釜川右俣

あくまで遡行記ではなく、日記でしかありません。オリエンテーリングで言うと、アナリシスではなくて、感想文。
より詳しい内容は、M野氏の遡行記を参照してください。

・2004/8/7(0日目)

今シーズン2度目の沢。行き先は新潟県、メンバーは私とM野の全2名。
公共交通機関がほとんど使えないので、今回はレンタカーで。
誕生日割引のある業者で借りようとしたら空きがなく、結局家の近くの高いところで借りた。
もっとも、家のすぐ近くで、しかも24時間営業というのはかなりポイント高いんだけど。

初日朝から沢に入れるよう、前日夜に移動開始。
20時に出発、移動距離は300kmほどなので、24時半ごろには着くと踏んでいたが…。
まずは夕食。これが最後の晩餐になるかもしれないので、店選びに妥協は許されない、というM野の厳しい目で
次々とめぼしい店をスルー。そうしてぶちあたったのがラーメン屋「みそ一発2」。
店の名前も強烈だが、看板の文句「必食」(←変換できない)に心を奪われた一行は、当然のように吸い込まれた。

みそ一発2 何といっても「必食」ですよ!(強打)
食べざるを得ないわけで。
強面のオヤジ3人が調理担当という、殺伐とした雰囲気も最高。つうか、怖い。(笑)
味は普通にうまかった。

写真提供:M野氏(以降全て)

その後、環八で道路工事による激しい渋滞に巻き込まれて、関越道に入ったのはすでに22時半。終了。
越後湯沢駅前のコンビニで買出しをしたあと、越後田沢駅前で車中泊。


・2004/8/8(1日目)

越後田沢駅は、飯山線というところにあって、1日上下8本ずつの列車が走っている。もちろん無人駅。
始発は7時前、それより少し早い6時半ごろに出発。
ちょうど登り始めの周辺の地形図をM野が忘れてきたとのことで、道路地図もない中、
なんとかそれらしいところに着いたら、後ろから別の沢屋車がさらに先に進んでいった。
とりあえずついていったら、より登り口に近いポイントに到着。なんとかなるもんだ。

装備をすませて、いざスタート。
まずは、遡行図(いわゆるガイドブック)に載っているスタート地点を目指す。

トロ 早速、大きなトロに当たる。
←の地点から先は立てない深さで、泳ぎ必須。
早速泳ぎ開始! しかし、ザックが頭の後ろまであるので、泳ぎのときに頭を上げられない。
ここはひとまず右側から巻いて悠々と回避。
M野は当然泳いで突破。
でかい岩ばっかり 巨岩地帯に突入。岩が半端じゃなくでかい。
途中、どうしても乗り越えられない岩にぶちあたったり、M野に踏み台になってもらってクリア。
M野は平然とよじ登ってたけど。こんなところで苦戦するとは、先が思いやられる。
そしてそれは、その後現実となるのであった…。

その後、最初の滝を高巻いて、沢に下りるところで、懸垂下降なるものを伝授される。
まあ練習ということで。なるほど、簡単に降りられるもんだ。楽勝。

F2-5m F2-5m。遡行図の上では、滝に連番(F1, F2, …)が振られていて、次に高さが書いてある。
左側を登っているのは私。
泳ぎ必須 遡行図に、水量:多、と書かれていたように、釜川右俣は泳ぎ必須ポイントが多かった。
右端のほうを泳いでいるのが私。

しばらく平和に進み、まもなくこの沢の最大の絶景:三ツ釜の大滝というところで、事態は急変する。
あんなに晴れてたのに、急に雷が鳴り、空がみるみる暗くなって大粒の雨が降り出し土砂降りに。

大滝 2段目から見下ろす せっかくの絶景ポイントなのに、土砂降りとはツイてない。
そそくさと後にすることに。

その後、高巻きで通過するポイントがいくつかあったが、これが大高巻きで、かなり高いところを必死で通らなければならない。
直登できないからと、逃げているようでいて、むしろ厳しいルートになっている。
ただでさえ滑りやすい斜面の上、折からの雨のため余計に神経を使うことに。

