飯山を過ぎ、清川村に入った最初の交差点での事
 「おはよう ございます」
 ・・・???何っ
 まだ六時前の朝というのに交差点横に人が立って挨拶やっていた。
 いったい何だろう?あの人?
 それを納得したのは役場前に張り出された掲示物を見てだった。
[村会議員選挙公示中]
 宮ヶ瀬地区に入っても、人の出入りが多い地点をチラッと横目で眺めると、いずれでも「●●選挙事務所」との看板がだされている。
 選挙は嫌いじゃない。
 でも国政選挙へは今いち参加意欲少なし。
 県議会や知事選も似たようなもの。
 何たって、知り合いが出ていない。組織ってものをあんまり信用しないたちみたい。
 どちらかというと顔見知りとか親戚とか地縁血縁の田舎人選挙に染まって育った世代だからなんだろう。
 駅前に行く用でもあれば、選挙用パスーマンスを見物して選挙気分を味わうなんてこともあるんだろうけど、徒歩時々バス通勤・それも自宅から郊外方向に向かってとなると、直に選挙の雰囲気に触れる機会はほとんど無いのだ。たとえ選挙カーが走り回ったとしても、昼間は外部と遮断された建物の中にいるから声は聞こえない。仕事が終わる時間帯はスピーカーの使用が禁止されている。たまには外出もあるが、広い地域を走り回る選挙カーに行き交うチャンスは滅多にない。
 それに比べれば市会議員選挙とか、村会議員選挙って、狭い地域、精々数kmの範囲に複数の選挙カーが投入され、それぞれが地盤地域の家々に向かって拡声器で呼びかけたり、候補人相互が出会うと互いにエールをかわしたり、まことににぎやかで、ある種楽しい。これくらいに選挙活動の密度が濃ければ、たまの外出でも選挙カーに必ず行き交うだろうし、時に顔見知りが出ていたりするので近親感も涌こうというものだ。実際に選挙活動中の人って当選するという目的意識に向かって興奮しているので、一種のお祭りって言っていいだろう。この活力が実際の運営でも生かされれば良いんだけど、聞いた話しでは、多くの場合、運動そのものに精力使い果たして、残りの期間は祭りの宴後っていう状態で次のための精神充足期間に当てられ事が進行するのが通り相場だっていうのが、もしも本当だとしたらモッタイナイ気がする。
 でもマシラ ともかくお祭りは大好きなんだ。
 祭りは見るんじゃなく参加することによって更に楽しくなる。だから選挙も祭りにして参加者には弁当に酒でも付けて出してくれれば神輿担ぎのように盛り上がるんだけど・・・昭和40年代までは、これって普通だったように覚えているが、最近では、このような行為は公選法違反って厳しく摘発されるらしく、皆さん自重して当たり前なんだが、でもマシラ的には少し残念!! 

 なんて事を考えている間に塩水橋に到着する。
 天気予報がいうような暖かさは無かったが、風向きは南だったらしく、思ったよりも疲れていない。
 しかし、当たり前だよ。10年前の記録を見たら、自宅から橋までは58分で、キューハ沢への本谷林道終点までは+15分余りで到着って書いていったのに、今日はと言えば1時間30分に+30分の合計2時間かかっていて、当時より確実に45分は余計に時間がかけたジョギングモードなんだから疲れていなくて当たり前だろう。少しも偉ぶれないんだぞ。
 でも、今の力では頑張っても10分くらいしか時間短縮出来ないと思うし、そもそも時間短縮しようという思いがない。これを称してマイペースというけれど、無茶をしないってことは、自分の限界を試そうという行為を諦めていて、体力も気力も老化一直線に向かっているという事を証明しているようなものだ。
 だが、「それも良し」って下を向かずに言える年になったんだな・最近


 大棚沢は本谷川林道の終点で川を対岸に渡ったその場所から始まる。ちょうど10年前に一度入っている。記録は忘れたが、若い頃にも入った記憶があるから、本日は三回目ということになるだろう。


大棚沢F1
 F1は高さは7m程ある。
 手前に丸太や大きな石が転がっていてパッとしないが、近くに寄って見れば、岩が水によって岩が黒々と磨かた迫力あるのを感じる。
 きっと右手が登れるんだろうが、傾斜がきついので無理はしないでと、左側の凹部を3m登ってから、右の凸部に移動して3m登る。岩が脆く足を踏み出すのを躊躇うが、幸いどうということもなかった。更に右の凹部に移動して落ち口に出る。

