タップ立て
戻る / back
 タップとは、ドリルで開けた穴にメスネジを加工するための工具です。

 タップでネジ穴を加工することを”タップを立てる”といいます。

 これを使うと、部品に直接ネジ穴を加工できるので、ナットが不要になります。
 
 分解する必要がある部分のネジには是非タップを立てましょう。
 
 ナットは締めてる間スパナで押さえていなくてはなりませんし、落としたりして、不便ですから。
 
 タップが立てやすいのは、アルミ、真鍮、軟鉄、アクリル板です。

タップの種類

 下の写真に示すように3種類あります。

 左から先(さき)タップ中(なか)タップ上げタップと呼びます。
先、中、上げタップ
 

 先端のテーパーの度合いが違っていて、順番に使えば大きなネジも無理なく加工出来るようになっています。
 
 実際には、M6以下は、中タップだけで済ませてしまうのが普通です。ホームセンターなどで一本で売られているタップはこの中タップです。
 
 タップ加工を行う穴は、特に理由が無い限り、貫通させておきます。穴が途中で止まっている穴は、普通のタップではなく、切り粉が上に出てくるらせん型のタップが必要になります。

加工手順
 
(1)下穴をあける 

 開けるネジのサイズによって、開ける穴のサイズが決まっています。ネジ加工寸法表を見てください。
 穴あけ
 この下穴のサイズは守ってください。
 
 たとえば、M4用の下穴はφ3.3ですが、φ3なんかで開けると、タップが途中で動かなくなってしまいます。
 
 大きな穴あけは、2〜3回に分けて小さな穴から大きくしていくとうまく行きます。(φ3、φ5、φ8.5という風に)
 
 下穴は垂直に開けましょう。
 
 穴が斜めだと、タップで修正することは不可能で、ネジも斜めになってしまいます。
 
 穴をあける対象が薄い時はあまり問題になりませんが、出来ればボール盤で開けたいところです。
 
 あけた穴は面取りをします。
 
 これは大き目のドリルを手に持って穴の入り口に当てて回せばOKです。
(2)タップを準備する 
 タップをタップハンドルに取付けます。
 
 タップには、必ずをつけてください。
 
 油といっても、てんぷら油ではなく、自転車のチェーンに塗るような機械油です。
 
 油を省くと、タップの動きが渋く、切り粉で目詰まりします。
(3)タップを噛ませる 
 ここが一番大事です。タップを穴に真っ直ぐ立てて、押し付けながら右に回して、ネジを噛ませるのです。
 
 ここで斜めに噛ませてしまうと、いくら穴が垂直であっても、ネジが斜めに開いてしまうのです
 タップ立てる
(4)ねじ込んでいく 
 噛ませるのに成功したら、タップを回しながらねじ込んでいきます。
 
 タップの回転が途中で重くなりますので、その場合、少し逆に回せば先に進めます。
 
 だいたい1回転したら半回転戻すということを繰り返しながら最後まで通します。
 
 回転が重いのにそのまま無理に回すと、タップがぼっきり折れてしまいます。
 
 開けるネジが小さく、いきなり中タップから始めたのならこれで終わりですが、M8以上はこの作業を、先、中、上げタップで繰り返します。


ちょっとしたテクニック
 
タップの噛ませ方
 穴が垂直でもタップが斜めだと、ネジは斜めに出来てしまいます。
 
 だからタップを噛ませる時に垂直に立てる必要があるのですが、これがなかなか難しいのです。
 私のタップ失敗例
私の失敗例。最後のタップで油断して斜めにネジが出来、1日の苦労がパー。
 
 タップを垂直に立てるためのタップガイダーという工具も売っていますが、2000円くらいする上に、ネジのサイズごとに買わなくてはなりません。
 
 そこで、ボール盤を利用しましょう。
  
 ボール盤にドリルビットの代わりにタップをつけ、下穴に当ててチャックをで回しながら、タップを噛ませるのです。 
 (危険防止のために、ボール盤の電源はコンセントから抜いておくこと
 ボール盤でタップを噛ませる
 これならタップを垂直に噛ませることが出来ます。
 
 噛み込みに成功したら、逆に回してタップを抜き、タップハンドルに付け直して本格的にネジ切りをします。

タップ加工の深さ

 サイズにもよりますが、タップの刃の部分の長さは20mmくらいしかありません。
 
 したがって深いネジ穴の加工はタップが届かないこともあります。
 
 ネジ穴が深いと加工が大変な上、ネジの着脱が面倒ですから、不必要に深くしない方が利口です。
 
 加工物が厚いときは、図のように、逃がしましょう。

 逆に加工物が薄い場合も困ります。材料にもよりますがネジ山が最低でも3山は欲しいところです。
 
 たとえばM4ならば、ネジピッチが0.7mmですから、加工物の厚みは0.7×3=2mm以上は必要です。
  
 厚みが足りない時は、その部分だけ板をハンダ付けしたりして、厚みをかさあげしなくてはなりません。
 
タップは折らないこと!
 
 タップは硬いのですが、その反面、もろいので無理すると意外とあっさり折れることがあります。
 
 折れたタップを取るのは至難の技です。
 
 タップが表に出ているのならペンチで回して取ることも出来ますが、埋まってる場合は、あきらめた方が良いでしょう。(どこがテクニックじゃ!)
 
 機械工場の熟練の方ですと、折れたタップにポンチなどを当てて、ハンマーで少しづつたたき出したりしますが、我々が真似してみても、うまく行かないことの方が多いようです。 
 
 ドリルで削れば良いと思うでしょうが、タップはドリルと同じくらい硬い材料で出来ているので、そのままでは刃が立ちません。
 
 プロは、バーナーであぶって、タップを軟らかくしてから削るそうですが、我々には無理な相談です。
 
 折れたタップを取る工具もあるようですが、私は使った事がありません。
 
 タップは折らないように注意する。そのため、なるべくM2以下は使わない。
 
 得体の知れない安物のタップは使わない。(少しも切れないくせにすぐ折れる格安タップセットで大失敗した経験あり)
 
(この情報は、リンクのページでご紹介している二日月堂さんのご教授に基きました。感謝)
(1999.2.20掲載)
戻る / back