そして、F6-12mで試練が訪れた。
左側を登っていけそうにルートは見えるが、1段上がるところがちょっと登れそうにない。
M野に先に登ってもらったあと、ロープを下ろしてもらって再チャレンジするが、とっかかりがつかめず、やはりダメ。
止むを得ず高巻くことにしたが、ここの高巻きが恐ろしく怖かった。
下りるのもままならなくなったくらい。
完全に腰が引けた弱気モードになってしまい、もはやどんなポイントも難所に見えてしまう。

その後、泳ぎ必須のゴルジュ地帯を突破して…

ゴルジュ突破 ゴルジュ(=両サイドが切り立った岩壁になった沢)を泳いで突破する私。

F7-12mで、またしても試練が。
ここは左側から高巻くよりほかないのだが、高巻きといっても登り始めが切り立った壁になっていて難しい。
おまけに登り始め地点自体も急斜面で足場がほとんどない。

どうあっても登れそうもないと途方に暮れていたが、M野が先に登ってロープを下ろしてくれた。
これを腰のハーネスにつないで登りはじめる。
ロープは、落ちたときにそれ以上落ちないようにするためのもので、自分で登ることに変わりはない。
もっとも、ほぼ垂直に登るので、ロープにつかまって登ることもできないのだが。

見たところ、最初の2mくらいを登ってしまえば、あとはなんとかなりそうだった。
とはいえ、その最初がホールドもなく難しい。
かなり不安定なホールドのまま、腕も足も踏ん張りが限界に達したので、体を持ち上げた。
そのとき、やはりというか、手も足も同時に滑って、滑落!
登り始めの地点まで50cmほどずり落ちたが、ロープのおかげでそこで止まれた。
泣きそうになりながら、なんとか登りきったが、もはや嬉しさとか楽しさは全くなく、恐怖心のみ。
登り切ったあとは10mほど懸垂下降で下りたが、これは全く怖くない。

かなりの戦意喪失モード&疲労でペースはがたおち。
雨のため昼も食べずに先を急いだため、空腹にもなっていて、もうボロボロ。
なんとか幕場にたどりついたときの安堵といったらもう。

もはや完全に抜け殻となった私は、薪を集めるのにも一苦労。
動けないので、M野に鋸を借りて薪を切ることに専念。

で、夕食は、米4合と、水菜入り味噌汁。
空腹の我々には、あとは何もいらない。いや、釣りをしてないので他にオカズはない。
それにしても、米のうまいこと。2合も食べた。
さすがに、魚沼コシヒカリで有名な米どころ新潟県魚沼地方なだけはある。(注:食べたのはM野が持参した宮城産あきたこまち)

夜は満点の星空ものぞいていたが、あまりに疲れ果てていたので、酒も飲まずに早々に寝た。


・2004/8/8(2日目)

朝6時半ごろ、2人組の別パーティが通過する物音で目覚める。
腕から肩、背中、腰に至るまで筋肉痛で身動きできない。
このあと80mの大滝を通過して4時間ほど登れば遡行終了らしいが、もはや行動不能と判断、投了を申し入れた。
せっかくここまで来ていながら下山するのも情けないが、今の自分では足手まといでしかない。

下山のみとあって、時間に余裕がある。
一応、幕場の前で30分ほど釣り糸を垂らしてみたが、浅瀬しかない場所なので当然釣れず。
かといって、淵があるようなところには、かなり移動しないといけないので移動せず。

