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「スーパーロボット マッハバロン」といえば、タケちゃんマンロボ並みの高ゲタ着ぐるみや
武器を出す時に首がぐるぐる回転するおもしろビジュアル*1の印象が強いが、
改めてLDやDVDで見直してみると、意外にも
後発の特撮ロボをも凌ぐ熱いアクションシーンを堪能することができる。
今回は、それを可能ならしめた要素を、俺的おすすめ話を肴に検証していこうと思う。
※なお、検証用にチョー適当なマウス絵を使っているが、
構図はほぼ実際の画面と同じなので、想像力フル回転でごらんいただきたい。

第22話
「追跡! フェニックスの謎」
 
マッハバロンの装甲に使われている、無敵の超合金・バロニウム。
その超合金をも破壊しうる、α・βレーザー光線をめぐる争奪戦である。
ロボット帝国の手に渡ったαレーザーの攻撃を受け、マッハバロンは大破してしまったが、
激戦の末、βレーザーの奪回に成功!
だが、武器回路を破壊され、両腕をも失ったマッハバロンに勝機はあるのか?


レーザーを取り付ける時間を与えず、敵ロボットのショルダータックルが炸裂!
あえなく地面に転がるマッハバロン。
 
最近の戦隊ロボのおとなしめなアクションを見慣れた目には、
この豪快な吹っ飛ばされっぷりが気持ちいい。思いっきり宙に浮いちゃってるのだ。

レーザーの取り付けを行いながらの戦いは困難を極めた。
敵に組み敷かれ、一方的に攻撃を受けるマッハバロンだが、
一瞬の隙をついて脱出に成功!
 

敵ロボットに踏みつけられた瞬間、ジェットをふかして脱出!
バランスを崩して転倒する敵ロボット。
 
ジェット噴射のカットはミニチュア撮影。スピーディなカットのつなぎと
「すてーん」って感じでひっくり返る敵ロボットのアクションが痛快だが、
何より「ジェット噴射ぐらいしか打つ手がないよ」的な切迫感がいい。

レーザーの連射をかわし、反撃の時を待つ!
 

横っ飛びで避けるが、至近距離の爆発で転倒! だがしぶとく転がって逃げる!
 
お話的には、βレーザー光線の取り付けが終われば
あっさり勝利できちゃう状況なのだが、
全力で攻撃をしのぎまくる姿に、つい拳を握ってしまう。
動きまくるマッハバロンに対して、仁王立ちで攻撃を続ける敵も
いたぶり感炸裂で素晴らしい。

ここに挙げたように、軟質素材のアクション用スーツで展開される殺陣が
その後の作品と比較しても明らかにハードなのである。
後半の話になると、スーツの傷みがやたらと目立ってくるのだが、
これだけ酷使されればスーツも本望というものだろう。
また、胸や腕に無駄なボリュームのないデザインが
ロボスーツとしては非常にアクション向きであるという点も見逃せない。
前作「レッドバロン」と比べて、街のミニチュアセットが少なく
都市破壊の特撮シーンはあまり堪能できない本作だが、
その分、フィールドを存分に使ったアクションが展開しているのである。
 

第11話
「裏切りの戦場ヶ原」
 
バロニウム鉱脈を発見したロボット帝国は、侵略ロボット・シュミットG(ゲー)を建造するが、
彼らの作った超合金は不完全なもので、マッハバロンにあっさり撃退されてしまう。
超合金製造の秘密を握るのは、マッハバロンを擁するKSS(キス)の村野博士ただひとり。
総統ララーシュタインは、博士に超合金を作らせるため、恐るべき陰謀をめぐらせる…

ロボット帝国が超合金製造に成功しているかどうか確かめるため、
メリコンパンチで格闘戦に持ち込むマッハバロン。
敵ロボットに傷がつけば、超合金はまだ未完成ということになるからだ。
 


敵ロボットのふところに飛び込んで腕のドリルをはじき、メリコンパンチで斬りつける!
さらにダメ押しで顔面を逆袈裟斬り!
 
一瞬の殺陣ではあるが、スローモーションで強調された動きが最高に決まっている。
顔面の弾着タイミングも「ずばーっ」って感じで気持ちいい。

やたらと内蔵武器が多い*2マッハバロンだが、実はそのほとんどが飛び道具で、
格闘用の武器はこの「メリコンパンチ(凄い名前だ…)」のみである。
手甲部分から短いカッターを出して敵を斬るという、外見上はまことに地味な武器だが、
プロポーション強化のために腕を延長しているせいで、末端の動きが拡大され、
非常に見栄えのいい格闘シーンを実現している。
スーツの構造上、手でものを持てないハンデを補うために
生まれた武器なのかもしれないが、確実にそれ以上の効果を生んでいると言えよう。

博士はロボット帝国の卑劣な罠に落ち、超合金で強化されたシュミットGIIが
マッハバロンの前に姿を現した!
 

