◎今月のお仕事 『ロバート・クラムBEST』(ロバート・クラム 河出書房新社)編・訳。少々お高いですが、その価値はあると思います。
『地球礁』(R・A・ラファティ 河出書房新社) やっと本になったよ! 感想リンク集もご参考に。
本日はショウ・ブラザース特集を二本。『香港ノクターン』は井上梅次が香港で撮った松竹映画のリメイク品。音楽服部良一で完全なハリウッド・ミュージカルである。これは凄かった。東洋最大の映画会社(だった)ショウ・ブラザースの底力を思い知らされる思いである。
もう一本は『ゴールデン・ロータス』。『金瓶盃』を『西大后』の巨匠リン・シンシャーが映画化したもの。『西大后』のときには何事かと思ったんですが、これも作風一緒だった。つまり、この監督って大奥の女同士が殿様の寵愛をめぐってあらそう……みたいな話が好きなんだ。最後にとってつけたように教訓がついているんだが、映画を見るかぎりではどう考えても西門慶やり放題。他人の女房だろうがなんだろうが寝取ってよし!ということだ。
ところで、先日Book 1stの店員にいきなり声をかけられた話をしたが、今日はパンフを買おうとしたジョイシネマのもぎりの女の子から「柳下さんですよね〜」と話しかけられてしまった。どこで誰に見られてるかわかったもんじゃないね。渋谷では悪さができん。
『北京原人の逆襲』は若き日のダニー・リーさん主演のパチ大猿映画の古典。タランティーノが大好きで、アメリカで配給したりした奴である。なかなかのものではあるが、パチ大猿映画としてはやはり"APE"(ポール・レダー監督)の方が上なのではなかろうか。
『君が好きだから』はレスリー・チャン、マギー・チャン、アニタ・ムイという今ではとうていあり得ないようなキャスティングのラブコメ。84年作品。場内はほとんどレスリー・チャン・ファン・クラブの同窓会という雰囲気で、第一次香港映画ブームの頃から追いかけてるんだろうなあ、と思われる感じのお姉様方で熱気むんむん。
で、中身はというとすんごくエイティーズですげえ笑える。音楽はピコピコいってるし、レスリーはピンクとグレイのボーダーに白いジャンパーだし、アニタ・ムイはシーラEみたいな髪型だし。東洋一の美女マギー・チャンもこのころはまだスタイルがいいだけのお姉ちゃんだ。ところでレスリー(21歳童貞)は地下鉄でマギー・チャンに一目惚れするんだが、一方でなぜかスーパーリッチなお嬢のアニタ・ムイにせまられてしまう。アニタ+金+愛-シーラE<マギー なのか? いやオレも単純にアニタとマギーならマギーの方を取るがね。マイナス要因が大きすぎたかな。
深夜U20アジア選手権準決勝 日本1(4-2PK)1ウズベキスタン まあ普通なら4-1くらいで勝ってる試合だと思う。阿部くんのシュートが素直すぎたね(毎回相手GKにぶち当ててしまう)。FWはどう見ても阿部+坂田がベストな組み合わせだから、交代すると点が取れなさそうになってしまいました。ただ、全体にボールもよく回るし、すごく楽しいサッカーだった(点が入らないんでイライラしたことを除けば)。セルジオ(ネガティヴ解説)にあんな言われ方するほど酷い試合だとは思わないんだけどなあ。
その後原宿へ。Emilyの上陸記念パーティに行く。家に帰ると『切ない…。』(香山リカ 青春出版社)届いている。誌上カウンセリングだそうです。
夜はパンテオンでファンタスティック映画祭秘宝オールナイト。ぼくはほとんど何もしておらず、出番以外は売り子やったり控え室で中村愛美嬢とダベったり、中野貴雄監督がつれてきていた里見瑶子さんにサインもらったりしてました。里見さんは美しい方なんだけど、中野メイクをほどこされていたのであまり嬉しくない状態。しかもオレ、里見さんの映画見たことない……なお、中原昌也くんはプレス・パスを取ったけれど映画祭にはまったく行ってないそうです。しょうがないなあもう。で、ファンタのクロージングだけは見るんだそうで。どうせモニカ・ベルッチの陰毛目当てだろう。
夜が明けて「打ち上げに行こう!」となったとたんになぜか中原が元気になるのです。
足を延ばして神奈川県民ホールでArt
Zoyd来日公演。アール・ゾイドというのはフランスのアヴァンギャルド・ロックのバンドだ。今から十年くらい前、ポジパンからはじまって現代音楽まで怪しげな音はなんでも聞いていたディープなロック・ファンだった時代、何枚かLPを買っている。結構好きだった。で、久しぶりにそれを思い出して聞きに行った……わけえはない。
実はこのライブ、『メトロポリス』の上映につける伴奏というかたちだったんですね。それもあって見に行ったんだが、見て驚いた! 今回の上映プリント、2001年のベルリン映画祭のために復元された完全版だったのだ(日本ではかつて京都映画祭で上映されている)。プリントがピカピカに新しいだけではない。これまで見たことなかったカットがどんどん出てくる。シーンごとの有機的なつながりがはっきりわかる。いやもう、完全に新しい映画である。というか、オレがこれまで見てきた『メトロポリス』っていったいなんだったの? 参りました。こんな凄いものが電車で30分のところで上映されていて、そのことを誰も知らない東京国際映画祭ってなんなんだろう? と真剣に思いましたよ。