 上には岩床の上に小滝がかかり、奥にコンクリ製の砂防堤が重なって見える。
 砂防堤の上は落ちて流れてきた大量の土石が重なり、下から流水音が聞こえるのに水の姿は見えない伏流帯となっていて、先ほどの小さな砂防堤が土石流出に対してとても有効に機能しているのが分かる。だが、もしもあの砂防堤がなかったら、小綺麗な岩床の流れが奥の二俣くらいまで続いていたんじゃないかと想像すると、少し残念な気持ちも涌こうというものだろう。
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狭いV字状の谷に小ナメが続く
 言葉通りに右手に砕石の小沢を分け河原の砕石が尽きると、V字渓の岩床の中に小さな小ナメが暫く続く。
 そして小ナメの中の傾斜がきつい部分が滝となって歓迎してくれるのだ。3m、4mとそれぞれ二条に別れ流れ落ちる滝を登る。それから暫く歩いたところで二俣に達する。
 右は右俣(出会いは水無だが、20mも歩けば水流が出てくる)、左は本流の左俣。
 左俣の少し先には4〜5m程の滝がかかる。登るのなら、左の上を岩で押さえられた下をハンドトラバースが良さそうだが、出口では水の中に出ないと体勢が苦しそうだ。その際、宙ぶらりん状態になる可能性があるから腕力が必要そうだ。無茶はやめよう。
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二俣の左にかかる4m位(上を含めれば6m)の滝 右から巻く
 右からと言う手もある。傾斜が左よりきつそうだし、最後はやはり水の中に入る必要がある。これも無茶な範疇に入るだろう。
 いずれも確保手段を講じた方がよさそうな感じから、素直にココは巻くことにする。
 右俣に入り20m程先から露岩を縫って中間尾根に上がり、そこから落ち口に降る。
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続く5m滝は流れの右側を登る 快適
 直ぐに5m程の滝が待っている。正面から見ると傾斜きつく、登るのは無理かなと思ったが、近くに寄れば岩は純層だし、枯れ葉を払えば、そこに確かな手がかりも有りそうなのでトライして見ることにする。その結果は想定通りである。最後の二歩ほどだけ手足を水の中に付けなければならなかったが、フリクションはしっかりとしていて十分に楽しめた。

 そうして今まで狭かった沢が少し開けた。
 周囲を見渡すと五町歩方向の小尾根の上には黒樅が一本立っていて、その下には径路状の小窪が見える。沢の近傍には岩を穿って作った路の痕跡が水平に伸びている。

 ここがお化け沢径路? だが
 径路は大棚沢大棚の上と思いこんでいたので、これは「お化け沢径路」とは別の径路なのではなかろうかと、その時点では考えた。しかし、別の径路なんて聞いたこと無いし。
 だとしたら、これは何なんだろうか。結局やはりここがそうなんだと思ったのは、大棚沢を終えて長尾尾根に出てからだったのだ。別の場所にそれらしき痕跡が無かったので、そう断定しても間違いないだろう。あやふやな記憶でもって、その場で的確な判断するっていうのは難しいものだ。
 さて、足元の岩の下からは確かに水音が聞こえるが、径路跡付近からは伏流になっている。そんなガレ場を暫く登る。右手に滝場も幾つかありそうな急なルンゼ状の窪地が別れる。(帰路お化け沢径路に間違えて伝った岩尾の小尾根に出るらしい)
 そうして本流では3m小滝の小滝があり、その先に大棚が大きく見えた。やれやれ これが大棚沢の大棚だ。

大棚沢 大棚 水量少なめだが堂々の落差33m
 落ち口の水量は少ないが、途中遮る岩や段差なく、高度の差が大きく感じられて、まさしく大棚にふさわしい。もしも水量が10倍ほどあれば丹沢の名瀑と称されるに違いないが、丹沢の小沢の棚に無理を言っちゃいけない。岩場に上から下りてきた霧がかかって岩場をもったいぶって隠したりもする。
 下から見る登路は割と単純だ。左側の階段状を中段部まで登り、傾斜が急になったところで流れを横断して右に移る。そこから数m傾斜度強くなるが、乗り切れれば右手の凹状帯に入れば落ち口までは易しいに違いない。
 口ではそうは言うけど、では登るかと言えば、横断部は当然水に濡れている岩だから滑っているかも知れない。ホールドだって握れない逆層かも・・と知れない/知れない/知れないを三度ほど重ねて否定的に全体印象を捉えれば、30mを越える大滝を確保なしで突っ込むなんて所業は当然出来ない相談だ。
 そんな事考える前に大棚の見物を見終えたと感じている手足は当然のように書いて登るためにに動いて左手の斜面を登り始めている。
何本か腐れ立木があるので不用意に掴まないように注意を要するが巻きは比較的容易だった。途中にある幾つかの露岩を避け、傾斜度の強い部分をエスケープし、立木を頼りに落ち口より幾らか高めに登り、次に沢に下りる緩い斜面を選んで降って戻る。

