丹沢 勘七の沢
9月に入ってもう夏も終わりかと思いきや、今日はフェーン現象とかで今年一番の暑さだ。山からの帰りの自転車では頭の上から容赦なく降り注ぐ光に閉口した。眼鏡は湿気で曇るし、思わず頭がボーっとして赤信号でも突っ込んでしまいそうになる。それでも強い南風だったので、渋沢から厚木までは追い風で、善波峠の登りも、普段はモーテルの看板を睨んであえぐのに今日はギアをまだ3段ほど残して楽々の通過だった。

国道246は自転車で走っていて楽しくはない。車にはさまれたり、意地悪な車に幅寄せされたりといったことではなく、大きな車が走ることから特に路肩の部分がぼこぼこで、そこを高速で走るとハンドルを取られて危険だから40km/h位の速度で走るときには走行車線を走る必要があり、車に相当な迷惑を掛けているだろうと遠慮する事と、市街にはいると信号が多くて、自分のペースで走れないことだ。普段、自転車で走っている厚木の飯山周回路や宮ヶ瀬ダム周辺は信号がほとんどなく「今日は漕ぐぞ」という時には30km走っても信号ストップ無しなんて言うのは当たり前だから100m走って赤信号の繰り返しではペースが作れない。とは言っても今日のように暑い日には信号で止まる度に水を一口ずつ飲むにはちょうど良いかも知れない。
最近はマイナーな所にしか行っていないので、ときには気分を変えようと勘七の沢にした。水無川と同じくらい人が入って順番待ちで整理券が発行されるほどの(ウソ)超人気の沢だそうだ。秦野市街からを出たところにある神戸製鋼(倉庫、配送所?)のあたりから山の方向に向かい、突き当たりで右に行き、すぐの堀川のバイク屋さんの脇から入る。多分この道は一本道で二俣に続いているはずと、地図もうろ覚えのままで、それでも三廻部、・・・病院って表示が出て「あれっ、これじゃ寄にいっちまうじゃん」と間違いにきずく。この先の道は昔、夜道を石川君と雨山峠を越えて小川谷に行ったときに歩いた事がある。戻って三叉路を折れ、大倉までいってからダートな林道をたどり、道を尋ねてきたスーパーカブのおじさんと連れだって、二俣まで行く。おじさんいわく「自転車もけっこう早えなあ」「おりゃよう、きょうは鍋割山にいってくらあ、どこから行けばいいか知らなかったもんで助かった」
二俣で人待ち顔で沢登の用意をして座っていたおじさん(私と多分同じ年代に対しおじさんとはちょっと失礼ですね あはっは)に目礼して沢に入る。さすがにたくさんの人が入る沢だから、ゴーロといっても歩いた跡が磨かれてどこを歩けばいいのか、辺りを見なくても下を見つめていれば良い。堤防を越え、まっすぐに伸びる小草平の沢に別れ、左に入ってすぐに小釜を一歩入って5mのF1を左側からガバホールドを掴んで越す。今日はなぜだか、フットスタンスがいまいちで滑る感じがする。ナメ状を小滝を越すとF2、6mは右側のカンテ状を登り上部は水流際に行く。堤防を越えると左に折れ曲がって、滝NoF3と表示のあるくの字に曲がる8mで、ここは水流の左側にあるバンドを伝って落ち口に出るのがラインだろうが落ち口の下にホールドが少なくダイレクトに登るにはザイルを付けるべきだろう。くの字の曲がり地点まで言って左の尾根状にトラバースする。
次はきれいなナメ状をはさんで2段の滝で下は簡単だが、上の9mは垂直に落ちる滝でとても滝そのものは登れそうもない。どうやって上に行こうか、右側のカンテ状の奥がちょっと気にはなったが、「これはさっさとエスケープするに限る」と少し戻り、左岸の樹林帯を上がるがトラバースできず、上がり詰めてとうとう尾根上の堀山下につながる登山道に出てしまう。「やあこりゃあマイッタ、まいった」登山道を暫く進んで尾根が平坦になったところから簡単に下降しF4の少し上に降り立つ。F4に戻って落ち口から下を除くと、先ほどのカンテの奥が凹状になっていて、何のことはない階段状の登高路で簡単に下に降り立つことができた。結局、ガイドブックも見ず、その場のちょっと見でルートを早合点することからこんな目に遭うこともある。でも、その反面良いこともあるさと思っている。
