毎日が宴会気分

◎最近のお仕事 『ジェノサイドの丘』(フィリップ・ゴーレイヴィッチ WAVE出版)好評発売中
『興行師たちの映画史』(青土社)これから10年のポジション・ペーパーです。サポート・ページもあります。
『別冊映画秘宝 実録殺人映画ロードマップ』(洋泉社MOOK)出ました。おもろい殺人話で満載です。
『ノド書』(サム・チャップ&アンドリュー・グリーンバーグ アトリエ・サード)に解説を書きました。

4/13(火) 19:00〜 「ユーロ・トラッシュ不法集会in新宿 vol.2: トラッシュ映画大全科」ロフト・プラスワン ゲスト出演。もちろんtrash mountain videoなんで屑山屑男主催。屑山ファン大集合!

4/18(日)14:00〜 トークショー@阿佐ヶ谷「よるのひるね」 with中原昌也

4/23(金) 19:00/19:30〜 『イノセント・キス(姉妹どんぶり 抜かずに中で)』DVD発売記念イベントuplink factory にて吉行由実監督とトーク 


4/1(木)
 青山ブックセンターへ大森望×豊崎由美の『文学賞メッタ斬り!』トークショーを聞きに出かける。たいへん楽しく聞かせていただきました。いちばん笑ったのは……ってここで書くとひょっとして晒し上げってことになるの? それは豊崎さんに悪いからやめ。って晒し上げるのは豊崎発言に決まっているというのがどうも。

 その後二次会はあきらめ、BAZAARのTとご近所の青山墓地で催されていたケイブルホーグ主催の花見に出かける。雨が恒例になっているケイブルホーグ花見だけに、今年も「そろそろ……」と思い出した絶妙のタイミングで雨に。幸いさっさと帰ってしまったんで会わなかったが、もうちょっと粘っていたら花見で雷という珍事が待っていたような。


4/2(金)
 GAGAの某嬢の主催で青山南氏と飲み会。レポマンの人生みたいな状態で出かける。いや、もちろん青山さんはたいへんいい方なんですが、やはりキンチョーはキンチョーです。青山さんがついにアレの改訳を手がけられるという話を聞く。いやあ、それはすばらしくいいことだと思います。村上春樹も、あえて野崎孝の訳に手を出すなんてことしないで、もっと訳し直すべき本はいくらもあるだろうと……
 青山さんは山形くんの訳業に関していろいろ思うところがあるようだった。まあぼくも同様の感想を持つことがあるんで、その気持ちはよくわかります(別に訳が悪いとかそういうことではありませんので)。
4/3(土)
 映画『Deep Love〜アユの物語』を見に新宿に出かける。実にぼくはこの下準備として『Deep Love』は四冊、犬の話まで読んでいます。いやあ面白かったよマジで。なんかみんな怒ってるようですがなぜなんだろう。犬の巻はサイコーですよ。もう腹抱えて笑いました。
 しかしこれだけ気合いを入れて行ったにもかかわらず、満員で入れない! どうやら初日舞台挨拶かなんかあったらしいんだけど、まさか満員札止めとはな……ケータイサイトの女子高生の力をなめてはいかん。しかしよりによって『Deep Love』で断られたりすると徒労感も倍増です。

 その後練馬方面に出かけ、友人宅でお花見。というか飲み会。だらだらとくだらん話をする。


4/4(日)
 所沢の友人宅におよばれ。一人遅れていって、食いたいものをバクバク食って、さっさと帰ってしまうという……
 所沢は寒いと思っていたが、東京も寒かった。油断していたら終電一本前の電車も茗荷谷止まりで(平日だとこの電車が新宿まで行く)、茗荷谷から一駅歩く羽目になってしまった。
4/5(月)
 土曜日の復讐戦。今度こそ、というのでいくらなんでも空いてるだろう銀座シネパトスに朝一番から『Deep Love〜アユの物語』を見に行く。さすがに満員御礼ではなかったものの月曜日の朝11時からこんだけ女子高生が来てるんなら大ヒットじゃねえか?というかおまえら学校はどうしたんだ?
 Yoshiのバリヤバ演出は映画になってももちろん健在で、大いに笑える快作であります。心臓病のポエマー義之にアユが後ろからそっと忍び寄ってわっ!と驚かすシーンは笑い死にしそうになりました。となりの女子高生には睨まれましたけど。しかし上映中にケータイメールを見ているおまえには言われたくないとも思いましたが。

 その後洋泉社で町山とちょっと話したのち、原宿のファントム・フィルムに出かけ、叶井俊太郎に飯をおごってもらう。なんか原宿の一等地にあるマンション・ビルで、叶井のバブリー感はとどまるところを知らず。マンションにはプールまであるのだ! 夏になったらデッキ・チェア広げて女をはべらすんだろうなあ。


