| 高麗伝来の名器 「井戸の茶碗」 | |
| 引用:「吟醸の館」→落語の世界→落語の舞台を歩く→第33話「井戸の茶碗」 |
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「喜左衛門井戸」 |
高麗茶碗の良さというか,味わいというものは井戸茶碗に尽きるといわれています。ということは, 茶人たちが高麗茶碗に求めた美しさは,井戸茶碗のような作振りのもの,即ち飾り気のない素朴な姿, 全く華美でない渋い落ち着きのある釉色,そして一つの姿として茶碗を観るとき,茫洋とした大きさ と,捉えどころのない風格が感じられる茶碗ということになります。 それは正に大井戸茶碗の姿で あり,「喜左衛門」はその全てを備えた茶碗といえます。 伸び伸びとしたこだわりのない姿,中央が竹の節のような高台がしっかりと受けているのが印象的 ですが,その伸び伸びとしたロクロ目は,井戸茶碗の最大の特色であり,竹節状に削り出された高台 も,節立っているがために,全体の姿を引き締まったものにしていることから,やはり大きな見所の 一つに挙げられています。釉は灰褐色のいわゆる井戸の枇杷色釉と呼ばれる釉薬が厚く掛かり,高台 廻りは梅華皮(かいらぎ)状に縮れています。このかいらぎはそれこそ見方によっては不潔な感じを もたせますが,全体の渋く静かな色感の中に,唯一つの激しい景色であるといえ,茶人はそうした変 化に目を着けたのでした。 |