 そして本流を再び上る。水は既に尽き、砕けて転がる石とその上に堆積する枯れ葉の上を、詰めの露出した岩肌に達するまでは、淡々と歩くことになる。
 周囲は霧に覆われ、見た目では稜線の所在も分からず、どの辺を歩いているのかは視角では不明だが、土石が徐々に小さくなり、傾斜が少しずつ増していくことで、だいたいどの辺を歩いているのかは判断できる。露出した岩肌の地帯に達したところで左手方向に横断し、立木の茂る小尾根を短く登ると傾斜度が緩くなり、次に霧の中に登山標識の影が浮かぶ。(P1202mへ登り始める地点)こんなようにして長尾尾根に達する。

 長尾尾根の尾根道って、なだらかで丸っこい尾根にブナの木が緑豊に育つ。その分、酸素が濃い気がする。なによりちゃんとした登山道なのに登山者が少ないのが好ましいと思ってる。
 そんな霧が流れる静かな尾根。いいな。
 林業用モノレールが併走する道を歩いて軽く標高をあげるとP1202mのなだらかな丘陵地に着く。

 さて、どう降ろうか!
 たしか、このあたりから降れば、お化け沢/大日沢の分岐点付近に降るはずなんだがなあ。と目論んでいたのだが。
 周囲を見渡すが霧に阻まれ、霧の中のシルエットを頼りにでは、どこがどうだかさっぱり分からない。ならば地図とコンパスで方向をしっかり決めてと言いたいところだが、そのような利器の持ち合わせは無し。あるのはさっぱり当たらない頼りがいゼロのカンとかすかな記憶だけ。それはそれでアドベンチャ気分に浸れて良いじゃないって気がする。世の中に確かなものなんて何もないのだから、山の中でも色々あって良いだろうさ。

 でもね、、安全安全 正しいルートを歩きましょうって声高に叫ぶ人もいる。
 それが正しい山歩きだし、正しく良い世の正道であるというらしいけど、
 おれはイヤだね。好きにさせてくれよ。
 山の中の、どうでもいいよな些細なルート選択一つで おいマシラ!
 あんたそれほど偉くはない。親父のグダグダ談義ヤメロ!
 話しを元に戻して 次 行こう

 五里霧中も無事に帰ってさえくれば楽しいものさ

 まずは、適当に降り出す。「イイゾ 何となく尾根っぽい」
 しかし、先が急傾斜になっていくように感じた。踏み跡、あるような無いような。
 ちょっと自信なし。
 左右に沢の支流が迫っていて、このまま降っては直ぐに沢の中に下りてしまうんじゃないかな!
 そして、戻る(自宅で地形図確認したら、そのまま下降しても問題なかった。目的の二俣への下降路ではないが、大棚沢の左岸尾根である)

 登山道に戻って、大日側に更に200m程歩く。その間、「ここは降れないかな」って探りを入れるため二度ほど少しだけ下降するけど、さっきと同じように確信持てずに引き返す。せめて300m程視界が利けば、ちゃんと判断できるのに!

 そして四度目。
 左手に沢の源頭である砂の崩落地帯が待ちかまえその左縁ならば尾根状ではなかろうかと霧の中の地形を想像したんだ。降りだして直ぐに行き詰まり、その時は緩くい傾斜の砂礫帯を右に向かって横断して、先の小尾根状に入る。そこは踏み跡あったように思う。しかし、視界利かない山勘での降りのなれの果てなんちゅうもんは、早かれ遅かれ急な降りに行く手を遮られる結末になる事はだれにでも容易に察しがつこうというものさ。いくらも降らないうちに再びそうなって、さあてと どうする。
 左手は急な広いガレ、コッチは明らかに下降ルート選択には適さずダメ!
 右手も急なガレ。だけど稜線から降った分だけ視界も利いて、その急場を二箇所ほど横断すれば、小尾根に出られそうな見通しが得られた。その小尾根が目的の尾根かどうかは分からないが、今すぐ沢に下りるよりはマシだろう。
 砂が固まった急場を靴のエッジを効かせて水平方向に勢い付けて渡る。
 そうして小尾根に出る。
 鹿が下から上に向かって歩いた跡が付いていた。獣が歩いていることで、ここが下まで続く支尾根と確信できた。やれやれ安心だ。

