紹介
「まるで仙人のような人ですね」堀澄清さんはこの言葉を誰からも幾度となく聞いていることでしょう.素足に下駄履き,どこにでも自転車で出かけ,着流しの風体,まさに仙人のような人・・・・・・.
北海道で生まれ育った堀さんは,病弱で入退院を繰り返す子どもだった.高校卒業後,大学進学のため上京するが,隙間なく建っている家・家・家・・・.そして,頻回に響く救急車の音に絶叫し発病.北海道に戻り精神科病院に入院となる.
2回目に入院した精神科病院・・ここでは,運びこまれるなり「腕を出して」と一言.いきなり太い注射を打たれた. 気づくと70人もの患者と窓のない大部屋にいた.3年間風呂にも入れない生活が続いた.この体験から医療を拒否.退院後26歳から45歳までの20年間,どんなに苦しくとも医療の世話にはならなかった.ところが45歳の時,劇的に心境が変化し妄想も幻聴も消えた.
やどかりの里へ来たのは63歳の時.その時は自分の人生の主人公になることを諦め,自分の人生を100%に近く否定していたという.しかし,やどかりの里での出会いや空間に癒され,作業所での仕事,体験を語る講師の仕事を通し,「やっと自分の人生の主人公になれた」と肯定感を持てるようになった.現在は,同じ病を持つ女性に恋をし,2人の生活を満喫している.
本書では,70歳の堀澄清さんが病とともに生きてきた人生を振り返り,ありのままを語っている.「生きることはすばらしい」と,堀さんの声が聞こえてくるはず.
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