからのセレクトという場面。

僕はMacのみを使って撮影からフィニッシュまでやります。
メモリーカードからの取り込みはマック標準のソフト「イメージキャプチャー」を使います。これはマックなら標準でアプリケーションホルダーに入っているソフトです。あまり使われていないと思います。なぜならメーカー系のソフトをインストールすると、そのメーカーのソフトが優先して立ち上がる設定に書き換わるからです。
イメージキャプチャーはメモリーカードを認識、指定ホルダーに自動コピー、その一覧を表示、まで自動でやってくれます。市販ソフトでも同じようなことは出来ますが、使い勝手という面では、僕はこれが一番と思っています。なんと言ってもマック標準ですから、誰でも持っているものですし。
まずは設定から。
まずは自分で撮った画像をどこに入れるか?それを決めます。僕の場合、ハードディスク直下に「画像データ」というホルダーを作り、その中に「撮影ホルダー」「セレクトホルダー」「変換ホルダー」を作ります。理由は、ロケ用のノートなので、事務所に戻ったときに一発でデータをコピーしたいためです。

「画像ホルダー」の中に取り込んだ生のデータ、もし、その場で現像したとか、セレクトしたときにはそれぞれ「変換ホルダー」「セレクトホルダー」に入れます。すると、すべて一つのホルダーにまとまっているので、他のPCにコピーするときに迷わず一発で「画像ホルダー」のみコピーすれば良くなると言う仕掛けです。

CFをリーダーライターに差してから「イメージキャプチャー」を起動します。

環境設定から「カメラを接続したときに起動する項目」を「イメージキャプチャー」にする。OKをクリック。

オプションから「接続オプション」をチェック。デフォルトで「プロファイルを埋め込む」にチェックが入っているので、ここはよく考えて。

僕の場合はチェックを外しておきます。カスタムアイコンを作成はチェックしておきます。

これで設定は終了です。

リーダーに入れたカードはいったん排出します。イメージキャプチャーは終了させて、テストしてみましょう。

メモリーカードを入れると自動で中の撮影データを指定ホルダーにダウンロードが始るはずです。

コピー後のカード排出は残念ながらマウスクリックが必要ですが、今までドラッグ&ドロップでコピーしていたときよりは遙かに便利になるはずです。

注意点としては、マックの設定はリーダーライターごとに必要になります。一度設定しても別のリーダーライターを使えば今まで通り、マウントするだけになってしまいます。

もう一点、注意することは、メーカー純正のソフトをインストールすると、そのメーカーのソフトが立ち上がる設定に「イメージキャプチャー」の設定を書き換えてしまいます。アップデートでも同じ事です。画像ソフトのインストール時には注意しましょう。

コピーが終わったらセレクトです。

ここでもう一つチップス。

これはマガジンハウスの茂手木さんから教えていただいたやり方です。

Finderでその撮影ホルダーを表示させておきます。

そこからメニューバーの表示から「表示オプションを表示」Command+J でwindowの中の表示設定が変えられます。

ここで「アイコンサイズ」を最大の128*128にしてみましょう。

これでアイコンが最大になります。

どうでしょうか?

この状態でだいたいのセレクトって出来るでしょう。たとえばストロボが間に合わなくて真っ暗になっているカットとか、スイッチオンのまま持ち歩いてしまって撮影されてしまった要らないカットとか、、そんなのはここで捨ててしまってもOKです。

余談ですが、僕はこの状態でウィンドウを表示させているので、ここからダブルクリックでPhotoshopを立ち上げます。画像の選択はFinderでやっていると言うことです。つまり、ブリッジなどは使っていません。ブリッジは表示が遅いですからね。。。

さて、これからは本当のセレクトです。

僕はここでシェアウェアのソフトを使います。150ドルです。
アメリカ製の「PhotoMechanic」というものですが、Macの画像ブラウザーの中では最速の部類です。これを使えばウィンドウズ起動して「フォトの翼」のようなソフトを使わなくてもマックだけで最後まで行けると思います。もちろん、AdobeのBridgeでも同じようなことは出来ますが、スピードが遅すぎます。

セレクト後はセレクト済みの画像を先に作っておいた「セレクトホルダー」に移動。これはPhotoMechanic上で出来ます。


次に起動するのはキャノン純正ソフトの「DPP」。これは無料です。僕は純正ソフトの現像が最善であると思っています。DPPの場合、バージョンアップごとにスピードも上がり、熟成されてきました。


現像は「セレクトホルダー」を閲覧。その画像を調整します。


現像はバッチ処理で。現像済み画像は先に作った「変換ホルダー」を指定しておきます。ここではJPEGかTIFFデータに変換します。


次に変換ホルダーを再度、PhotoMechanicで閲覧。今度はピントチェックを重点的にやります。RAWデータでピントチェックをしないのはRAWの拡大画像を快適にブラウズするのがPhotoMechanicでは無理だからです。それと、最初のセレクトの時と自分の気持ちが変わるときがあって、そこで落とすかどうかを最終的に決めるためです。落とした画像はそのまま捨ててしまいます。


変換ホルダー内の残った画像が納品されるデータになるわけです。すべていらないものがなくなったのでこのホルダーでコンタクトシートを出します。


コンタクトシートをプリントするのはDPPでやります。


フォトショップでコンタクトシートを出す人が多いと思いますが、フォトショップのデメリットは時間が掛かること。枚数の多いコンタクトシートでは一枚一枚プリントアウトの指示をしないとなりません。
DPPのコンタクトシートはあまり使われていないと思いますが、スピードが速い点とCMYKのシミレーションプリントが可能な点で、雑誌、印刷媒体の仕事をしているカメラマンにとっては、最適なコンタクトシート作成ソフトだと思います。何十枚にわたるコンタクトシートでもプリント指示は一回だけです。指示を出してしまえばあとは他の仕事をしていればいい、、、効率的に仕事をしましょう。

以上が、僕のデジタルカメラワークフローです。
お気づきになったかどうか、、分かりませんが、フォトショップを一度も起動せずに仕事が完結できます。フォトショップは素晴らしいソフトですが、一点一点仕上げていくのに向いているソフトです。

タイムイズマネー、趣味ではないので、時間はお金だという意識が必要だと思います。合成も、修正もしないのなら、フォトショップ レスでのフローが効率的だと考えます。


質問でフォトショップでの変形を掛けるときは?などの質問が出ましたが、このケースはあくまでもギャラ3万程度の仕事を想定しています。そのギャラで歪み補正をするかどうか?それは各自の判断になると思います。ちなみに僕はそのギャラの仕事ではやりません。

今回のケースに限らず、よく混同されるのが、「可能なこと」と「出来ること」です。
可能か不可能か?で言えばほとんどのケースは可能です。でも、仕事でやる以上、時間無制限ではありません。失敗も許されません。高いお金をもらうのならそれなりのクォリティを出すべきだし、安い仕事は効率を追求するべきと考えます。注意して欲しいのは高い安いは人それぞれです。
それと、いろいろなソフト、機材を買う前に、まず、今自分で持っているモノを最大限活用しましょうと言うこと。イメージキャプチャーの利用などはその最たるものです。カメラメーカー純正ソフトもほとんど無料なはず。とにかくそれをとことん使ってみましょう。ダメならどこがダメなのか?その部分を補完するものを買い足すだけで良いのです。


無い物ねだりをしがちですが、持っているモノをもう一度見直して、使えるものは最大限使いましょう。


以上が、僕からの提案でした。