2009年7月10日更新

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身辺雑記「綾に哀しき」2009/7/10

曇り時々晴れ。

昨晩の夜更けから夜明け前まで、ものすごい暴風が吹き荒れた。

蒸し暑い夜が続くので網戸にして寝ていたのだが、あまりの凄まじさにうるさくて眠れないくらいだった。

だったら戸を閉めればいいではないか、とのご尤もなご意見もあろうが、蒸し暑い上に面倒くさいので、そのまま横になっていたわけである。

夜が明けて、風はだいぶ収まったものの、雨にはならないまでも怪しい雲が広がったり、午後からは青空が覗いたりと、今日もまた忙しい天気である。来週の半ばには天気もだいぶ落ち着いてくるという予報だったから、いよいよ梅雨も終盤を迎えるということか。

日本海側がことのほか荒れた天気というのも、小笠原の高気圧の勢力が強くなって梅雨前線が北に押しやられてくることによるのかもしれないし。

夕刻には久しぶりの夕焼けを見た。

この話題について軽々に触れることはこれまで避けていた。しかし、さすがに看過できないレベルに至っているような気がする。

児童ポルノ、リンクだけで摘発 警察の好きにできる懸念も

児童ポルノのサイトにリンクを張った科(とが)で、ネット掲示板の書き込み者と開設者を摘発した神奈川県警の説明は以下の通り。

「クリックすれば児童ポルノにつながり、誰でも見られます。だから、公然陳列罪に当たるということです」

すごい!

現行法でもここまでやれるのか!

自民党の葉梨康弘議員当たりが担いでいる、単純所持まで罰する児童ポルノ禁止法「改正」案などなくても、十分に危ない法律ではないかと感じてしまう。

断っておくが、私は何も、児童ポルノ規制なんて不必要だ、などといっているのではない。

児童に限らず、ただ単に性欲を刺激し劣情を煽ることのみを目的とした下劣な画像などは、ネットやそのほか不特定多数の人の目に容易につくような媒体に存在すること自体が問題なのだから。

そうした根本的な問題意識の共有と、実際の規制面での具体的考え方との間で、変なねじれを生じているような状況が憂慮されるのである。

たとえば、先に挙げた葉梨康弘議員と、民主党の枝野幸男議員、社民党の保坂展人議員との間で交わされた、宮沢りえの「Santa Fe」を巡る議論などをみていると、あまりにあやふやで驚愕してしまう。

「10年前、20年前、30年前とかに製造・販売されて手元にあるものを、そんなものをみんな調べるんですか?」と問いただした枝野議員に、法案提出者である自民党の葉梨康弘議員は、こう答弁した。

「児童ポルノかも分からないなという意識のあるものについては、やはり廃棄をしていただくのが当たり前だと思います」

ただ、葉梨議員は、廃棄までに1年の猶予があり、有名なものなら政府が調べるとも述べた。

これではつまり、それらが児童ポルノ規制対象物であるかどうかは政府が判断する、ということになりはしないか。

ただ、奥村弁護士は、単純所持を禁じれば、これまで以上に表現の自由に抵触する部分が多くなってくるとして、安易な立法化に危惧の念を示す。

「問題は、国会での議論がいい加減で、レベルが低いことです。所管省庁が判断するべきというのは無責任な話で、法案を作った人が解説するのが筋だと思います。与野党が水面下で議論するというのも、納得できません。これでは、法が成立しても、自白を強要されたり、別件逮捕に使われたりする危険が高くなるでしょう。実務家、専門家が法案をよく練って作るべきで、議員立法には無理があるんです。確かに、単純所持は禁じるべきという方向だとは思いますが、政府が責任をもってきちんと法案を出すべきでしょうね」

一方、葉梨議員は、マスコミが意図的にゆがめた報道をしていると抗議しているそうだが、この経緯については、むしろ保坂議員の「6月26日 児童ポルノ禁止法 法務委員会でのやりとり」の記事が最も正確なようだ。

いずれにしても、その境界線が非常に曖昧なまま、下手をすると表現の自由の阻害や冤罪の温床となるような物騒な法律が制定されようとしているのである。

宮沢りえの「Santa Fe」が児童ポルノ規制の対象になるかならないかの政府による判断が示される以前に、業界では自主的な廃棄や規制が始まる可能性は十分に考えられるし、そうなれば、単に18歳未満の「児童」が裸体を晒しているというだけで、市場から消え去ってしまう映像作品もきっとたくさん出てくることだろう。

映画であれば、例えば「泥の河」「ゴンドラ」「大地の子守歌」「旅の重さ」「台風クラブ」「転校生」「キクとイサム」その他、枚挙のいとまのないほどの数々の名作が、片っ端から対象になってしまうのではないか。

あるいは、絵画における天使とか、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神(モデルはジャンヌ・ダルクだそうだから)」もアウト、ということか。

それらがアウトでないとするのであれば、いったいどのようにその線引きをするつもりなのか。

そのほか、仮に陥れたい人がサイトやブログを開設していたりしたら、そこに設置されている掲示板とかコメント欄に、児童ポルノ規制対象となりそうなサイトのリンクをアップして、官憲に通報する、などという汚いやり方まで蔓延するかもしれない。あるいはそうした画像を圧縮ファイルにしてメールで送りつける、とか。

立法府たる国会が、こんな危ない法律をほとんどまっとうな議論のないままに通してしまっていいのだろうか。

少なくとも刑罰を伴う立法を企図する際には、その適用に当たって厳格な定義が必要になることくらい立法の常識だと思うが如何。





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