< 木 工 > Holzverarbeitung
木工における西洋工具、加工機械、技術の紹介をここにしよう。
「弘法、筆を選ばず」と言う格言があるが、木工において、道具や機械の選択は
重要であり、道具が仕事をするとも言える。ここに紹介する工具や機械、加工法
の中には、木工関係者にとっては既に周知の物もあるかと思われる。
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鏡板の加工をトリマーで試みた。治具を併用すれば以外と簡単な作業で荒削りが
可能である。彫刻刀などの手作業だけでするよりも効率が良かった。手作りとか
手作業とかにこだわる職人もおられるでしょうが、道具や機械の使用は禁じられ
てはいない。
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グラインダと一般に呼ばれている、刃物を研ぐ電動砥石である。各メーカから種
々様々な機種が販売されている。安物から高級品まで、構造的にはほぼ同じ造り
であり、大きな違いはないと言って良い。低速湿式構造の別機種は刃物研磨専用
機種である。
ここに独製のグラインダを紹介する。価格的には輸入品となる為、
輸送コストだけ割高となる。しかし、性能や使い勝手は国産品よりもはるかに良
いと言える。
1.砥石の回転は国産品とは逆で、向側に回転する。安全性は一般には手前に回
転する砥石の方が良いと思われているが、危険を感じた事は皆無。切削カス
が向側に飛び、研磨作業が楽である。低速回転のグラインダには向側に回転
する機種があり、それらと同様だと思えば良い。
2.刃物研磨角度を固定する台が優れている。簡単な構造ではあるが、使い勝手
が良く、国産機種とは比較にならない。
3.左の砥石は石ではなく、硬質ゴムである。右の砥石で刃物を粗削りし、左の
研磨ゴムでバリを取り、仕上げをする。水の使用は必要ない。短時間の研磨
作業で鑿、鉋、切出などの刃物を簡単に研ぐ事が出来る。大きな研磨時間の
節約となっいる。
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国産作業台に規格があり、一般的に販売され流通しているだろうか。欧州には規
格化された優れた作業台があり、多くの木工職人はそれを使用している。木工作
業にはなくてはならない重要な作業台である。山毛欅(ブナ)材で重量があり、
鉋台、締めつけ、組立て作業にその威力を発揮する。この作業台に金属加工用の
小型万力を写真の様に取り付けて見た。工夫すると色々な用途に使用出来る便利
な作業台である。
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国内で市販されているスコヤはステンレス製で錆びなくて良いが、細身なので使
い勝手が悪い。欧米の物は幅広で自分には使い易い。また大型のスコヤは機械加
工用の製品はある様だが、木工用の製品はあまり流通していない。曲尺ではなく、
写真の様な幅広の製品が望まれる。
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機械加工で簡単に出来る、蟻型落とし追入れ継ぎ。(長穴加工機による加工例)
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機械加工で簡単に出来る、蟻型雇い核平留継ぎ。(長穴加工機による加工例)
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市販のトリマー台座には、それを調整するネジは付属していない。刃高を微調整
する必要があり、トリマーの横に調節ネジを取り付けた。始めから取り付けられ
ているのが、 商品として親切だと言えるのだが。簡単な加工で使い勝手が向上す
る。
トリマーを長年使用し、主軸のボールベアリングを何度も交換して来た。新たに
2台目を入手したのだが、やはり台座の刃高微調整装置は貧弱で使用に耐えない。
前機種と同様の装置を取り付けた。トリマーには刃高微調整装置を取り付ける必
があるのだ。
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ドリルチャック
(前写真も参照)
20年前、国内でのキーレスチャックの普及は遅々たるものだった。最近はコー
ドレス電動ドリルの多くに、キーレスチャックが装備される様になった。ドリル
スタンドでは未だキー使用のチャックが一般的である。キーレスチャックの市販
品はあるのだが、高価と言う先入観があり、自らチャックを取り替える事をせず
に、既存のチャックをそのまま使用しているのが現状である。しかし、利用価値
から判断し、チャックの価格は特別に高いとは言えず、取り替えも簡単である。
