暑いんだよクソ
◎今月のお仕事 『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』(中原昌也 河出文庫)解説。発売は10月頭。
8/17(木)
『骨の袋』(スティーブン・キング 新潮社 白石朗訳)読む。おもしろかった(あ、書き忘れましたが白石様、本を御恵贈いただきましてありがとうございます)。ミスディレクションがものすっごくうまくって、わかっちゃいるけど……みたいな。これって天才的なリーダビリティの高さがあるからこそ成立するんだろうね。あ、訳もすばらしいです(オレごときが申し上げるのもなんですが)。
ところで、セーラ・ティドウェルの歌ってシェフ(ソウルマスター、アイザック・ヘイズ)に似てませんか。
8/18(金)
六本木にてEscquireのSと打ち合わせ。
その後GAGAにて映画一本見る。なんとなく点が甘くなってしまうのは、けしてそのあと飯を奢ってもらったからではなーい。あーでもなんか映画の仕事(パンフorプレスシート)ばっかたまってて少々メゲ気味。いや、わかってる。悪いのはオレなんだ。小手先で原稿を書く技を覚えてからかえって苦労しているような気がする。何も書くことなくても原稿書けちゃったりするからなあ。
8/19(土)
二子玉川の友人宅で花火見物。多摩川の花火は世田谷サイドと川崎サイドに別れてるんだが、新築のマンションはちょうどその中間にあって花火には絶好のロケーション。映画業界と新聞社の人など20人以上が入れ替わりたちかわり。江戸木と久しぶりに会ってちょっと話す。
終わってからだと大変なことになるので、残念ながらちょっと早めに抜けて高田馬場に向かう。ちょっと相談事である。大森がなかなかとんでもないことを言い出して……いやたしかにキャラ萌え小説なんだけどね……(とか言ってたら日記に「思いきりが悪い」とか書かれてらあ。でも水野純子は却下だぜ)
8/21(月)
神保町に出かけ、青土社のMと打ち合わせ。珍しくこっちから売り込みである。ちょっと大変な仕事なんだけど、まあ来年一年かけてやるって寸法か。
『ワシントンDC』(ゴア・ヴィダル 早川ノヴェルズ)を300円で買って帰る。読むんですかね。あとコミッカーズのバックナンバーとか。
8/22(火)
試写にも行かず、原稿。鬱々として進まず。
『目線の恋人』(荒玉みちお ソフトマジック)いただく。露出投稿スワッピング・マニアのインタビュー集。妙にノリが軽くて、おもしろいっす。
8/23(水)
ソフトマジックのKと打ち合わせ。というか、銀座で大森望に引き合わせる。ま、なかなか先は長い感じ。まあのんびりやるべえ。
原稿を書くためにバーホーベンの旧作を見返していたが、いやあどれもこれもおもろいわ。特に『スペッターズ』。ゲイからもフェミニストからも身体障害者からも、ともかくありとあらゆる人から嫌われたという記念碑的作品だ。もう人として最低の奴だよねバーホーベンって。大好きだけど。
8/25(金)
『プラモデル進化論』(今トウジ イースト・プレス)いただく。
このところ中身のない日記が続いているが、こればっかはちょっとね。たまった原稿を消化しているのと、暑すぎて頭がまわらんのとで、もう何もできんボーイなので、許してくれい。でも今日は朝5時までやって、ようやくトンネルの先が見えてきた感じ。いやでもすぐに次のトンネルに突入する関越道みたいな状態が続くんですけどね。
8/26(土)
いい加減イライラしてきたのと、某所で入荷情報を手に入れたので、新宿へ出かけてみる。が、空振り。
でも、秋葉にいけばなんとかなんだろう、と当たりをつけて三軒ほどのぞき、見事ゲット。はっはっは。チョロいもんだぜ。参考までに書いておくとナカウラで買いました。え、何買ったのかって?
IXY-Digitalに決まってんじゃんかよ!
8/27(日)
恵比寿ガーデンプレイスで妻の演奏がある。今日は『街の灯』。これ、チャップリンが音楽をつけたサウンド版があるんで、主題歌とかはビデオ見て楽譜起こしてコピーしてました。で、いざ上映となったら途中で映写機が止まっちゃったりしてなんか難儀な。ちなみになかなか素敵な屋外上映はこんな感じです。
ビアガーデンで生ビール飲んで帰る。
8/28(月)
ちょっと映画を見ておかないと今後の仕事に差し支えそう。なんで試写。まずはGAGAで『U571』。ボンゴマンことマシュー・マコノニー主演で、先任軍曹がハーベイ・カイテル。もう潜水艦の中で裸でボンゴ叩いて踊り出すかと思いましたよ(嘘)! まあしかし、世に数多きベテラン先任軍曹の中でもカイテルはバツグンですな。もう先任軍曹になるために生まれてきたような男だ。
その後聖路加ガーデンのソニー試写室に走り、ニール・ジョーダンの『ことの終わり』。グレアム・グリーンの『情事の終わり』なんですけど、なぜかこんな邦題になっちゃいました。主役は文芸ポルノならおまかせのレイフ・ファインズなんで、まあどこに出しても恥ずかしくない文芸ポルノ。それにしてもニール・ジョーダンも、なんでこんなつまらん映画だけ公開されちまうもんかね。『ブッチャー・ボーイ』も『イン・ドリームス』もビデオスルーなのに。
ジュリアン・ムーアは美しかった。はじめてジュリアン・ムーアを美人だと思った。
8/29(火)
午後、シアター・イメージフォーラムのお披露目パーティに出かける。場所は青学の近くで、渋谷からは徒歩10分弱という感じのところ。映画館の立地としてはちょっと苦しい感じだけど、劇場は大層立派であった。あんな場所でマヤ・デレンやケネス・アンガーが見られるなんて素晴らしいことである。青学の学生はせっせと通ってつぶれないようにしていただきたい。
パーティではいろんな人が来ていたので久しぶりに挨拶する。篠崎監督は第二作が完成したらしい。でも早く見たかったら海外の映画祭に行かなきゃならないんですって。篠崎さん、「日記で悪口書かないでくださいよ」とか言ってたけどやだなあ、ぼくが篠崎監督の悪口書くわけがないじゃないですか。前作なんて、とても他人事とは思えませんでしたのことよ。
8/30(水)
渋谷でアルトゥーロ・リプステインのメキシコ映画『深紅の愛』を見る。『ハネムーン・キラーズ』のメキシコ版リメイク。うーん。そう思うと、やっぱオリジナルには負けるよねえ。まあ『ハネムーン・キラーズ』がオールタイム・ベスト級の傑作だからしょうがないんだけど。リプステインは『夜の女王』のがいいかなあ。
ジャッキーズ・キッチンで夕食を食い、600円のワインを買って帰る。
ところでこのところ映画のプレスやらパンフやらの原稿をいろいろ書いているんだが、本当の意味でお勧めしたいのは来年公開になるらしい『クラウス・キンスキー/我が最愛の敵』かなあ。ヴェルナー・ヘルツォークが作ったキンスキーについてのドキュメンタリーなんだけど、もう死ぬほどおもしろい。10月末にドイツ文化会館で特別上映があるようなんで、期待しててください。
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Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com