オレに似たブラザー

◎今月のお仕事 12/23(土)12:00〜BOX東中野にて恒例秘宝オールナイト、今年も開催! 来年は??


11/27〜12/1(金)
 ひみつ旅行。ひみつなのでひみつ。

 帰宅して一服してから洋泉社に出かけ、2000年の映画座談会。中原大暴走してだれも止められず。完全敗北。打ちひしがれて帰る。ベッドに入ったら次の瞬間意識をなくして翌日昼前まで目が覚めなかった。思ったより疲れていたらしい。参考までに、オレのベスト10を発表しとこうか。

  1. カリスマ(99 黒沢清)
  2. マグノリア(99 ポール・トーマス・アンダーソン)
  3. サウスパーク:無修正完全版(99 トロイ・パーカー)
  4. キンスキー、わが最愛の敵(99 ヴェルナー・ヘルツォーク)
  5. 喜劇王(99 周星馳)
  6. 赤い天使(66 増村保造)
  7. 呪怨(99 清水崇)
  8. アメリカン・サイコ(00 メアリー・ハロン)
  9. ハピネス(98 トッド・ソロンツ)
  10. スリーピー・ホロウ(00 ティム・バートン)

 『ハピネス』が『マグノリア』より下に置かれてることについては文句のある人も多いことだろうね。


12/2(土)
 チャンピオンシップ第一戦を見てから高田馬場へ。
12/4(月)
 原書房のIと打ち合わせ。でもサッカー話で盛り上がっただけだった。
12/5(火)
 内幸町のワーナーに出かけて『BROTHER』『レッド・プラネット』二本立て。ワーナーが移転してくれたおかげで、主要試写室にはほぼドア・トゥ・ドアで30分以内に行けるようになった。映画ライター的にはありがたい環境だね。

『BROTHER』でオレ的にいちばん気になったのは撮影だ。いや、撮影がとくに良かったわけじゃないんだけど、試写室で別々の人から二度も「おひさしぶりです……撮影でいらしてましたよね」と声をかけられたのだ。なんかしらんがオレに似た人らしいぞ。誰なんだいったい!?
 映画はあまりにホモくさすぎる。ホモホモ。たけし、女性ファンを狙ってるのか。


12/6(水)
 油断していたら近所の本屋すべてでNUMBERが売り切れていた。しょうがないんでラルクのコスプレ少女をかきわけてドーム前の山下書店まで買いに行く。ふう。
12/7(木)
 東宝で『回路』。正直に言おう、これは失敗作だと思う。もう15分くらい切って、事件の順序と因果関係を整理すべきだ(そこら辺が黒沢脚本のゆえんであって、高橋洋が書いていればこうはならない)。隣で見ていた特に名を秘すプレミア編集長氏はこっくりしていた。だがしかし、それでもこれは恐ろしく忘れがたい映画であり、深く心を揺さぶられる。そうか、『大いなる幻影』でやりたかったのはこういうことだったのね。中原昌也が、これ見たあとついガード下で一杯飲んでしまったと言っていたが、その気持ちはすごくよくわかる。ひどくやさぐれた気分(言うまでもないとは思うが、これは、オレにとっては最大級の褒め言葉だ)。
 後ろの席で映写前にケータイかけていた三輪明日美嬢にはあの気分伝わったろうか。

 その足で鴬谷の東京キネマ倶楽部へ出かける。マツダ映画社があらたにはじめた無声映画を見ながら食事もできるというシアターレストランである。今日はうちの妻が弾く『散りゆく花』。最近、『散りゆく花』ばかりやってますな。
 場所は駅前で立地自体はいいんだけど、元キャバレーだったというだけあってどう見ても映画館の雰囲気がない。まあでも中はなかなかおもしろいので、一度くらい行ってみる価値はあるんじゃないかな。入場料2500円は高いと思われるかも知れませんが、食事が1200円の食べ放題ビュッフェなんで、食事と映画合わせてのデート代と思えばそれほどのことはあるまい。なんたって、アフターディナーのデザートにはうってつけのロケーションですぜ
 あ、ちなみにうちのが出るのは毎週木曜日になります。


12/8(金)
 メディアボックスで試写……

……あー、すごかった。今年のベスト・ホラーだな。これから、髪を染めた理由を聞かれたら「テレビにでることになったんで」って答えることにしよう。あと最近デブってきたってみんなに言われるんでね、ダイエットをね……


12/9(土)
 このページ主催者からリンクの連絡をもらう。ううむ。ペヨトルって本当に文化だったのかなあ。ぼくにはどうもよくわからない。当事者だからか。

 神保町に買いだし。気合いをいれていったわりには買わなかった。『不死者のカーニバル』(エンキ・ビラル 河出書房新社)、『戦う女優』(「戦うヒロイン」編集部 扶桑社)、『ナイト・ピープル』(バリー・ギフォード 文春文庫)、『アイドル列伝』(大槻ケンヂ 学研)、『転送密室』(西澤保彦 講談社)。駕篭新太郎を買い忘れた。

