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/タイトル/原点/

1995年,出馬表明時の決意文



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僕が大企業に就職しなかった理由
1993年の日経新聞より。大企業に身を託すことだけが人生ではない。化学関連の企業へ進まず,老人福祉の世界に入った時の話。


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 お世話になっている皆様
 拝啓 朝夕めっきり寒くなってまいりましたが、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 この度はご報告とお願いがあり、お便り申し上げます。
                             さて、私こと
京都南部で政治を志すことを決意致しました。  大学時代に福祉施設(母子寮)でボランティア活動をして以来、「福祉を良くしたい。そのために福祉の現場と行政のパイプ役になりたい」とずっと願い続けてきました。大学卒業後も(財)松下政経塾で、世界や日本の高齢者福祉現場で研究を続けるなかで、経済大国・日本が、先進国でもっとも福祉が遅れた「軽老の国」であることに強いショックを受けました。
 「もう少し待って、知名度をあげてから政治を志したほうが得策」「国家公務員(奈良女子大学講師)を辞めると、あとあと後悔するぞ。そんなに焦らなくても」などと、私を引き留めて下さる方もおられました。しかし、私はもう待てません。私の知り合いの寝たきりや痴呆症のお年寄りが、過去1年にバタバタと亡くなられました。「もう少し福祉が進んでいれば、年に1回といわず、週に1回、お風呂に入れたのに。5年も10年もベッドで寝続けではなく、たまには外の景色をお見せして、家族に笑顔を見せられたのに。最後にもう1回花見に行きたいって言っておられたなあ。もう少しヘルパーが来てくれたら、介護していたおじいさんが先に亡くなることはなかったのに」などと、思い出すにつけ、私は居ても立ってもいられないのです。「あと2,3年待ってください」とお年寄りやご家族に言えるでしょうか。お年寄りは待ってくれません。
 この現実の中で私は、「知りて行わざるは勇なきなり」という言葉を思い出します。介護の問題が待ったなしであり、介護の問題が行き着くところは政治問題であるということを知り、書き続け、訴え続けて来た以上、ここで行動を起こさなくてはいられません。不幸な戦争を経験し、戦後の貧しい時代から汗水たらして働きに働き、日本を今日の豊かな社会に築き上げてきた世代の方々がいま老いています。そのお年寄りが、そして献身的に介護している家族が、バタバタと倒れていく現状を、もうこれ以上私は黙って見過ごすわけにはいきません。
 政治活動に入るに際して、高齢者福祉だけを取り上げるわけにはいきません。しかし、政策の中心としては、今までから訴えてきた24時間対応のホームヘルプの普及、痴呆性老人向けのグループホームの普及などを訴え、「軽老から敬老へ!」と運動します。
 今年発表になった世論調査(3000人の会社員対象)でも、老親介護・高齢者介護が、関心事のトップになりました(経済広報センター)。今や介護は日本人にとって最も深刻な不安の1つです。
 来年の国会には、介護保険法案が上程され、公的介護保険などが国会で議論される予定です。日本の歴史上はじめて、介護の問題が本格的に国会で議論されることになります。しかし、全国の小選挙区300から地域の利益代表ばかりが選ばれたら、そんな国会で介護問題をきっちり議論することができるでしょうか。私はお年寄りやそのご家族、そして、福祉・医療現場の大切な声を政治に反映させたいのです。
 「政治なんて、ボロボロになるから辞めときなさい」と、知り合いは親身に止めて下さいました。私の母校はお寺の中にある仏教系の高校です。私はそこで「雑巾になれ。雑巾になって世の中をきれいにする生き方をしろ」と教わりました。この教えを心のよりどころとし、私は福祉の世界に飛び込みました。私の献身によって、社会がきれいになるならば、私は喜んでボロ雑巾になる覚悟です。「生きていて良かった」と人生の最期に喜べる社会をつくることが私の願いであり、使命です。そのために一生をかけて運動を続けます。
 幸い京都府南部はこれから人口が急増する伸びゆく地域であります。さらに福祉への関心も高く、京都の福祉をリードする勢いがございます。「安心して年をとれる社会をつくろう!」という運動を、ここ京都府南部から起こし、全国に広げたいと願っております。
 2000年には、スウェーデンの高齢化率を追い抜き、日本は世界一の高齢大国になります。さらに、2025年には、日本人の4人に1人が65歳以上の高齢者になります。高齢社会には高齢化問題のプロの政治家が必要です。
 何分、人生経験も浅い33歳の若輩でございます。私の思いをお酌みとり頂き、何卒宜しくご指導、ご支援下さいますよう心よりお願い申し上げます。
                                 合掌
1995年12月7日

98/12/12(土)更新

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