こんな感じですやろか

 

 衣装に関することは、古典の作品にはたくさんでてくるんですが、字面だけじゃなかなかイメージわかないんですよねー。なもんですから、気になったところを画像にしてみました。


枕草子編

 枕草子では、作者の清少納言が仕えたご主人、一条天皇の中宮(早い話が皇后です)、定子の衣装のこともたびたび出てきます。その中で、定子が身支度をしながら衣装の好みについて話すところがあるので、定子の好みはどんなものだったか、ちょっと探ってみました。

 枕草子の100段では、このような一節があります。

「紅梅の固紋・浮紋の御衣ども、紅の打ちたる御衣三重がうへに、只ひきかさねてたてまつりたる。『紅梅には濃ききぬこそをかしけれ。え着ぬこそ口惜しけれ。今は紅梅のは着でもありぬべしかし。されど、萌黄などのにくければ。紅にあはぬか」などの給はすれど、ただいとぞめでたく見えさせ給。」(段数および本文引用は新大系による)

 ここでは、定子は紅梅といわれる色の固紋(紋が地質から浮き出さないように織ったもの)と浮紋(紋が地質から浮いたように織ったもの)の衣を、打って艶を出した紅色の衣3枚の上に重ねています。

 自分の服装について、定子は「紅梅色の衣には濃色(こきいろ:濃い紫とも、濃い紅とも)の衣が合うんだけど、着られないのが残念」、と言っています。ちょうどその季節は2月半ば過ぎ(もちろん旧暦)なので、紅梅色は着なくてもいいのだけど、萌黄色が好きではないから、季節には合っていても着たくない。紅には萌黄は合わない。とも言っていますね。じゃあ、定子の好みはどういったものだったんでしょうか。

定子が着ていた衣装、紅の打った衣3枚に、紅梅色の固紋・浮紋の衣を重ねているところです。

 なお、紅や紅梅といっても、色の濃さによって随分印象が違ってきちゃうんですが、大体のところで色を出してみました。衣の文様はどんなものが織り出されていたのか枕草子には書かれていないので、適当です。なお、一番上の白い紋は「紅梅」という色からするとずれてくるんですが、「浮き紋」、つまり紋が浮き出た感じを表すためにあえてつけてみました。

定子の言う、「紅梅には濃き衣こそをかしけれ」に従ったものです。つまり、濃色の衣に紅梅の衣を重ねてみました。濃色は、濃い紫で出してみました。

 たしかに、この色の取り合わせだと、旧暦2月半ばすぎ(今でいうと3月半ばすぎから、そろそろ4月っていうくらいでしょうか)の、お日さまうららか日なたぽかぽか・・・っていう季節にはちょっと重たい感じがするかもしれませんね。落ち着いてはいるけど。

薄紅梅に濃き単衣
これが定子のいやがっている取り合わせです。萌黄は現代のグリーン系の色ですが紅と合わせると補色の関係になりますね。平安の装束では、この萌黄+紅系という補色のお派手な色の取り合わせをけっこう多くつかったりするんですが、定子はそういうのは嫌いだったようですね。

薄紅梅に萌黄の単衣

 まあこんなもんですかねえ。本当は、人間が衣装着ている写真を細工してみたかったんですが、適当な写真がなかったので、上のようなものになってしまいました。

本文の解釈なんかでも若干ちがってくるんですが、まあこんなもんかいなあ・・・ってなことで。

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