 踏み跡は薄いが、下草無く、途中に黒樅の大木が何本か立つ道はスキップしたくなる程の小径だった。鹿がマシラに気がつき、尾根を左から右に疾走する。追いかけはしない。
 良い道。嬉しいな。得したな。
 ただし、下から水音が聞こえてきて、更にお化けの沢の流れが至近の距離に見えてからは急な斜面に変わる。それでも、獣の踏み跡を忠実に追っかけると、露岩の難場を上手く避けて簡単に二俣から10m程の位置で大日沢に降り立つ事が出来た。沢を50m程降って本流沿いの仕事道が日高径路へ続く登り口の分岐に着く。石の原の中の道を50m歩いて、木道に乗る地点で本流に下りて対岸(右岸側)に渡る。
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お化け沢径路のお化け沢側の入り口だよ 僅かな踏み跡路

 そこがお化け沢径路の入り口なのよ。(札掛側からなら出口に当たる)
 さて、本日は自転車を林道終点まで乗り入れなかった。息が切れて最後の200mがペダルを踏めなかったと言い訳を言うことも出来るが、出来るなら「お化け沢径路」を逆から歩いて五町歩滝を見物する豪華版コースを歩いて見たいと思ったことが理由だったのだ。もしも終点まで自転車で行っていたら、本流沿いに降るのが一番楽だし、早く帰れるので、わざわざ遠回りになる「お化け沢径路」なんて選択を心に決めていたとしても、その場になれば前回三角沢の帰路がそうだったように、きっと手抜き側に心が動くはず。軟弱マシラにとって、朝方決めた今回のコースを強制的にも担保するには自転車を、それを強要する地点にデポするっていう行為が予め必要なんだよ。

 話しを「お化け沢径路」に戻して
 札掛側からなら何回か歩いていて、コースの詳細を絵地図にしているんじゃないので、五町歩沢から大棚沢付近は少々心許ないが、間違うはずがないとうぬぼれている。だけど反対側からならどうだろうか。歩いたことはない。
 でも、往路が行けるんだから、復路だって似たようなもんだろうさ。
 レッツ・ゴー 簡単にいきましょう。
 予定通りなら五町歩滝まで目標25分かからないはずだよ。

 逆コースを歩いた場合に一番懸念したのは入り口から次の小尾根までの間だった。下に本谷川を見下ろしながらだが、踏み跡は薄い。しかし、これは杞憂だった。古いけど何カ所かテープが木に幹から垂れていたし、踏み跡も失うことはなかった。ただし、それも束の間の事で次の小尾根(本日最初に下降を試みた尾根の下端に当たると思われる)の稜の小広いところで大棚沢方向の先が全く読めなかった。踏み跡も分からなかった(ともかくも水平で進んでいけば間違いない)。
 たしかに水平とは心がけたつもりだったが、行き先方向には露岩が出ていて、途中で詰まったら困るだろう。そんな風に感じたので、先ほどの稜に戻り、小尾根の上に着けられた踏み跡を上に向かう。横に進める踏み跡は無いかと目をこらしながら、ついつい100m程歩く。
 (既にコースを外れている。ともかくも水平が正解なのだ)
 傾斜が弛んだのと、獣の踏み跡が水平に付いていると見えたので、ココじゃないよとは思いながらも他に選択の余地がないように感じて水平歩行を強行する。下に歩廊らしきものが見えた場合は下降するとというように徐々に高度を下げながらだ。それでも途中、5m滝(大棚沢右俣)に、はたまた斜面中の露岩に行手を挟まれ、結果的には50m下がって、50m上げてというようだったので、本来コースよりは上側に100m程離れたままに水平に歩いたことになる。そんなようにして、向こうに水音が聞こえてきた岩尾根の上から大岩の間のルンゼを大丈夫かなと思いながら(全く安全な下降路である)下降すると、そこは大棚沢大棚の滝壺だった。やれやれ
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お化け沢径路を迷い100m外れて 大棚下に出てしまったんだ でもそれなりに踏み跡ありだね
 それで、ようやく現在地が把握できた。 逆路だったら絶対こうはならなかったと悪態をついたコースはずれの代償は、順調にいけばお化け沢から大棚沢まで10分で済むところを30分はかけてしまい、その間、谷側の左足ばっかりを踏ん張るので左足指裏にまめが生じてウズウズする。破れはしなかったが実際かなり痛かった。
 本来コースに戻ってから五町歩滝までは順調である。たとえ僅かな踏み跡でもあると無いでは精神的にも体力的にも大きな違いがあり、大丈夫・イケルと思った時に足の痛みもどっかにいってしまって忘れた。