一度キーレスチャックを使用すれば、こんなに便利な物があったのかと思うであ
ろう。写真で紹介している物は、一般の電動ドリルのチャックを取り替えた物で
あり、加工は必要ではない。ただし、コードレスの物は、差し込みの軸をチャッ
クの穴に合わせる加工が必要だった。現在は市販品として流通しているので、そ
れらを購入されると良い。これは20年前に自分で加工し取り付けた。ドリルス
タンドのチャック取り替えも簡単で、軸の規格には大きさ別の種類あるが、共通
の規格であると言える。
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国内では、汎用性のある単軸横向きボール盤の普及は見られない。大型の多軸ボ
ール盤
などは、家具の工場生産には必要なため、各種存在している様であるが、
個人で使用する、この種のドリル盤は皆無に近い。ドイツ語では"Langlochbohr
maschine"と長い名前
で呼ばれ、ラングロッホボーマシーネと発音し、日本語に
訳せば長穴ドリル盤となる。欧州では、家具工房には必ずと言って良い程にこの
長穴ドリル盤は普及し、逆に角鑿盤は皆無である。用途としては、ホゾ穴、ダボ
穴、蟻溝など、角鑿盤以上の用途に利用可能であり汎用性がある。ダボ継ぎは国
内では安価な家具用工作と見られ、信頼されない接合方法だと誤解を受けている。
しかし、ドイツの家具工房では多用され、一般に普及して信頼された、合理的な
加工法となっている。長穴ドリル盤とダボの普及が条件ではあるが、国内でダボ
接合が一般化し、木工技術の向上が望まれる。家具工房においては多くの木っ端
が無用にて処分されているが、これをダボに流用すれば、はなはだ都合が良いの
であるが、加工効率を考慮されるなら、ダボをタボ加工メーカから供給を受ける
事も可能である。ダボ穴加工以外に特殊な使用例として、隠し蟻組留継ぎの例を
紹介しよう。長穴ドリル盤を利用すれば蟻組加工も可能である。

この加工機の名称を、国内で一般化しつつある名称の長穴加工機と改める。
統一された名称は
なく、
横穴ドリル盤、横軸ボール盤などとも呼ばれている。
製品化されている構造は2種類ある。単独の加工機でモーター側を移動させる、
ルーターを横向きにした、通常構造の機種と、万能機に付加された機種が多い
が、加工作業時に材料側を移動させる構造の2種類がある。同じ様には見える
が加工性に大きな違いがある。材料側を加工移動させる場合、作業者の視線と
反対側に刃物が当てられるため、加工効率が劣る。価格的に、ルーター移動の
機種は頑強な構造になるので高価、材料移動の機種は簡易な構造で安価となる。
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自工房で木端をダボに加工するには手間が掛かる。材料を無駄なく使用する事を
思えば、その手間も報いられる。作業効率を考慮するなら、ダボ加工メーカから
の供給も致し方ないであろう。しかし、使用したい寸法、材料のダボは流通して
おらず、これまでダボは自作し使用していた。色々な思考錯誤の末、知人の職人
が所持していたドイツ製ラッパ鉋(家具の事典、447頁、朝倉書店発行参照)
の入手を試みたが果たせず、これをモデルにした似た工具を自作し、丸棒加工を
行って来た。これまでの10数年間はこの方法でなんとか努力していたが、時間
のロスを補うため、丸棒切削機の導入に至った。国産丸棒切削機は存在する。価
格や大きさ(200Kg)にその購入を断念して来た。ドイツ製丸棒切削機とし
て文献(図でわかる木工の接合工作、134頁、理工学社発行参照)で紹介され
ている切削機を実際に目にした事で、この機械の利用価値を改めて知った。丸棒
直径6−18mmの切削が可能であり、ダボ加工には十分である。糊溝、膨潤
(木殺し)加工が付加され、重量55Kgのコンパクトな切削機である。刃物は
それぞれの加工径固有であるため、必要とする径の刃をオプションとして購入し
なければならない。35年前からモデルチェンジはあまり行われなかった程に、
完成された加工機である。
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はぎ合わせには多くの種類がある。予め機械加工で溝を付ける方法は、強度や仕
上りに有効な方法と言える。成型盤や加工刃物が必要なのだが、優れた刃物が市
販される様になり、一般の工房でもこの加工法を利用する機会は多くなった。接
合の質を求めなければ、機械加工は必要ではないと思われるが、はぎ合わせ選択
の幅が広がったと言える。
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自作の刃高計である。丸鋸や成型盤の刃物の高さや出を精密に計測する為に製作
した。大きい方は丸鋸や成型盤に、小さな方はトリマーやルータの刃高を簡単に
