恋ノ岐川(こいのまたがわ)

2泊3日の壮大なスケールでの沢登り記。
長いので3つに分けてます。
写真の提供はM野、S々木の両氏です。感謝。
1日目 2日目 3日目

・2004/8/16(1日目)

今シーズン3度目の沢。
前回の沢登りから1週間、前回あまりの惨敗ぶりに、もうしばらく沢に行きたくないと思っていたのだが…
MLでメンツ募集のメールが流れ、行き先を調べてみると、かなり良さげな感じ。
難しくなさそうな上、イワナの魚影は濃く、最後に山に登れるという魅力的なプラン。
これは行くしかないやろ、ってことで参加表明。
まあ、しばらく麻雀打ちたくない、と思うのと同じレベルだったようで。(笑)

今回は自身初の沢中2泊の行程。メンバーは、M野、Y瀬、S々木、私で全4名。
まずは始発の上越新幹線で1時間半、浦佐まで行く。
Y瀬さん以外は東京駅で落ち合い、Y瀬さんが来なくてもいいか?いや米がないので痛い、などと話してたが
ちゃんと大宮駅でY瀬さんが乗ってきた。米キター!と手放しで喜ぶ一同。(お約束)

浦佐駅に着いたが、駅周辺は案の定と言った感じの田園風景。
浦佐出身の田中角栄先生の尽力により新幹線&駅ができただけのことはある。ちゃんと銅像もあるし。
ちなみに駅名の浦佐は町名ではなくて、ただの字名。

その浦佐からはバスで1時間15分で奥只見ダム。
途中、昨年の夏合宿帰りに行った栃尾又温泉を通過。いやー、なんか懐かしい。
昨年行ったときは、こんなところに来ることはもうないと思っていたが、分からないもんだ。

そして、昨年福島入りを断念したルートでもある、シルバーラインを経由して奥只見ダムへ。
シルバーラインは元ダム工事用道路ということで、トンネルの長さと狭さ、路面の悪さとカーブ、アップダウンはさすがと思わせるものだった。

シルバーライン、奥只見ダム、で思い出したのが、5月に読んだ小説「ホワイトアウト」の舞台のモデルになっていたということ。
そういえば「ホワイトアウト」は2000年に織田裕二主演で映画化されてたみたい。全然知らんかったけど。
原作は、ここ数年で読んだ本の中で最高評価だけど、映画の出来はいまいちとの評判らしい。

で、奥只見ダム、幅480m、高さ157m(40階建てビル相当)というスケールはまさに圧巻。
観光用看板には、ダム湖は日本最大の人造湖で、貯水量は4,600,000,000立方メートルって書いてあった。
4,285,199,774ウェブページから検索するGoogleも真っ青やね、こりゃ。(意味不明)
ちなみに世界最大の発電ダムイタイプ・ダム 人造湖の大きさが琵琶湖の2倍って…

そしてダムのちょうど中央あたりが、新潟県と福島県の県境。
只見と奥只見、よく似ているけど下流の田子倉ダムのあたりが只見(福島県)で、この辺は奥只見(新潟県)。
奥只見ダムと、下流の田子倉ダム他只見川水系の総発電量(最大出力)は、日本の一般水力発電の20%ほどになるとのこと。
これは確かにすごいんだけど、単に最大出力で言うと、揚水式の水力発電のほうが多いようだ。
参考リンク:揚水式発電所とは
このサイトによると、上位23位までを揚水式が占めてる。生まれ育った宇治にあった喜撰山ですら、奥只見より上だとは。
しかし、水を上に移動させるために激しく電力を消費するので、コスト激高らしい。
そして、そのために使う電力は、他の発電所(えてして原発)の出力を利用、という意味不明な構造で成り立っている。
もはや何のためにやってるか分からんな。


…とまあ、激しく脱線気味のウンチクはこの程度にして、その先を。こんなんだから書くのが遅いんだよな…。

参考資料:奥只見ダム周辺地図

ここからダム湖を遊覧する観光船に乗る。
その前に、バス停から桟橋まで、歩いてちょっとした登りを行かなければならない。
そこで文明の利器、モノレールの登場ですよ!
わずか100円で楽々移動。モノレールといっても、山中を走る木材運搬用のやつみたいな上を走るやつ。
ちょうど天王山のたけのこレール(分からんか)みたいなの上を、結構大き目のゴンドラが進む。
喜々として乗り込んだ一行だったが、あっという間に終点。確かにそこそこ登ったけど、これだったら歩いたほうが良かったのでは。

遊覧船 そしてこれが我らが○○号だ!(名前は失念)
漁船なみのショボさ。
隣の桟橋には100人乗りの立派な遊覧船があったが、そっちはダム湖一周コースの船だった。残念。
遊覧船はダム湖一周コースもあるが、我々が乗るのは、尾瀬口へ行く片道コース。
この片道コースは、一般にはバスに乗り換えて尾瀬へ抜ける人が乗るものらしい。