ここから暫くは湿っぽい砂防堤が2m、3m、8m、10m、5mと5個も続き、勘七ノ沢をつまらなくしている。そしてようやっとF5だ。傾斜度80゜で15mの落差がある。昔のガイドブックには12mと書かれているがもう少し高そうだ。ホールドはたくさんあるように見えるが水に濡れていることと上部のホールドが小さく危険とのことなので、ここは心は残して、左手の小ルンゼから巻いて登り落ち口に降り立つ。
登り終わった所から、マシラがこの勘七ノ沢のもっとも良い場所だと感じたゴルジュが始まる
(写真)。3mの幅広樋状、更に、その上の3mの幅広樋状は左側から入って水中のスラブ登りを楽しむ。次の凹状は小釜の中に入って右側から水中を登る。でも眼鏡が水に濡れ、おまけにずれてしまって、裸眼視力0.1以下の目には何も見えない。裸眼でホールドを探してエイコラと登る。どっちにしたって落ちても小釜の中で大したことではない。傾斜の落ちたナメ状をはさんで、ナメ状、チョックストン、樋状、フェース状、樋状と小滝が続き、もうこりゃあ全身ざんぶりと水の中に入って楽しい登りの世界だ。ゴルジュがいったんきれて更に3mが続く。勘七の沢が人気があるのはF1、F2、F3、F4、F5とそれぞれ味わいのある滝におう部分もあるが、マシラはこの楽しいゴルジュ帯のポイントがもっとも高いからではないかと思う。何しろ、いったん水の中に使ったらもう怖いもの無しの楽しさがこのゴルジュにはある。
そして傾斜の落ちた5m45゜の滝がそのまま砂防堤に連なっている。砂防堤の上にはもう一個壊れかけた砂防堤があって、これを越すといささか退屈なゴーロ歩きで途中に幾つか小滝はあるが、もう滝らしい滝は出てこない。6mのナメ状滝をすぎると水はいったん切れ、流れたり無くなったりを繰り返しながら最後の詰めまで水は流れている。三俣から中央に入ると5m程の涸れ滝になる。水のたまった小釜からダイレクトはホールドが丸いので滑る。小釜にはまりながらゴーロを詰めさいごの2m滝の水を飲んで樹林帯の中の小尾根を上り詰めると大倉と鍋割山への分岐のちょっと大倉側に出る。今日も幸い、沢の中では誰にも会うことなく醜態をさらさずにすんだ。
ゴルジュより上は退屈で悠長な歩きで、できたらショウトカットしたい気分だがここが良いと言う人もいるのも事実。
分岐から、塔ヶ岳に行って来る。下の子供が幼稚園前位の時に来て以来だから10年ぶりくらいかな。沢山の人とラーメンの臭いの山で長くはとどまれない。帰りは大丸、小丸の間から二俣に降りる、下り一方の道で、表尾根よりははるかに良い道だ。二俣で神奈川県の登山訓練所を見に行く
(写真)。閉鎖になってもう2年が経過し、このまま廃屋になる気配が漂うがさすがにしっかりと建てられた建物。もしマシラに金が有れば払い下げを受けて山の住処にしたいね。いささか広すぎて一所帯でくらすにはもったいないけどさ、友人を集めてのどんちゃん騒ぎには葛葉の森スポーツ公園の宿泊施設よりは山屋向けで良いんじゃないかな。賛同者募集中 一口50万円で30口くらい必要かな、いやまてよバブル崩壊から地下も建物価値も大幅に下がったからもうすこしやすいかもしれないな。よし一口10万で80口ぐらいでどうだ。
自宅6:00〜自転車〜勘七の沢出会い7:50〜登山道(花立〜鍋割分岐)11:10〜塔ヶ岳11:20〜二俣12:40〜自宅13:50 2000/09/02