ゲラを手放したあとも電話で修正を入れつづける日記
◎最近のお仕事 『興行師たちの映画史』(青土社)これから10年のポジション・ペーパーです。サポート・ページもあります。
『別冊映画秘宝 実録殺人映画ロードマップ』(洋泉社MOOK)出ました。おもろい殺人話で満載です。
『ジョン・ウォーターズの悪趣味映画作法』(ジョン・ウォーターズ 青土社)。ついに新装版で復活! 若き映画監督志望者必読!
『ロボット・オペラ』(瀬名秀明編 光文社)にジョン・スラデック『ロデリック』の一部を訳出。
『ケルベロス第五の首』(ジーン・ウルフ 国書刊行会) ようやく月末に発売になります。すべてわたしの不徳のいたすところであります。お待たせしました。
6/30(水)
上野オークラにて『究極性感 恥穴えぐり』『夜の診察室 濡れた白衣(おしゃぶり天使 白衣のマスコット)』見る。お目当ては山崎邦紀監督の新作『恥穴えぐり』
これがねえ、サイボーグ・フェミニズム映画でしたよ。オレが言っても信用してもらえないと思うけれど、こんなに正しくサイボーグ・フェミニズムな映画は見たことがない(いや、ぼくはサイボーグ・フェミニズムがなんなのか、ぜんぜん知らないんだけど)。レイプされて感じてしまったカウンセラーが真の自分と出会うためにA感覚を追及するという話で、つまり女性は胎内のけものによってサイボーグ化するのである(わけわかんないと思いますけど、そういう話です)。佐々木麻由子がクソ真面目な顔で「突破口は……アナル拡張よ!」とか言うのがおかしくてしょうがない。ただ、話的にはもっとはっちゃけてもいいのに、山崎監督のバランス感覚が邪魔している部分はあるかな(なかみつせいじが都庁を見上げて「ちんこがいつも屹立しているような人間は、ああいう高いところから我々を見下しているのだ」と言い出すところとか)。
そういうわけなんで、小谷真理さんにはお勧め。
7/2(金)
池袋新文芸坐の中島貞夫特集。今日はもちろんクリスチナ・リンドバーグ主演の『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』の日だ!って結局来たのは今日だけなんだけど。行くと超満員。しかもおっさんばっかり。久しぶりに満員の名画座なんぞに入ったのでかばんこっちに置いて席キープしといて……とかかつての姑息なテクニックを思い出し、ちょっと嬉しかったり。で、真ん中へんのいいところに空席を見つけて「そこ開いてますか?」「あ、だいじょうぶですよ」と合わせた顔を見たら藤木TDCだった。知り合いしか会わねえ。
映画はね〜こんな話だとは全然知らなかったんでびっくりしました!「にっぽんSEX旅行」というよりは「完全なる飼育・スウェーデン白夜」とかタイトルつけた方がいいような話だったよ。しかしクリスチーナはいいな。ロリ巨乳だしな。まだイケるな。
7/6(火)
東映試写室にて『IZO』見る。三池崇史+武知鎮典の最新作。
すごいすごいすごい! これは『マトリックス』であり、つまり『マトリックス』は本来こういうカルト映画になるはずだったのであり、これは『火の鳥』であり、というのは時空を超えてくりかえす宿命と愛の物語だからであり、これは『刑事まつり』であり、遊ぶんだったらこのぐらいちゃんと遊べという篠崎誠へのメッセージである。ともかくすごい。必見。
主演が中山一也というところに三池の殺意を感じる。あいつは殺る気だ。
夜、トラッシュマウンテン飲み会。おとなしく飲んで終電で帰るはずだったのだが、つい不幸のドン底を這いずる中原に同情して声をかけてしまったのがウンの尽き……
7/9(金)
朝、GAGAにて内覧試写。最近、内覧試写で出欠取られることが多くて、ウザくてしょうがない。まあ、しかし文句も言ってられないんで朝から起きて行きましたけどね。
いったん家に帰ったのち、としまえんの天然温泉「庭の湯」に出かける。以前から吉行由実さんと一緒に行こうと言っていたのであった。で、樫原大監督、切通理作とすでに腹の話題は出てこない40代の男たち。あと妻とBazaarの編集者Tという6名。
3時頃集合して帰ったのが10時前だからなんだかんだで6時間以上つかっていたことに。すっかりふやけてしまってへろへろ。帰りはついうとうとして電車を乗り過ごしてしまいました。
7/10(土)
渋谷へ。オタール・イオセリアーニ特集開催中のシネ・アミューズで中原昌也+滝本誠のトークショーがあるので見物に行く。まさかこのときにはあんな惨劇が待ちかまえていようとは思ってもみなかったのである。実はこの日、ぼくはもうひとつトークショーを見物に行くつもりで、というのは本日よりユーロスペースで『穴』が上映されるということで、佐々木浩久+三輪ひとみのトークがあったのだ。というわけで中原+滝本のヨタ話を聞いて、一杯引っかけると、その足でユーロに向かって佐々木監督の話に笑い、そしてそのまま飲みに行き、すると終電で監督が帰るころになって中原が滝本他の飲み会を終えて到着し、『穴』を見ていたアップリンクのNくんとまたしても飲むことになって、そしてそろそろ切り上げるかという話になったところで中原が新宿の「風花」で島田雅彦の朗読会やってるから行きましょう、と言いだし……(中略)……そして気が付くと朝の4時、ぼくは中原、阿部和重、〈文学界〉のNの4人で池尻大橋でうどんを食っていたのだった。なぜそんなことになったのかというとそれはとてもここでは説明できないし、たとえ説明しても信じてもらえないだろうから書きません。しかし阿部和重さんとははじめて会いましたが友情に厚くってお祭り好きのいい男だなあ、と思いましたよ。ああ疲れた。
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Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com