 その後森下に出かけて桜鍋を食う。


12/10(日)
 こないだ秘密旅行をしていたと思ったら、今度はロンドンなのである。世の中は年末進行なのになあ。まあ、最近はどんどん仕事を減らしているので年末進行はあまりないんだが、その分大きな仕事が遅れてしまうのね。

 まあ、あまり何も考えないようにしよう、と飯を食ったらさっさと寝る。


12/11(月)
 朝からパインウッド・スタジオへ。アンジェリーナ・ジョリー主演『トゥームレイダー』の現場取材である。なんかこうやって書いてると映画会社のおかげで世界中を飛びまわってるようですが、はっきり言ってぼくなんか業界のおミソ。本当にすごい人はもっと全然すごいんだってことは言っておきたいね。

 取材の方は思いがけずスムーズにいき、主要キャストのインタビューをこなして三時過ぎにはホテルに戻っていたのである(取材の内容については〈映画秘宝〉、〈ぴあ〉その他の雑誌を参照されたし)。ラッキーなのでサリー・ポッターの新作"The Man who Cried"を見にいった。リッチ主演でデップ共演だ。リッチが普通のヒロインなんでびっくりする。でもそれだけだった。


12/12(火)
 ロンドンがいいのは、何もかもあるからである。というか、イギリス人ってやっぱりオタクだね。日本人に共通するオタク・メンタリティの持ち主なので、痒いところに手が届くようなものがいろいろあってたまらん。アメリカの本でも、アメリカの本屋では一度も見かけたことがないものが本屋に積んであったりして、書店巡りはじめるともうとんでもないことに。

 映画専門書店でイングリッド・ピットの自伝を見つけたときには、「これは買うしかないでしょ」と余裕で購入。しかしそのあとも本屋に行けば行くだけ次から次へとわけのわからんものが出てくる。シャーリー・イートン(『ゴールドフィンガー』で金粉塗られて殺された女)の自伝(ミッキー・スピレーンの序文つき)。うーん、誰でも自伝書けばいいってもんじゃないぞ。実録殺人本の書誌。かなり大部。これはかなり迷った。でも最終的には買うしかないんだよな、オレのためにある本なんだから。しかしそのあとに行った本屋にポール・ナッシーの自伝があったのには参ったね。このときばかりは英国人のオタクどもを呪ったよ(かなり本気−−あの目の前が暗くなるような気持ち、わかるだろうか)。なんでポール・ナッシー、スペインの狼男なんかに自伝を書かせなきゃなんないわけよ? そりゃナッシーにだって自分の人生を語る権利はあるかもしれんがね。誰がポール・ナッシーの人生について知りたがってると思うわけ? 誰が買うと思って、こんな本作ったわけよ?

 しょうがないから買ったけどね。泣きながら。


12/13(水)
 買い物はもうゲップが出るくらいやったんで、あとは消えものとか。そいうわけで今日は映画デー。午後から"Nurse Betty"、『チョッパー・リード』『スナッチ』の三本。『チョッパー・リード』というのはオーストラリア映画で、14人を殺した容疑がかけてられている常習犯罪者チョッパーくんの伝記映画。いや、こいつ人殺しなんだけどあまりにおもろいもんで、本を書いたらベストセラーになってしまったという人なのである。なかなかオモロかったんですが、これもうビデオで出てるんだねえ。
12/14(木)
 飛行機まで時間があったので、テート・ギャラリーでウィリアム・ブレイク展を見る。“レッド・ドラゴン”の絵もありました。

 やっぱりキチガイにインスピレーションを与えられるのはキチガイだけだ、と思いましたよ。


12/16(土)
 今年は忘年会サボリまくりだなあ。当たり前だが。友達減りそう。

 数少ない友達のためにタコシェへ出かける。佐川一政初のコミック、『まんがサガワさん』(オークラ出版 このタイトルの意味はすばらしい装幀を見ればわかります)出版記念のサイン会である。ファンはきりもなく訪れ、なかなかに盛況。
 ところでこのコミック、絵の巧拙とかをはるかに超えたところで真に危険な本である。佐川一政のヤバイ部分が全面に押し出されたものになってしまった。佐川研究者必読、なんだかそのヤバさをなんとなく感づかれたのか、東日販が配本を拒否したおかげで一部書店でしか買えなくなっているらしい。心ない本屋のみなさんは是非注文して店頭に並べていただき、心ない読者のみなさんはオンライン書店で (|amazonbk1BOLeS!ISIZEJbook旭屋書店紀伊国屋書店富士山本屋さん|)ご購入いただきたいものである。

 いやホント、マジでヤバイんすからこの本。


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com