計測出来る便利な物となっている。ドイツには高価な似た様な計測器が市販され
ているが、一般にあるノギスを利用すれば、精度が十分な計測器の自作が可能で
ある。
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国産のはた金の種類は少ない。また、強度、精度も劣っている。米製の便利なク
ランプもある。ガス水道管を利用する種類であるが、利用価値は高い。ドイツ製
のはた金は高価ではあるが、耐久性を考えるなら国産品よりも安いのではないだ
ろうか。
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手作業でこの加工は不可能であり、優れた加工刃物が必要である。単軸面取盤あ
るいは成型盤に切削刃物を取り付け、加工するのであるが、手動で送材するのは
大変に危険である。事故にならぬ様に、機械送材を利用しなければ難しい加工で
ある。
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木工ドリル
これはボール盤で使用する木工ドリルである。一般の木工ドリルと呼ばれている
ドリルは先端がネジ状で手動ドリル用であり、ボール盤で使用するのは危険であ
る。錐状、針状の先端を持つこの木工ドリルは、市販されている径の種類が少な
い為、一般の鉄工用ドリルを研磨し、木工用に加工した物である。木工ドリルの
研磨は慣れれば困難な事ではない。鉄工用ドリルの流用をお奨めしたい。以下は
研磨サンプルで、汎用平型砥石、薄い台形砥石、歯科技巧用のエアータービンを
ドリルの径に応じて、使い分ける。歯科技巧用の工具は一般的ではなく高価であ
るが、細いドリルの研磨等に利用している。
![]() 研磨サンプル、12.5, 10, 3, 2, 1.5 |
![]() 径3, 2, 1.5 等の細いドリル研磨には歯科技巧用の工具使用 |
![]() 径 5-10 等、中径には右の薄い砥石を使用 |
![]() 径 10 以上の太い径には汎用砥石の角を使用 |
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安価な機種で十分、右砥石は薄い種類に入替 |
歯科技巧用エアータービン、SHOFU LAB AIR-Z |
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各種接着剤を使用する場合、その都度、使用済みの筆を洗浄すのは面倒だ。また、
蓋付近に糊が固まり、それを掃除するのも手間が掛かる。これらの面倒な手間を
省く便利な糊壺がある。独製の糊壺で、サイホン原理を利用し、適当な量の糊が
供給され、筆も一緒に格納出来る構造になっている。
重宝している糊壺だが、構造的な欠点があり改造した。高粘度の糊を壺に入れる
のに、底に蓋を取り付けた。糊の継ぎ足し、内部洗浄が楽になった。
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数年前まではスイス製の高価なラメロしかなかった。現在は各メーカがそれぞれ
に独自のビスケットジョインターなどを販売する様になり、価格もかなり下がっ
た。しかし、品質はまだラメロには及ばない。各種のビスケットがあり、雇い核
として大いなる利用価値がある。欠点はそのビスケットの価格であるが、接合効
率を考えれば安いとも言える。将来にはもっと普及する電動工具となるであろう。
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安価なレザーポインターを利用し、高価なレザー照射を利用した墨付けの代用を試
みた。回転する円盤に安いポインターを電気の結束バンドで固定する。電源スイッ
チはポインターを回す事で可能である。板を木取りする場合に、目印となる点をこ
のポインターで示すと便利である。
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前述ポインターの直線照射版。商品名は "Laser Edge"
、台湾製のレーザー水準器
として安く販売されている。当然、建築用プロ仕様の高価なレザー水準器とは比較
出来ない。機能的には光線が少々暗いが、墨付けの代用には使用可能であった。
照射が直線となり、点照射よりも利便性は向上した。
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大きな天板面の加工では一般的に長台鉋が使用される。トリマーと案内治具を利用
した平面加工の例。フライス加工にトリマーを応用し、良い結果を得たので紹介す
る。案内治具は横切盤の横定規を借用した。ここでは風箱音溝仕切板の木端を加工
している。鉋などの工具を利用するよりは精度の良い効率的な加工が可能となった。