朝は、そうめん食い放題。まあ普通にうまい。
M野は朝からビールを飲んでいた。昨日飲まずに寝てしまった分らしい。

下山は、ひたすら林道を歩くのみ。当然暑い。
途中で、野ウサギを目撃。鹿はよく見かけるけどウサギは初めて見た。
さらに、驚いたことに途中で前から一般人2人が歩いてきた。
聞くと、登山口まで観光客を乗せてきたバスの運転手だとか。
この近くに小松原湿原という名所があるから、それを見に来たのだろう。
しかし、登山口までは砂利道の林道、オリエンでいうところの2番の道と3番の道の混合なので、大きなバスは上がってこれないだろうに。

そこから歩いて1時間以上で、バスが停めてあるのを発見。普通の路線バスサイズ。さすがプロのドライバーだと驚き。
バスには「上郷小学校様」と書いてあったけど、どこにあるんだろうか。
夏休み真っ只中のこの時期にバス2台で乗り付けているというのは謎。
湿原があるだけで、キャンプ地などないので、日帰りなんだろうけど…

トータルで3時間ほどかけて、車を停めてあった地点まで下山完了。

終了 あまりの疲労に腑抜けになっている私。まさに終了。

帰途につくわけだが、行きに見つけた気になる場所に向かってみる。

まず向かったのは、文部省指定名勝地である七ツ釜
さぞかし素晴らしい風景だろう、と思って見て見ると…
七ツ釜 両岸が柱状に切り立った変わった崖で、その中に滝が!
しかし、あからさまに砂防ダムっぽい形をしてるなあ。
もともとあった滝が9年前に土砂災害で崩壊してしまったので、その2年後に砂防ダムという形で復元されたらしい。
よくぞここまで造った、といったところ。映画のセットみたい。

それなりに感心したあと、次は最大の目的である温泉に向かう。
時間に余裕があるので、ちょっと足を伸ばして向かった先は、日本最大の露天風呂がある宝川温泉。

宝川温泉 着いたとたん、営業時間終了の放送が流れて、あわてて受付にかけこんだら、終了1時間前だった。
あと1時間しかないけどいいかと念を押されたが入れた。
時間がないので、本来1500円の入浴料が1000円になった。

日本最大、というのは、いくつかある露天風呂を合わせた総敷地面積のことらしい。
真ん中を川(温泉ではない)で分断されていて、間には吊り橋があった。
吊り橋を全裸で渡るツワモノが何人かいたので、我々もタオル1枚だけで渡って対岸の露天風呂へ。
水上地区の温泉では水道水を沸かしていたとかいう騒ぎがあったが、ここは大丈夫だった。

さて、風呂に入ったあとは、メシ! まだ昼飯も食ってない我々は、メシを2回食うことにした。
まず最初に、水上で食事。1年前の夏合宿の帰りに立ち寄った変り種の店へ向かう。

民具茶屋 怪しい看板が大量にあって、素人目にもタダモノでない雰囲気が見て取れる。
元国鉄運転士の人が始めた店で、店の奥にはマニア垂涎の鉄道グッズが大量に展示されている(らしい)

店の中の雰囲気、店のオヤジの雰囲気ともに、やはりタダモノではなかった。
山菜ラーメンを食ったが、味は驚くほど普通だった(笑)

その後、特に目的としているところがあるわけでもなかったので、下道を東京方面へ進む。
なかなかこれという店がなく、前橋までさしかかったとき、3年前の夏合宿の帰りに立ち寄った店の存在を思い出す。
記憶をたどると、かっぱ寿司の向かいにアジア料理の店があったはず。
そして、ついに3年ぶりの感動の再会!

ココボンテーブル ベトナム風生春巻、蟹の生春巻、トートマンクン(タイのさつま揚げ)、パッタイ(タイの焼きビーフン)、
カピご飯、究極の杏仁豆腐、ベトナム風ココナッツプリン、を2人で食す。
どれもハイレベルにうまい。
しかしショックなことに、10日後に閉店しますとの張り紙があった。
店内の雰囲気、料理の味ともに最高だと思うのだが、残念。

時間に余裕があったはずが、結局帰ったのは23時。レンタカーを返す場所が家のそばでよかった。

おわり



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