ネジは便利なものです。
ネジが無かったら、釘で打ち付けたり、接着や溶接をしなくてはなりません。
それでは分解できなくなります。

プラスドライバーで回す小さいネジのことを「ビス」と呼んでいますが、正式には「十字穴付きなべ小ネジ」などという長ったらしい名前がついています。
でも、一般的ではありませんね。
ネジの種類
日本では原則としてメートルネジを使うことになっています。
しかし、古くからの慣例でインチネジも未だによく使われていますので、区別しなくてはなりません。
たとえば、カメラを三脚につけるためのネジは、1/4インチネジですが、一見すると、メートルネジのM6と良く似ています。
でも、寸法が違いますから、入りません。
メートルネジの呼び名は、ネジの直径を表しています。
たとえば、M3とは、メートル(Meter)のネジで、直径φ3mmということです。
我々が入手しやすいネジは、M2、M3、M4、M5、M6、M8、M10、M12くらいです。
ネジの寸法はJIS(日本工業規格)で細かく規定されていますが、我々の工作で必要になるのはごく一部の寸法に過ぎないので、ネジ加工のための寸法表に別にまとめておきました。
加工の際に参照してください。
規格外ネジ
意外に思われるかもしれませんが、光学機器では規格に従わないネジの方が多いようです。
規格ネジは、径が大きくなるとネジのピッチ(ネジ山の間隔、Pで表す)が粗くなるので、不便だからです。例を見てみましょう。
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φ28.5 φ36.4 φ49.0 |
0.60 1.00 0.75 |
国産望遠鏡の接眼アダプタネジ カメラレンズのフィルターネジ |
タップ
ドリルで開けた丸穴の内側にメスネジを加工するものです。
”タップを立てる”といいます。
別項にて テクニックをご紹介します。
ダイス
シャフトの外周にオスネジを加工するものです。別項にテクニックをご紹介します。
加工の際は、ネジ加工のための寸法表を参照してください。
旋盤加工
大きなネジや規格外のネジを加工する場合は、旋盤加工するしかありません。
この場合、相手方のネジが既に存在している場合は、現物合わせにするべきで、外注の場合はサンプルとして渡します。
あとで入らなかったと文句を言っても手遅れです。
図面に、たとえば、”M49P0.75”と書いておけば、計算で寸法が出るはずだ、と思うでしょうが、現実はそう簡単ではありません。
ネジの切り込み量を計算どおりに取ったとしても、旋盤でネジを切るバイト(刃)の摩耗具合でネジの直径が変わることはよくあることです。
また、ねじ込む相手側の寸法が安定しているのは、カメラのような高級品くらいなものです。
現物合わせを怠ると、出来上がってから入らなかったり、ゆるゆるだったりして泣くことになります。(体験者)

ネジのかみ合いの様子を簡略化して拡大した図です。
ネジ山の角度が、60度になっています.
ネジ山の高さHは、ネジのピッチPから決まり,ネジの径とは関係無いのです.
(H=Pcos30=0.866P)
オスネジ
オスネジの山は、頂上が少し欠けており、呼び寸法 d を残していることに注目しましょう。
たとえばM8のオスネジの外径は呼び寸法どうりのφ8mmです。
ネジを切るシャフト部分が正確にφ8になっていなくてはなりません。
また、バイトの先端がつぶれていると、シャフト表面に突き当てで切り込み量を設定すると、結果的には切り込み過ぎになって、ネジの外径が小さくなってしまいます。
これも注意が必要です。
メスネジ
メスネジの内径D1は、呼び寸法dから、ちょうどピッチ P を引いた値になります。
(D1=d-(5/4)H=d-P)
たとえば、M8ネジのピッチは、1.25ですから、穴の内径はφ6.75です。
オスネジが入らないと困りますので、少し大き目のφ6.8とし、相手方のネジが入るかどうか確認しながら加工します。