船に乗ること40分、終点の桟橋に到着。乗り場は立派だったのに、着いたところは桟橋があるだけで何もない。
参考資料:船を下りた場所から入渓点への地図

ここから、国道352号を西の方へ進み、尾根を1つ巻く形で入渓点を目指す。
入渓点は国道352号と恋ノ岐川が交差しているところで、恋ノ岐橋がかかっている。
恋ノ岐橋までは徒歩2時間。このあたりの国道352号は樹海ラインと呼ばれているらしいが、歩いている限り、ごく普通の林道といった感じ。

単に歩くだけなので、M野はヒッチハイクしよう、などと言っている。
そしてM野が目一杯愛嬌を振りまきまくっているが、止まる車は皆無。(笑)
しかし、あと30分くらい歩けば到着、というあたりで、ついにスローダウンする車が!
話をすると乗せてもらえることに。
その親切な人は、ドライブに来たという壮年夫婦。
ドライブが好きで、今回は平ヶ岳に登るための下見を兼ねて来た、とのこと。
車は普通のセダンで、とても4人は乗れないので、紅一点のS々木さんと、なぜか私が乗ることに。
そこから5分少々のつかの間のドライブを堪能して、あっさり恋ノ岐橋に到着。
あとの2人はいつ来るかと思ってたら、10分も経たないうちに走ってきた。
彼らのことだし、最初と最後の見えているところだけ走るのかと思ったが、意外にも無駄に健闘。

さて、橋のたもとで装備をして、昼飯を食っていざ出発。
装備といっても、今回は容易に登れるということで、クライミングギアなし。
流れは緩やか、幅は広く、水量も少ない。順調にすいすい進む。

F1-2段10m 最初に出てきた美しい滝。
角を曲がったり、1つ滝を越えたりしたタイミングでふっと出くわす美しさに、心が洗われる思い。
しかも容易に登れる。

その後、大した滝もなく、淡々と進むだけになる。
直登が難しい滝も少しはあったが、そこも高さはなく容易に脇をまけるところばかり。
沢屋の人々にとってはやや退屈な展開か。

たいら ナメ滝

しかし、釣師である私は違った。
釣りになりそうなポイントがないか、目を光らせながら進んでいた。
ポイントを荒らしてしまわないよう、先頭に立って歩く。
とはいえ、釣れそうなところ全部で竿を出していては目的地に着かないので、ポイントは厳選する必要がある。

ちょっと狙えるかも、というところで、まずは竿を出してみる。
頭上も周囲もひらけたところ、本気で狙うというよりは、道具を出して用意するのが目的。
ここまで道具一式はザックの奥に入っていたので。で、ここでは当然釣れず。先へ進む。

さっきの場所から30分ほど、いかにも、という感じの狙えそうなポイントを発見!
流れ込みがあり、淵の深さは文句なし。早速、竿を出してみる。
他の民衆は後ろで待ってくれている。勝負のリミットは5分以内、か。

竿を出す私 竿を出す私。
流れ込み直下から、その先の深みを狙う。
そして開始後3分ほど経ったころだろうか…
深みを流れにまかせて流していて、もう少しで深みが終わるというところで道糸に変化があったような気が。
軽く竿先を上げてみると、確かな手ごたえが!

イワナ! 見事イワナをGet!
サイズは24cmと良形、重量感も十分で引きを存分に楽しめた。
アワセは向こうアワセで、軽く竿を立てるだけなので難しくないが、強いていえば取り込みが難しいか。
頭上に木があることが多くて、竿を立てられないので。
今回は竿を縮めながら、最後は糸をつかんで抜き上げ。

ゆっくり楽しみながら登っていたせいで、予定していた時間に幕場に到着しないかも、ということで少し先を急ぐ。
釣りはせず、しばらく歩くだけになった。

びく付き イワナ入りのびくを大事そうに腰にぶらさげている私。
びくは家にあったやつを持ってきたのだが、ちょっと失敗だった。
下がバケツになったタイプなので、腰まで水に入ると、水がたまって重くなった…。
全部が網になったタイプを持っていくべきやな。
ハーネスつけていれば、カラビナに直接イワナをぶらさげる、なんてのも可能か?

そうこうしているうちに、時間も遅くなってきたので幕場があれば即終了の構え。
目標にしていた地点よりは手前だが、これ以上の幕場も望めそうもないという場所を発見してこの日は終了。

人々が薪拾いやタープの設営、夕食の準備をしている間に、私は一人、イワナを確保すべく下流の淵へ。
幕場周辺は流れが穏やかで、めぼしい淵も1つしかなかったのでそこで粘ったが全くダメ。
この日の夕食担当は私で、予定ではイワナ食べ放題だったんだけど、イワナ1匹じゃなあ。
まあ、こんなこともあろうかと、ちゃんと麻婆春雨も持ってきたけどね。
沢登りでは水だけはふんだんに使え、軽量化の観点からも乾き物が有利、というセオリー通りの選択。
その代役だった麻婆春雨は結構好評。ちょっと複雑な気分。(笑)

イワナ たった1匹の大事なイワナを焚き火で焼いているところ。
たくさん釣れたら塩焼き以外もやろうと思っていたが…。

初日終了。2日目に続く。


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