◎今月のお仕事 特に……
LAではフォーシーズンズに宿泊。いやもう、ソニー様々である。さっそくアメニティをガメることからはじめるあたり、いかにも貧乏人らしい……だってなー、こんなとこ二度と来られないよ。自分の金じゃあ。8時からビヴァリー・センターの映画館で『インビジブル』試写。終わったあと飯を食い、明日のジャンケットに向けて質問を整理して、就寝二時。
3時からプレス・ジャンケット。日本からの同行は渡辺麻紀、杉谷伸子、山口直樹。あとは通訳ということで比較的のんびりした感じである。そんな中で異様に騒がしかったのがポール・バーホーベン。一言聞くと五分くらい息継ぎなしで喋りまくるもんで、ほとんど何も聞けなかったような。
終了後、ビヴァリーヒルズの〈スパーゴ〉で晩飯。いやあ、自分の金じゃあ一生行けないようなとこばっか行ってるなあ。まあ高い金ふんだくるだけあって、食事はなかなかのもんだった。なんか時差ボケが来てうつらうつらしちゃってましたが。
寝る前にテレビを見てたらE!にジェイムズ・ヘイヴンが出ている。アンジェリーナ・ジョリーとの近親相姦を噂されている兄である。相姦ネタを交えながら、なかなか軽妙なトークで素敵だった。いや、ヘンタイはヘンタイみたいなんだけどね。
昼食後、ソニーのスタジオへ。ソニーのSFXスタジオで働いている日本人ハッカーの取材なのである(完全なSEでもないけれど、CG描いてる人ではない)。まあ、取材してたのは一行のうち約一名のみですが。その人はケン・ラルストンのサインをもらって有頂天、すでにバーホーベンのことも忘れてしまったみたいですよ。
ホテルに戻ると町山とルンナさんはビデオに見入っている。LA一の狂ったレンタル・ビデオ屋と噂されるモンド・ヴィデオで借りてきたお宝ブラックスプロイテーションを鑑賞していたのだ。そこで観ていたのがルディ・レイ・ムーア主演の『ショーリン・ドールマイト』! なんだかこれがもう……みなさんにもこの魅力をお伝えしたいとは思うのだが、オレのつたない筆力ではとてもとても。物語を要約することすらできない。話につまると出てくる新キャラ。一人やたら下品な言葉使いの黒人カンフー鐘つき。そしておっぱいビンタ! 観ているうちにみんなすっかりトリップしてあっちへ行ってしまったよ。「今年のベスト1だ!」と叫ぶ町山なのであった。
とりあえずハリウッドのハスラー・カフェでお茶したあと、ジャバールくんを運転手にして町山と一緒にハリウッドへ向かう。LA在住のジャバールは道を歩いていてロイド・カウフマンと出くわし、トロマに就職したという素晴らしい経歴の持ち主である。ボ、ボンクラすぎる。ハリウッドでは以前サンタモニカにあった謎のポスター屋Backlot Movie and Postersへ。ジジイが一人でやってて土曜のみ営業とかいう店だったんだが、なんとハリウッド・ブルヴァードに進出していたのだ! 驚いて見に行ったが、埃っぽいのはあいかわらず。ただし一律20ドルだったレア・ポスターはだいぶ抜かれてそれなりの値段になってました。残念。オレとしては前回買いそびれたメイミー・ヴァン・ドーレンのポスターが入手できたから良かったけど(でも、値段はだいぶん上がってたんで、『秘宝』で特集を組むという野望はおあずけ)。
実は今やってる映画はどれもたいしたことないんだけど、今週末から公開されるのがジェリー・ブラッカイマーの"Coyote Ugly"。『カクテル』女版というハイ・コンセプトに基づいて作られた映画なんだが、どうよ、これ。つーか、はっきり言って今いちばん観たい映画なんですけど。それは町山も同じで……いや問題はこれブラッカイマーだし、絶対面白いわけがない(ブラッカイマー作品でいちばん面白いのは予告編である)ってのはわかりきっているんだけど、それでも観たいし、たぶん観てしまうのだ。これはなぜなんだ? それが男というものなのか? それが『コヨーテ・アグリー』なのか? ああ、『コヨーテ・アグリー』の恐ろしさよ。というわけで『コヨーテ・アグリー』に心を残しながらも、町山はコロラドの妻子のもとへ帰っていったのだった。
いろいろ遊びたかったんだけど、飯を食ったとたん強烈な眠けに襲われ、バーマン邸に帰ってすぐ爆睡。
やってて思ったけどこれもなかなかいいね。みんな一度くらいはディーラーズ覗きに来るし。知り合い捕まえて話してるだけなら、座ってられる分いいかも。というわけでなんかまったりとしたSF大会参加でした。企画は新幹線を降りそこなって名古屋まで行ってしまったという噂の香山リカ講演のみ聞いた。中身? いや、朝早く起きて横浜まで行ったもんでちょっと……
総勢40人近い大所帯で飯を食ったあと、横浜宿泊組と別れて添野と二人寂しく帰る。ちなみにディーラーズではゴア・ヴィダルの『大予言者カルキ』を購入。なんでヴィダルってこんなに邦訳出てるんだろうね(どこかにファンがいるのか? んなわけねーか)。
休憩をはさんで秋冬の新作SF映画予告編集。えーと、なぜか(笑)『タイタンAE』とか『Xメン』とかはありませんでしたが……まあ『スペース・カウボーイ』とか貴重だったんじゃないですか(オレははじめて観た)。最後は『インビジブル』で。
第三部はアルバ叶井を迎えて中原とトークショー。とは言ってもほとんどオレが突っ込みをいれてたんで中原の出番はあまり……今、映画業界でいちばんSFな男、叶井俊太郎の魅力はみなさんにも充分につたわったんじゃないでしょうか? まああまりにレアな、というか普通オフレコにするだろうみたいな話が多すぎて、これ聞いてた人は美味しかったですよたぶん。
というわけで来てくれた人はそれなりに満足してたんじゃないでしょうか。ま、叶井の話聞くために2万円払うかって言われたら考えるだろうけどさ。来年は……知らんわ。
企画終了後は挨拶もそこそこに会場を抜け出し、恵比須ガーデンプレイスへ。ガーデンプレイスではこの夏の特別企画として中央広場で映画の無料上映会をおこなっている。マツダ映画社が参画してるんで無声映画中心で、まあうちの妻にもお鉢がまわってきたってわけ。
今日は『散りゆく花』。もうこれまでに何回見たかわかりませんが、何度観ても感動の名作である。演奏の方はかなり力の入った泣かせで、あれでキーボードがもうちょっと良ければかなりの好演だったんじゃないかな。とりあえず来てくれた人には好評だったみたいだけど(となりでボロボロ泣いてる女の人とかいたらしい)。次は8/27(日)、『チャップリンの街の灯』です。
終了後、見に来てくれた添野夫婦(ご近所在住)と飯を食って帰宅。
知ってたら見に行ったのに、残念なことである。