対峙する2大超合金ロボット。かつてない強敵を迎えたマッハバロンの運命は?
 
ミニチュアを乗せた台をターンテーブル風に回転させ、
アニメ的な回り込みを再現したカット。
強引な画面だが、のちの平成ガメラシリーズにも通じるセンスが感じられる。


バロニウム製のドリルが、マッハバロンのボディを襲う!
 
コクピットの主観映像。コクピットのミニチュア越しに
ドリルを押し返そうとするマッハバロンの手*3を撮っている。
「レッドバロン」ゆずりの大胆な構図もさることながら、回転するドリルの先に花火をつけて
ボディが削れる様子を再現する芸の細かさにも注目したい。
正統派の手法にこだわらず、新しいアイディアをどんどん盛り込むのが、
宣弘社&日本現代企画系特撮作品の持ち味である。
 

第20話
「トロイ作戦1対1」
 
愛機・シーヘルツェンUを駆り、マッハバロンとの一騎討ちを望むハイム中尉。
卑怯な作戦を嫌い、ロボット帝国を脱走してまで挑戦してきたハイムに対して、
マッハバロンのパイロット・嵐田陽もまた、単独で決闘の場に赴く…

この話では、タイトルどおり
1対1のロボ戦がいやというほど堪能できるのだが、
その中からごく一部をピックアップ。
 

一進一退のままにらみ合う2体の戦いは、決着のつかぬまま深夜に及んだ。
 
スタジオの照明を落として、一瞬で時間経過を表現したカット。
アニメ的演出手法をそのまんま実写でやってしまう面白味だけでなく、
手前の灯台で臨場感を増すなど、単なるアイディア以上のものを感じる場面だ。



ついに潮合は極まり、激しい攻防が繰り広げられる。敵を切り裂くメリコンパンチ!
だが、敵のシールドがマッハバロンの拳を阻んだ!
 
拳の先にカメラをつけて突進するカットが最高。
立て続けに2度斬りつけ、3度目の攻撃が防御されるまでは、まさに一気呵成である。
実際はもっと多くのカットがハイテンポでつなげられ、
最後に両者が固着するところも含めて、実にいい感じで緩急がついている。



上の続き。シールドで受けた拳ををはね飛ばす敵ロボット。
パンチをさばき、そのまま胴薙ぎ! さらに背中に回って一撃!
 
再びハイスピードアクション。たたみかけるような殺陣と
容赦のないダメージ表現(ざっくり!)、そして
それをわざわざ効果音つきでクローズアップするマンガ的感覚が素晴らしい。
ちなみに、絵では省略しちゃったけど
敵ロボットにもでかい傷が2つついており、互角っぷりを演出している。
 

他の話にもまだまだ見どころはいっぱいあるのだが、ポイントをまとめると
1)着ぐるみのダメージもいとわない豪快な殺陣
2)実は意外にアクション向きのスーツデザイン&武器
3)アニメ的なケレン味とスピード感のある画面作り…といったところだろうか。
興味を持った方は、ぜひ一度実際の映像を見ていただきたい。
ロボット特撮のお約束的ノウハウが確立する前だからこそできた
本気度の高いビジュアルが味わえるはずである。
 


【*1】
初期エピソードでは、関節可動ミニチュアによるモデルアニメーションが使われていたが、
その動きは「上半身を屈伸しつつ、両手を狂ったように振り回す」ようにしか見えず
かなりトンデモ系のビジュアルであったことは否定できない。
余談だが、週刊ファミ通連載の「天からトルテ!」で
これらのシーンがネタにされたとき(TOR-01のエピソード)の画面再現度はかなりのモノだった。

【*2】
決め技のマッハコレダーをはじめ、カノンショッター・アイアンタイフーン・
アトミックファイヤー・バロンスマッシュ・ドルフィンパンチ・ドルフィンビーム・
ピッカーワン・ベルヘンロケッターなどなど。これ全部飛び道具。

【*3】
まあ、こういうシチュエーションでもグー以外できないのが
弱点だったりするんだけどな。
 

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