地球礁よろしく日記

◎今月のお仕事 『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判』(洋泉社) 町山の生活を助けるために、買ってやってください。
         『ロバート・クラムBEST』(ロバート・クラム 河出書房新社)編・訳。少々お高いですが、その価値はあると思います。
         『地球礁』(R・A・ラファティ 河出書房新社) やっと本になったよ! 最初に訳を手がけてから20年くらいかかったんじゃなかろうか。       


9/19(木)
『コンピュータのきもち』(山形浩生 アスキー)いただく。これ、おもしろいっす。今度うちの親に読ませてみよう(実験として)。あと『裸のランチ』DVDのサンプル版もいただいた。買わなければならないと思っていたのでとても嬉しい。浮いた金は……やはりバグライター買うのか?(チョー欲しい一品)

さらに『殺人者はそこにいる』(「新潮45」編集部編 新潮文庫)と『靖国』(坪内祐三 新潮文庫)を購入。なんと言っても最近は「新潮45」に夢中なので。新潮社の人権無視体質があれほどすばらしいかたちで出た記事群もないだろう。鬼畜ルポ目白押し。これはその傑作選だ。だまって買え。


9/20(金)
 河出のO氏と会ってR・A・ラファティの『地球礁』見本をいただく。感無量、というか。これはかつて学生時代、東大SF研の副会誌〈すん〉に連載するというかたちで生まれてはじめてやった長編翻訳なのである。最初に手がけてから20年くらい、いろいろ紆余曲折があってようやく本にまとまった。昔の訳を読みなおすと酷い誤訳だらけで頭がいたいんだけど、文章はそんなに変わらないんだよね。細かくちょこちょこいじくってはいるんですが。
 書店には来週中にはならぶはずです。
9/21(土)
 洋泉社でちょっと打ち合わせ。その後高田馬場へ。『地球礁』見せびらかし作戦。しかし『航路』の一冊分と同じ値段とはあらためて凄い。蓮実重彦流に言うなら、だいぶ活字単価が高い。ラファティはコニー・ウィリスよりだいぶん文学だということかな。
9/22(日)
 池袋新文芸坐でマキノ特集から『阿波の踊り子』『浪人街』の二本立てを見る。まあ映画はマキノだからおもしろいに決まってるんだが、ビビったのは『赤い砂漠』の予告編で、妙に明るい音楽とかかかって、まるで艶笑コメディみたいなのだ。イタリア人恐るべし。
9/24(火)
 朝、フジTV。ところで3ヶ月にわたってお楽しみいただきました「ヤングライヴニッポン」だけど、今期をもって終了。10月からは名前も変わって帯放送となります。どういうことかというと、これまでは二週に一度録ってその番組を二週間にわたり計6回放送してたんだけど、今度からは月曜日に一回収録してそれを一週間15回放送ということになる。えーと、経費削減?
 とりあえず、ぼくは第二週に出ることになります。とはいえ10月はいきなり欠席だけど。

 夜、TOKYO FMホールにて『シベリア超特急3』。なんか一般試写を兼ねていたようで、OLっぽい人がいっぱいいてちょっと不思議な雰囲気だった。上映前に40分近くにわたるボンちゃんと水野先生の愛の交歓ショー。寒い。
 映画は普通だった。前作までのようなモンド感がなく、ただ普通の映画。でもそれってつまらんだけだよなあ。まあ、こっちが慣れただけなのかもしれんが。岩井志麻子はうまかったです(笑)。
 それにしても宇津井健は本当に悪い奴だ。「そのとき悪魔の囁きが……」とか「戦争が私をこんな人間にした」とか言ってるけど、最初から全部計算づくだったに違いあるまい。


9/25(水)
『プロフェシー』(ジョン・A・キール 南山宏訳 ソニーマガジンズ)、『幻色日本怪奇漫画図鑑 九十九殺』(ソフトマジック)いただく。キールの本はもちろん「モスマンの啓示」。やっぱイタ電かな? 『公認売春宿』(アレクサ・アルバート 講談社)購入。「USA公認売春宿ムスタング」だ!

 神保町にてS社の編集者と打ち合わせ。スケジュール立て直しを迫られる。

 その後表参道にて新潮社の編集者と飲む。その昔、ATHRAって雑誌から取材を受けたときの編集者で、今頃ワールドカップの反省会。まあサッカーの話となればいくらでも飲めるというのが自分でも……


9/26(木)
 東京都写真美術館でマシュー・バーニーの『クレマスター3』。3時間2500円の美術作品って何かを思い出すぜ。シネマライズでの〈クレマスター・フィルム・サイクル〉上映はチケットを買いそびれてしまったので、しょうがないから一本だけでも見ようと思って出かけた。で、覚悟して行ったんだけど、予想以上にバカ映画でおもしろかった。冒頭、北アイルランドの奇岩ジャイアンツ・コーズウェイを巨人が造っている場面からはじまる。巨人なので歩くたびにズシーン、ズシーンと地響きするのだが、それに併せて画面も振動する。センサラウンドを越えたぞ! さらにはクライスラー・ビルの地下でデモリション・ダービーやってたり、競馬場では全身ケロイドまみれの馬が走ってたり、両足首のない美女が出てきたり、もう悪趣味てんこもり。何よりすばらしいのはちゃんとIntermissionがあることだ。3時間超える映画には休憩つけるもんだよね、青山くん。
 残りは名古屋上映で見るつもり。

 その後新宿で原書房のIと。契約書を受け取るため……というのは口実で、もっぱらサッカーの話に終止する。I氏は浦和サポなので最近はしごく明るいようである。


9/27(金)
 昼間はずっと、タラタラ仕事。夜、渋谷へ。『血を吸う宇宙』DVD発売記念で佐々木監督VS諏訪太郎のトーク(「映画秘宝」向け)。二人とも「秘宝」愛読者なので、「最近の『秘宝』ってどーよ」みたいな話。いや、正直なところ『血を吸う宇宙』の話はもう百万回くらいしてるんで。なおDVDには佐々木監督も見たことがない『メイキングオブ血を吸う宇宙外伝』というものまで入っているとか(10/25発売)。
9/28(土)
 アジア大会開幕 U21日本代表2-0パレスチナ ものすごく後ろ向きのゲームだった。「失敗を恐れてプレーが小さく……」という常套句がこれほど当てはまる試合もちょっとないのではないか。後半石川くんが入ってだいぶ良くなったけど、ああいう後先を考えない大きなプレーがやっぱり必要な気がする。阿部と前田を使わずに勝ったのが大きい……みたいなこと以上に、やっぱり精神的なものだよね。パレスチナの選手のおかれた状況(代表選手が二人イスラエル軍に殺され、移動が禁止されているせいで合同練習はできない)を知ってれば、あんなチンタラした試合はやってられないはずなんだが。山本監督は選手を孤児院に連れていくか、パレスチナ選手団訪問とかした方が良かったのでは。
9/29(日)
 阿佐ヶ谷あるぽらんにて定例ビデオ上映会。今回はジョーン・クロフォードの伝記映画Mommie Dearest。そんなに珍しいものではないんですが、それなりに人も集まって何より。今回も立派な資料を作ってもらいました。みなさん、ありがとうございます。
 で、次は何にしようかね。
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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com