美人薄命なんて言葉は聞きたくなかった
◎最近のお仕事 『興行師たちの映画史』(青土社)サポート・ページもあります。
『ケルベロス第五の首』(ジーン・ウルフ 国書刊行会)勝手に広報部も(勝手に)よろしく。
『アヤックスの戦争』(サイモン・クーパー 白水社)を翻訳しました。第二次世界大戦とユダヤ人の運命とサッカーに関する本です。はっきり言って、ニッチです。
『輝く断片』(シオドア・スタージョン 河出書房新社)で中編を二編翻訳しています。キモメン文学の金字塔ですよ。
『たまもの』(2004年度ピンク大賞受賞!)の音声コメンタリーにいまおかしんじ監督、林由美香さんと一緒に参加しています。
6/14(火)
試写で『逆境ナイン』見る。なんか最近の漫画映画ブームには少々食傷気味のところがあって、漫画映画は全部鈴木則文で作らせろ!とか言ってるわけですけど、やっぱ食わず嫌いはいかんよなあ、と思っていってみたわけです。原作は好きだし。
まあね……そんなに悪くはないと思うんだけどね……気になったのはさ、これ作ってる人たち、ひょっとして、この原作をコメディだと思ってないか!?
6/15(水)
『ターネーション』試写。made
with
iMovieということで、総制作費200ドルぽっち、すべてを自宅のiMac一台で作り、サンダンスで大センセーションを引き起こした……そうである。というわけで、ある程度の予断をもって映画を見るんだが、良くも悪くもその予断をくつがえすようなものはではなかった。はっきりいうとですね、この人の前史とかどうでもいいんです。これが映画として面白くなるのは一時間過ぎて故郷に帰るところからなのだ。iMovieで作ったという以上の価値があるかとなるといささか疑問だ。崩壊家族ドキュメンタリーとしても突っ込みがいまひとつ。
6/17(金)
新宿で中原昌也と飲む。一昨日、中原くんから電話がかかってきて、いろいろ最近のムカツクことを聞いているうちに、なんとはなしに飲もうかということになったのだった。しょんべん横町でひとしきりモツ焼きなど食ったのち、二丁目の方まで歩いて某バーへ。なんか『表現者』とかって雑誌の創刊記念パーティだとかで、たいへんな人混みだった。そこへわざわざ六本木で飲んでいた青山真治氏を呼び出して三人で飲む。
じきに酔っぱらってうつらうつらしてたら青山氏に「もう帰った方がいいですよ」と諭されてしまった。トホホ(いろんな意味で)。
6/20(月)
京橋で『世界』を見る。ジャ・ジャンクーの『青い稲妻』以来となる新作である。舞台は北京郊外の「世界公園」(実在するらしい)。ここは世界中の有名建築物がミニサイズで再現されたいわば東武スモールワールドみたいな公園なのである。キャッチフレーズは「北京から出ないで世界を回ろう」。でもそこで働く若者たちにとっては、まさに「北京から出ない」こと自体が問題なのである。ジャジャンクーの映画につねにただよう閉塞感をわかりやすいかたちでまとめており、これは万人にお勧めできる傑作。これまでのジャ・ジャンクーを見てない人にも強くお勧め。
製作はOffice
Kitanoでほとんど日本映画−−というかFILMEX製作みたいな感じなんで、たぶんFILMEXでお披露目になるんだろう。秋公開。
6/21(火)
『亡国のイージス』試写。試写開始の三〇分前には満員になってしまう超混み混み試写になんとか入れてもらいました。まあ経験的に試写がこれだけ混んでればほぼヒットは間違いないと思われるので、遠慮なく書かせてもらうと、どうも活劇的見せ所をすべてすっ飛ばしている映画という気がする。いちばん盛り上がるところが全部すっ飛ばされて次の場面になってしまうのだ。どう考えても阪本順治は意図的。
とはいっても十分面白いし、『ローレライ』なんかよりゃ全然上なんだけどね。手旗信号の場面には笑いました。
6/22(水)
映画を見るのも、妙におもしろい映画ばかり見てしまう時期と何を見てもつまらない時期とある。今回でいうと、『世界』を見てから脳内でシナプスが入ったらしく、どうもおもしろい映画ばかり当たっている気がする。
某映画の内覧試写。その後本田透@しろはたと『電車男』見に行く。本田くんと一緒に見ている時点で既にネタにする気満々だったりするわけですが、なんと面白かったんですよ。ケラケラ笑いました。
『電車男』って当初から、実話かどうかって議論があったでしょ?「電車男の時刻表」とかってサイトあったよね? あれはね、本当にくだらないことをしてると思ったよ。映画を見た人にはなんの疑いも残らないはずです。この映画自体が証拠です。エルメスは実在します……電車男の脳内に!
いやあ本当、これ映画で見るといかにありえない話かってよくわかるよ。最初から最後までひとかけらもありえない! はっきりそれを自覚して作っている点ですっごく面白かったです。
あとひとつ、メガネっ娘のドジ看護婦(国仲涼子)のいる病院、ここにだけは死んでも入院したくありません!
6/23(木)
新宿で久しぶりにTrash
Mountain飲み会。今回は篠崎誠監督とか中原昌也とか樫原辰郎監督とかほぼフルメンバーでわいわい騒いだ。気がついたらなんかライナーを書くことになっていました。
6/25(土)
『闇の映画祭』@有楽町シネカノン
平山夢明プレゼンツ、ホリエモンプロデュースで『「超」怖い話』原作の短編映画を五本作るというオムニバス作品。平山夢明、津田寛治、矢部美穂、石川均、快楽亭ブラックの五人が監督する。作品的にいちばんヤバいのは予想に反して矢部美穂監督の奴。「矢部美穂の妹とか母親とか出てるヌルいホームムービー」という説明を聞いて、誰があんなダークなものを見せられると思うだろう。ともかくヤバいです。グラビアアイドルの心の闇を見た気分。
快楽亭ブラックのは林由美香がヒロインの爆笑『四谷怪談』もので、ああ、林由美香をヒロインにするというのはこれが狙いだったか……と思っていたら、なんとな……
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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 /
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