数学者バーロー(英)が
1834年に発明した,接眼鏡の前につける凹レンズ.
対物レンズの焦点距離を凹レンズで引き伸ばし,接眼鏡を単独で使用した場合より倍率があがるよう設計されている.

・一つの接眼鏡で,2種類の倍率が得られるなどがある.
・短焦点の望遠鏡でも高倍率が出せる
・ガイド写真をとる場合,十字線を張った接眼鏡を望遠鏡につけ,高倍率で追尾したい場合
2つの顔を持つバーローレンズ
望遠鏡の入門書をひも解くと,「バーローレンズは見え味を落とすので,良くない」と、書かれている物が多い.
ところが,最近になって,「バーローレンズは見え味を改善するのだ」と言う、まったく反対の意見が出てきている.
バーローレンズは粗悪品の影響でイメージが悪いため、エクステンダー等の名称を使うメーカーもある。

望遠鏡ショップのガラクタ市で,100円で売ってたもの.
全部プラスチックで出来ていて,レンズは大きなコイルバネで押さえつけてあるという不真面目な作り.
手持ちの望遠鏡に使ってみたが,ひどい色収差を発生し,像がボケボケ.
「バーローレンズは良くない」という望遠鏡の解説書はやはり正しいのだなと,その時は思ってしまった.
使わなくなった望遠鏡を売るときに一緒に手放した.
こちらは,まじめに作られたバーローレンズ.
クリーニングの為に分解してみると,たしかに3枚のレンズ構成になっており,マルチコートがついていた.

1999年の火星観測で,オルソと組み合わせると,ハイアイ接眼鏡に勝るシャープな像が得られた.
ただし,25mmぐらいの長焦点の接眼鏡を付けると,視界がけられるのが欠点.
コンパク
ト エクステンダー New
31.7mm径 ボーグ (TOMY) 中古品

ボーグの接眼鏡と同様,本体は塩ビで出来ていて,ちょとオモチャっぽい外観だけど,非常に軽く,名称通りコンパクト。
接眼鏡の前に付けると2.2倍,付属する延長筒を付けると3倍になるという。
ボーグの接眼鏡(SWK22,WO13.5)
は広視界だが周辺像の崩れが目立つという欠点があるのだが,この純正のバーローレンズを付けると,かなり補正される。
wo13.5と組み合わせた状態 (中古品なので薄汚れている) 通常のバーローレンズは全長が長く,合焦位置も大きく変る物が多い。
しかし,本製品は全長が短く,合焦位置もほとんど変らないため,ドロチューブが短くて,可動範囲が狭いニュートン反射にも支障無く使えるようである。
WO13.5と組み合わせて火星を見ると,単体のPL6.3と比べると僅かにコントラストが劣るようだが,なかなかの見え味。
レンズもマルチコートされており,見た目に反してよく練られた優れもの。(尚,この製品は今は金属製の鏡体になっているようだ。)
バーローレンズにもランクがあり,一緒くたに論ずることは出来ない.
・玩具級バーローレンズ
「最高倍率400倍」などというキャッチコピーがついた怪しげな初心者向け望遠鏡によくついてくる.
上にもあるように,レンズは1枚だったりするし,作りもいい加減で,バーローレンズのイメージを悪くするのに一役買っ
ている?.
・旧世代バーローレンズ
ガイド撮影を主目的に設計された物.一応,アクロマートレンズ(凹)が入ってる.
メーカー自らが「ガイド用」として売っているバーローレンズを使い,8cmF6の屈折望遠鏡で像質の変化を調べたことがある.
知人らから借りた10個あまりのケルナーやオルソ式の接眼鏡に対しては,性能の劣化はほとんど無く,OR25mm+2倍バーローが単独の
OR12.5mmより周辺像が良いなどということもあった.(雑記帳に書いた関連記事
はここをクリック)
・新世代バーローレンズ
収差補正を真剣に考えて設計されたもの.上記の3枚玉のように汎用では無いレンズが使われている。
アイリリーフの確保
あなたが20mm,8mm,5mmの接眼鏡を持ってたとする
ここに2倍バーローレンズを加えると,10mm,4mm,2.5mmを所有したのと同じ事になる.
4mmの接眼鏡はオルソであってもアイリリーフはわずか3mmで のぞきにくい.
まして,2.5mmなどという接眼鏡は無いし,あっても使いにくいだろう.(ハイアイ型を
のぞく)
しかし,8mmの接眼鏡とバーローレンズで作った4mmは,アイリリーフが,8mmの接眼鏡と同じで,だいぶ楽だ.
2.5mmだって,のぞきにくさがなんとか我慢できる5mmの接眼鏡とバーローレンズで作れる.
「アイリリーフの確保」・・・バーローレンズが持つ,もう一つのメリットだと言える.