4/6(火)
 上野オークラにて『後家・後妻 生しゃぶ名器めぐり』、『蜜まみれ変態家族 いじりあい』、『熟女・発情 タマしゃぶり』と珍しく三本立てを全部見る。
『後家・後妻』はスクリューボール・コメディの快作。結婚前夜に婚約者が事故死し、その兄である生臭坊主(佐野和宏)に強引に犯されて結婚してしまった妻が坊主の愛人と手を組んで夫を殺そうとする。もちろん計画は思わぬ側に転がって……どんなに周到に計画を錬っても最後に勝つのは天然だ、というところが正しくスクリューボール・コメディである。
 もう一本、お目当ての作品はもちろん林由美香主演、今岡信治監督・脚本の『タマしゃぶり』。なんと林由美香の「30過ぎても不思議少女」ものである! 林由美香が三留まゆみをやっているのだ。プロボウラーを目指す(中年)少女は無口ですべてをジェスチャーで伝え、砂浜でテヘとこけたり、お弁当を作って電車で届けに行ったりするわけで、当然キモいと思うでしょ? これがね、可愛いんだよ(爆) 完璧なアイドル映画だなあ。悶死ものですよもう。オレは許すよ、みんな死ぬまで不思議少女な。
4/8(木)
 12時からイマジカで内覧試写。

 さらに3時からイマジカでもう一本。初号だったんですが宮部みゆきの『理由』をWOWOWの製作で大林宣彦が撮ったTVムービー(4/29放映)(ぼくもエキストラで出演しているのです)。なんだけど中身は完全に映画なんで劇場公開も検討中だそうである。いや、これが面白いんだよ。傑作だと思いました。簡単に言ってしまうと『絞殺魔』の尋問シーンが延々と続くような映画である。かと思っていると最後にいきなり飛んでいってしまうところがまた凄い。


4/9(金)
 午後、漫画アクションのH氏が来てコラムの打ち合わせ。雑誌自体は4/20に復刊第一号が出るということで、ぼくの登場は5月に入ってからかな。まあコラムで雑誌が売れるなんてことはないとはいえ、栄光のアクション・ジャーナルの名を汚さぬようにせいぜい頑張りたい。

 ビデオで"Sing Sing Nights"(1940)を見る。モノグラム製作のかなりどうでもいいミステリー映画である。この映画の見所はたったひとつ、つまり原作がハリー・スティーヴン・キーラーだというところにある。
 バルカン平和委員会に任命された新聞記者フロイド・クーパーが、その任命パーティ会場で射殺される。犯人として三人の男が逮捕され、有罪になる。三人とも自分がクーパーを殺したのだと言って譲らなかった。だが、真犯人は最初にクーパーを殺した男一人で、あとの二人は無罪のはずだ。苦慮した知事は二枚の白紙特赦状を持った部下をシンシン刑務所に送りこむ。嘘発見機によるテストで、本当に殺した一人を見つけだそうというのだ。そこで三人はそれぞれに殺人にいたる経緯を語りはじめる……
「三人の死刑囚がそれぞれ物語を語る」という枠物語だけを原作からいただき、以下はクーパーと三人との関係(クーパーは女たらしの食わせ者ブラック・ジャーナリストで、三人はそれぞれに恋人を奪われ、裏切られた経験があった)が語られ、そのうち一人が嘘をついていたことが判明する(無実の二人が助命される)というハッピー・エンドになっている。原作では死体から発見された銃弾が二発で、狙いをはずした一人が誰だかわからないという、線条痕はどうなってんねんと誰もが突っこむトホホな謎だったのだが、それよりはだいぶまともだ(ただし、今度はなぜ真犯人が嘘をつかなければならなかったのか、という点が説明できなくなるのだが)。ただ、まともな話になった分、話がどんどん脇筋にそれていって物語が迷路にさまよいこむというキーラーの語りの魔は感じられなくなっている。それでもキーラーらしさは残っている。第二話は満州の軍閥の宮廷(なぜ軍閥が宮廷を持っているのかはわからないが)の話で、キーラー好みの中華風味が添えられている。さらにはとってつけたような結末がある。最後に判明する真相にはまったく合理的な理由がなく、誰が嘘をついていたとしてもかまわないような代物なのである。あまりに人工的な解決がキーラーの痕跡を残している。なお、同じ原作からはもう一本映画が作られているので、いずれそれもレビュウします。


4/10(土)
 ロフト・プラスワンにてFBBトーク・イベント。今回はなんとお昼の12時半スタートということになった。いや、これ毎回町山の帰国が決まってから無理矢理スケジュールを押し込むのでこんなとんでもない枠でやることになってしまうのである。しかし開場前にはすでに階段の上まで客がぎっしり。びつくりだ! ビデオ・モニターに故障があって開場が遅れたり、ビデオ操作がいいかげんだったりいろいろ不手際は多かったんですが、文句も言わずつきあってくれた皆様に感謝。あと、すばらしいネタを持って遊びに来てくれた中野貴雄監督とギャルショッカー(修道院美季さんと稲妻サンダーさん)にも感謝。
 終わったあとは終わってから来た平山夢明に出待ちしていたファンまで連れて焼き肉屋に突入して大騒ぎをくりひろげたが気がつくと夜の8時。舞台の上でもずっと飲んでたんだから8時間ぶっ通しで飲んでたってことなのか?さすがにべろんべろんですた。
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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com