 小尾根を回り込むと五町歩沢から別れた支流がまず目に入り、次に本流の小滝群が眼下に広がる。水音が遠くに響く。砂礫状が緩やかに弧を描くカールを直進し、次の小尾根の最先端に出ると明瞭な滝音が聞こえてくる。そして空中に黒い岩を差し出すように見える五町歩の滝の上に到着する。全て落ち口の上の十数mの間に湧き出した清水が流れ落ちる滝は、先々日の雨の影響もあるのか水量は多めに感じる。滝そのものから生じる滝霧と上空のガスがミックスして周辺には霧がかかり、それがときおり風にながれ、若葉が落下音にリズムを刻むように振動して小さく揺れる。
 五町歩滝は知る人ぞ知る丹沢の名瀑だ。そんな気持ちを持たせる雰囲気がたしかにこの滝にはあると感じる。

お化け沢径路を五町歩滝まで歩いて 滝見物後は本谷川林道に降る
 さあ、今日の目的であるお化け沢径路を使って五町歩滝を見たことで達した。後るは自転車デポまでちゃんと降ること。
 五町歩滝からの降りで一番らくなのは右岸尾根を本谷川林道にである。出会いまでゆっくり歩いても20分もあれば十分なはずだ。
 その五町歩沢右岸の尾根は広くのったりしている。尾根の上からは沢の滝には水の飛沫があがり、白い大蛇がうねっているかの如くに見える。ついついそれに魅入られて気がつけば尾根を一本左に外してしまっている。このまま降れば五町歩沢の中に降ってしまう。だからといって元に戻る必要もなく、右手向こうに見える小尾根に向かって、なだらかな山裾をトラバース気味に下降して行けば自然に本来コースに戻る。幾らか急な尾根部分もあるが、それもごく短い距離で済む。
 「あれっ仕事道」
 気がつけば仕事道に入っていた。少し古い。一・二年で作られたのなら路を知らない場合もあるけれど、見た目では敷設後五年くらい以上は経過していて
 「こんな道あったっけ?」
 そうして気がつけば、道は違う方向に進み出していた。本谷川の吊り橋が先に見える。五町歩滝出会いとは風景が違う。
 「いけね いけね」
 もっと左手方向が本来の下降ルートのはずなのに。
 その左手方向にも道が見えるが、今の地点との間が急場だった。それを強引に横断する。その際、露岩の上で柔らかい泥に足を取られ、すんでの所で5m転落しそうなんてアクシデント未然状態もあって、反省点もついてしまった。やがて五町歩沢より、もう一本下に当たる小沢が本谷川に落ち込む淵に立って降り着いた。
 上流の五町歩沢の出会いまでは距離200mくらいだが、ちゃんと道は着いていて、五町歩滝の新滝をチラッと見てから、対岸の本谷川林道に黒樅の大木が立つ地点で戻り着く。そこから自転車置き場までの間、山桜がハラハラと舞い散ってアスファルトの路面の上に象眼のような文様を浮かばせる上を鼻歌まじりで歩いて3分くらいかかったと思う。さあ帰ろう。



 宮ヶ瀬村では昼下がり。
 選挙カーの人に6回くらい、選球事務所前では4回くらい手を振り、「ご声援ありがとうございます」の声を10回くらい頂く。選挙権持たない気安さに任せて誰彼なく手を振るくらい、お安い御用ってもんだ。せっかく懸命にやっているんだもの、景気づけに手を振る程度の支援はしてあげなくちゃあね。それに声だけでも返礼があれば、コッチも気分が良くペダルをこげるってもんだしさ。
 でもさ、手を振る前に前をちゃんと見てないと危ないぞ!
 後続や対向車にフラフラ運転で迷惑かけるなよ。

十年前の大棚沢
今回の写真集


自宅5:10〜宮ヶ瀬6:10〜塩水橋6:30〜キューハ沢出会いの少し手前に7:10自転車デポ〜大棚沢出会い7:15〜大棚8:20〜長尾尾根9:00〜P1202m〜適当に下降を開始して中断 元に戻る9:05_15〜大日とお化け沢の分岐部に伸びる尾根を下降開始9:20〜お化け沢:大日沢の二俣へ下降着9:35〜お化け沢径路入り口9:40〜お化け沢径路〜大棚沢右俣付近で径路不明・・・本来より100m程上側を適当に歩いて〜大棚沢大棚下10:30〜径路に戻る〜五町歩棚で撮影大会11:00_15〜五町歩沢右岸尾根を下降〜出会いより150m程下流で本谷川に11:30〜五町歩沢出会い11:35〜自転車デポ11:40〜自宅13:00 2009/04/18 曇り 山の中では霧 長尾尾根では見通し無し だが山を歩くにはちょうど良いくらいの良い日だった。
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