ケルベロス第五の首、の日々

◎最近のお仕事 『興行師たちの映画史』(青土社)これから10年のポジション・ペーパーです。サポート・ページもあります。
『ジョン・ウォーターズの悪趣味映画作法』(ジョン・ウォーターズ 青土社)。ついに新装版で復活! 若き映画監督志望者必読!
『ロボット・オペラ』(瀬名秀明編 光文社)にジョン・スラデック『ロデリック』の一部を訳出。
『ケルベロス第五の首』(ジーン・ウルフ 国書刊行会) ようやく発売になりました。すべてわたしの不徳のいたすところであります。お待たせしました。勝手に広報部も(勝手に)よろしく。 


7/26(月)
 美学校にて『ソドムの市』試写。完膚無きまでに自主映画だから、その辺どうなの?と言う人がいるのもわかる。なんせ公式ページが中原翔子HPの下にぶらさがってるし。でもぼくは充分おもしろかったですね。即リメイクしてほしいな。予算10億円くらいで。岩淵先生の出番に感動したんですが、映画が終わったらその場に岩淵先生がいらしたんで二度驚きました。

 夜、アップリンク・ファクトリーで吉行由実監督のゲイ映画二本、『乙男(オトメ)たちの素顔』『僕は恋に夢中』を見る。吉行映画はゲイものの方がファンタジー、というか乙女チック。たぶん男女間のドロドロした現実が入りこまないからなのだね。しかし、いかにファンタジーといえどもみんなでカニを食いながら談笑する場面は嘘だ!と思いました(笑)。
 終わったあと、監督ほかとちょろっと飲む。


7/27(火)
 早川書房にて宮脇孝雄、大森望と『ケルベロス第五の首』を語る座談会。SFマガジン次号のウルフ特集用です。三つの頭が寄って、核心には触れないままぐるぐるとまわる感じの座談会。『ケルベロス』の構造を模しているわけですね。嘘だけど。

 夜、ロフトで実録殺人イベントwith平山夢明。まーこないだのイベントに来た人はわかると思うんですが、イベントに平やんが降臨した瞬間、そこからは平山オン・ステージ。笑い袋がうるせえのなんの。
 客も笑いすぎて脳味噌垂らしながら帰っていったよ。終わったあとちょろっと飲んで帰る。


7/28(水)
 夜、新宿で若島正、国書刊行会のTと飲む。トークショーの打ち合わせもかねての顔会わせ。談笑している最中、『ケルベロス』の謎(パズル)をひとつ振ったら急に真剣に考えはじめたんでさすがだ、と思いましたよ。
 楽しく飲みましたが終電まで飲んだところで二人と別れる。若島先生はもうちょっと飲みたかったようなんですが、ぼくはこう連日だと毎晩3時までというわけには……つうわけで今夜もちょろっと飲んだだけで失礼しました。
7/29(木)
 今夜も……

 ええと、今夜はTrash Mountain Videoから8月に発売になるDVD、『痴漢ドワーフ』の音声コメンタリー収録だったのです。参加者はぼく、中原昌也、継田くん他屑山オールスターズ。問題はですね、誰一人としてこの映画についての情報を持っている人間がいない、ということだ。主演のドワーフ、トーベンについても、監督ヴィダル・ラスキについても。したがってこのメンバーでビール飲みながら画面に適当につっこみを入れるというだけの音声コメンタリー。いやもう酷いですよこれは。中原節全開ですからね。映画と全然関係ない話を五分くらい続けていたり。ぼくの短い人生においても、ここまで酷い音声コメンタリーは聞いたことがないです。本当に、こんな酷いことが許されていいのでしょうか。
 しかし一説には、『亀虫』のコメンタリーはこれよりさらに酷いらしい。なんてひどい奴なんだ中原。

 そういうわけで、それなりに飲んだんで打ち上げには付きあわず終電で帰る。


7/30(金)〜8/1(日)
 尾道に行ってました。毎年恒例の尾道花火大会のためです。もう10年ぐらい行ってますから、慣れたもんですね。でも今年はちょっと違った。いつもと違うことがあったのです。それは……台風10号が広島を直撃したのでした!

 つうわけで新幹線に乗る直前に「花火は8/12に延期!」の報が入ったんだけど、「もう止まらねえよ!オレは!」というわけでそのまま尾道に行ってしまいました。もちろん台風直撃されてますからずっと雨でほとんど観光とかやってる余地はなかったです。じゃあ何をしてたのか、と言えばトランプ(大貧民)。それに「フルーツバスケット」……大林家の実家をはじめて訪問しましたが、いやあ……本物の名家は違うな。古い家なんで、いろんなものが出るらしい。


8/2(月)
 TCCにて『くりいむレモン』試写。そう、あの!『くりぃむれもん/媚・MY・BABY』の実写化である。主演は水橋研二で、亜美ちゃん役は村石千春(脱ぎなし)。ところで『くりぃむれもん』と言えば透過光である。最初に見たときは、みんなあの透過光にショックを受けたはずだ。だから今回も絶対透過光があるはずだと思っていたのにな……山下敦弘監督ってはじめて見ましたが、そういう作風の人ではないわけなのですな。しょせんエロアニメの実写化なんですからね、もっとベタなネタをいろいろやってほしかったんですけどね。亜美ちゃんがお兄ちゃんに勉強教えてもらって、つい手が触れあって二人とも黙っちゃうとかさ。あるでしょいろいろ。亜美ちゃんとお兄ちゃんが一度やったらいきなりサルになってしまうというのはおかしかったですが。
 そういうわけで、亜美ちゃんアイドル編の続編きぼん。

 夜はよみうりホールで韓国映画『オールド・ボーイ』。なんというか……犠牲者の遺族を階段から蹴り落とすかのごとき映画だった。


8/3(火)
 上野オークラにてピンク映画。『人妻・OL・美少女系……悶絶アパート』『女子大生・恥じらいの喘ぎ』。上野オークラにコピーの番組表が置いてあった。今月から作ってるんでしょうか? どうせなら時間も入れてくれれば電話する手間がはぶけていいんだけどな。
8/5(木)
 三省堂で『ケルベロス第五の首』発売記念トークショー with若島正。
 若島さんはやっぱ凄いですね。ぼくはほとんど聞いていただけって感じ。いや、当初の予定ではあんなに中身に突っ込んだ話をするつもりじゃなかったんですよ。話し出したら止まらなくなってしまったんです。「質疑応答はないのか?」という声もあったんですが、やったら絶対「何ページの××はどういう意味ですか?」になるに違いないと思ったのでやめました。後半は「えーと、××ページを開いてください。〜と書いてありますね。これがヒントになってまして、そこで××ページを見ると……」と授業状態。

 終了後、近くの店で打ち上げ。ここでは中原昌也が大活躍で……結局三軒まわって朝五時まで飲んでいた(若島先生は二軒目でお帰りになりました)んですが、途中、ぼくはすっかりベロベロになって椅子から転げ落ちるくらい酔っぱらってました(痣になっちゃった)。しかし中原だけは最後まで元気だった……


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com