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背の高いニュートン式反射望遠鏡の接眼部を、車椅子のように座った姿勢でも楽に使えるように、テレセントリック光学系によって接眼レンズの位置を下げる付属品を作ってみたので紹介します。
左の望遠鏡が私の32cm反射望遠鏡(自作)で、2000年の石川町スターライトフェスティバルで展示したものです。 もちろん、これは自分が立った姿勢で使うように作ってありますので、接眼部は随分と上にあります。 ピンクの筒が、今回の延長装置です。 新しい接眼部は、マウントの高度軸のそばまで下がって出ています。 当たり前と言えば、当たり前ですが、子供でも楽々背が届きます。
何に使うのか言わずに選ばせたので、いや〜ぁ、凄い色を選んでくれたものだぁ。(^^; ←拡大図
なにしろレンズ枚数が多くなりますし、収差は全て加算されます。惜しげもなく良いレンズを投入します。
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今回の装置の構造を模式的に下図に示します。
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主鏡から斜鏡を経て、フィールドレンズと示してあるレンズの中で、一度焦点を結んでいます。
それからリレーレンズによって、アイピースの前にもう一度焦点を結んでいます。 リレーレンズは前段(リレーレンズ(1) )が、最初の焦点からの光を、もう一度平行にすることで、コリメータレンズと呼ばれることがあります。 対して後段(リレーレンズ(2) )は、平行になった光を、もう一度焦点に結ぶことなので、第2対物レンズとしておきます。
こっちは前を主鏡側に向けます。
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しかし、良く考えて下さい。(左図参照)
バローレンズで平行まで光を広げることは、ガリレオ式望遠鏡になっているということですよね? ガリレオ式望遠挙の視野の狭さは、御存じでしょう?
となると第2対物レンズは、よほど巨大にしないと、実用的な視野が確保できなくなってしまうのです。
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さて、対物レンズ(主鏡)に対するフィールドレンズとコリメータレンズの焦点距離、必要なFなどの計算の仕方を簡単に示しておきます。
おおざっぱに言って、後段の2種のレンズのFは対物レンズのFと同じくらいが必要です。
わたしの32cmは、F4.5ですので、どうしてもカメラレンズくらいの明るさが必要になってしまうのです。
そして、第2対物レンズは、口径に条件が付きます。
それはコリメータレンズの口径より大きいことです。
もし、小さい場合は、対物レンズを通過した光の一部(外側)がケラレてしまいますが、余裕があれば何でも可です。
この方式の応用範囲は、色々と結構考えられます。
後ろに望遠鏡を追加したのが、今回の応用の仕方ですが、この場合、望遠鏡全体の倍率は、コリメータレンズまでの倍率(m)に、追加する望遠鏡の倍率を乗じたものになります。
コリメータレンズまでの倍率とは、普通の望遠鏡の倍率の計算と同じです。(コリメータレンズを接眼レンズと扱って計算します)
興味ある応用としては、一眼レフなどのカメラを付けると面白いなぁ、と思っています。
この時、きちんとレンズが選択されていれば、カメラレンズのF値そのままの明るさになります。
つまり,仮に F1.8の標準レンズを付けた一眼レフを接続すると、全体では口径32cmF1.8(約f=580mm)の超大口径望遠レンズとなります。
もしも天文台の大型望遠鏡なら、シュミットカメラを付けることも可能でしょう。
実際、旧ソ連の6m反射望遠鏡では、この方式で F1.0のシュミットカメラを付けて観測に使用していたそうです。
もちろん、この場合は口径 6m F1.0のアストログラフになるわけです。
また、最近流行の対物レンズが左右接近した双眼鏡をとりつけ、左右の対物が射出瞳経(今回のは4cmあります)の中に納めることができれば、このまま簡便な双眼装置となります。
左右の視軸の精度は、そのままですから、かなり高精度の双眼装置になります。
こんなところが、テレセントリック光学系の面白いところでしょう。
さて、肝心の見え味ですが、何分レンズが多くて・・・・フィールドレンズが1群2枚、コリメータレンズが3群4枚、第2対物レンズが2群2枚ですから、全部で6群8枚です。
作る前から心配していましたが、さすがにコントラストが落ちます。
32cmのダイレクトの焦点に接眼レンズを置くニュートン式に比べると、ネムイ像になります。
月面や惑星を見てみると、実質、コントラストは15cmくらい、分解能は20cmくらいのニュートン式反射で見ている感じです。
もちろん光量は、ほとんど変わらない感じですが、やはりガラスを8枚重ねてる実感がします。
たぶん三鷹光器のワンダーアイ(商品名)も、たぶん、こんな見え味だと想います。
しかし、当初の目的は果たせたと思います。特に接眼部が高度軸の近くに来たので、大変に使いやすくなります。
小さい子供さんが多い観望会では、活躍してくれると思います。