さよなら自由ガ丘
◎最近のお仕事 『ジェノサイドの丘』(フィリップ・ゴーレイヴィッチ WAVE出版)好評発売中
『殺人マニア宣言』(ちくま文庫) 文庫になって復活! よろしくです。
『興行師たちの映画史』(青土社)これから10年のポジション・ペーパーです。サポート・ページもあります。
『25時』、『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』、『H』、『恋する幼虫』のパンフに原稿書きました。
2/19(木)
丸の内東映に『ゼブラーマン』を見に行く。うーん……みんな感じたろうと思うけど、これって『ギャラクシー・クエスト』をやりたかったんだろうね。でもこれが全然なっとらん。というのはゼブラーマンが真のゼブラーマンになる−−哀川翔がコスチュームを着たら強くなる−−理由が全然説明されないからだ。『ギャクラシー・クエスト』があんなに感動的だったのは全員が生身のままで−−役者は役者のままで、オタクはオタクのままで−−ヒーローになるというところにあるんじゃなかったか。これ、「『ゼブラーマン』は生身のヒーローなんです」って言うけど全然生身じゃないんだよ。ロジック抜きでいきなり強くなっても感動はしないんじゃないかなあ。
あと、結局「哀川翔第百回主演作品」って出なかったよねえ。これもどうかと思いました。
その後シネパトスで『赤線玉の井 ぬけられます』見る。
2/20(金)
宝島時代の同僚の死の知らせを受け、お通夜に出かける。まだ若いのになあ。
『チョーク!』(チャック・パラニューク 早川書房)いただく。表紙が常盤響。早川、やる気である。
2/21(土)
『就職がこわい』(香山リカ 講談社)、『この花はわたしです#3』(喜国雅彦+国樹由香 小学館)いただく。あと、『ふたりジャネット』(テリー・ビッスン 河出書房新社)を購入。
U23の日韓戦をテレビで見たのち、馬場の例会に顔を出す。
2/23(月)
東芝エンタテイメント試写室で『ロスト・イン・トランスレーション』。前回のことがあったので、30分前には行きました。まあ予想通り30分前でもぎりぎりだった。とんでもない人気ですな。それだけの中身があればね。
で、ぼくは以前も書いたように、ソフィア・コッポラはまったく評価していません。あんな奴におもしろい映画が作れるわけはない。顔を見ればわかる、てなもんです(そう、ぼくは完璧な差別主義者でもあります)。だから正直、この映画も見るまでもないんですよ。でも仕事だからな。あまりに中身が何もないんで退屈で退屈であくび指南されそうでしたよ。
夜、自由が丘武蔵野館のレイトショーで須川栄三の『野獣狩り』。いやあ面白かった。あのものすごい長回し。今はこんな映画作れないのかねえ(たぶん撮影許可が降りないだろうね)。
2/24(火)
『社会派くんがゆく! 死闘編』(唐沢俊一+村崎百郎 アスペクト)いただく。
2/25(水)
アップリンクより『谷岡ヤスジのメッタメタガキ道講座』と『実録外伝・ゾンビ極道』のDVDいただく。『ゾンビ極道』にはぼくがコメンタリーで参加しています。『メッタメタガキ道講座』はコミックはついてるはシングルCDはついているはの超プレミア仕様。売り切れ必至。急いで買え。さらにバイオタイドより〈ラス・メイヤーヴィクセンBOX〉も送られてきました。こちらも特典映像でぼくと中原のトークが収録されています。いきなりDVDお大尽。
上野オークラに出かけて『禁断姉弟 女肉のぬくもり』、『喪服妻 熟れ尻ぐっしょり(喪服妻のよろめき)』見る。『禁断姉弟〜』は贔屓の山崎邦紀監督作。ただ今回はあんまりネタをひねってる感じがなくて、わりと普通である。時間なかったのかなあ。でもその分、山崎監督の本質というか、やりたいことが露呈しているような気もする。
2/26(木)
東映ラボ・テックで吉行由実監督作品『せつないかもしれない』試写。上野世界傑作劇場他で封切りされるゲイ・ポルノである。東映ラボは遠いんだが、しかし心理的には世界傑作劇場よりはだいぶ近い。
映画はまさにボーイズラブ作品。映画自体は結構むらがあったりするんだが、最後のラブシーンはすごく(監督の)気持ちが入っていて良かったですね。まあしかし、これだけ監督の気持ちで画面の張りが変わってしまう映画も珍しいと思います。
打ち上げにはゲイ&レズ映画祭の人も来ていたので、「ファスビンダー特集やってください」と売り込んでおく。
2/28(土)
アテネ・フランセで雑誌nobody主催の、蓮實重彦VS中原昌也という恐怖のトークショーがあるので見物に出かける。というか応援。心の中で。まあオレの応援など不要かと思われますが。義務感に駆られたのはぼくひとりではないらしく、Trash
Mountain Videoの屑山さん他応援団が多数来襲。
しかし……内容は……いや何も言うまい……
洋泉社で3月発売の殺人ムックについて打ち合わせしたあと、新宿で屑山氏他に合流。気がつくと『ラッパー慕情』応援団飲み会になっていたのだった。というわけでそのまま流れでテアトル新宿でおこなわれる『恋する幼虫』公開記念井口昇レトロスペクティヴオールナイトに雪崩こむ。切通理作や井口昇に挨拶。篠崎誠と『犬と歩けば』のヤバさについて話しこんでしまった。「いやあ40過ぎると……」とか言ってしきりに帰ろうとしていた篠崎氏だが、名残惜しそうに「トークショーだけ聞いてくか……」とか言ってるうちに結局朝まで付き合っていたのだった。でもその甲斐はありましたよね。ともかく上映される映画がどれもこれも傑作ばかりで、愛染恭子が驚くほどキュートに撮られている『毒婦』も素晴らしかったし、何よりも伝説の初監督作『わびしゃび』を見られて大感激。これが本当に凄い。キャメラの前で少女がどんどん美しく変身してゆくのだ。
天才ってこういうもんだなあ、と思いました。ともかく処女作から作風が一貫している。どんなテーマを撮っても同じ。そしてどれも圧倒的に面白い。
そういうわけで、自由が丘武蔵野館サヨナラオールナイトにいくつもりだったんだけど行きませんでした。すいません。ああ、もうあの街に行くことはないんだなあ。
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Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com