運命のないぼくたち
6/9(月)
あ。
徳間ホールで『バウンド』。タランティーノ流の限定環境下での犯罪ドラマ。最近の若いののデビュー作では珍しくない。ひねりは、ファム・ファタールに犯罪に誘い込まれるのがレズビアンの女だというところだろう。出来は悪くない。「よくできました」だな。ただし、問題はこの後なんだ、ということは言うまでもあるまい。次に『トレインスポッティング』を作れるかが問題なのである。
終わってからパンフ製作にいそしむSくんと食事。『スター・ウォーズ』のパンフ製作に関係したいろいろな話を聞く。うう、書きたいけど書けないよお。主としてジョージ・ルーカスの心のスペースについての話だ。なぜ、パンフにはアカデミー賞を受賞した一作目の編集者のプロフィールがないのだろう、とか(笑)。
6/10(火)
午後、AERAから取材。最近はなんの準備もしないでいって、適当に鬱憤をぶちまけておしまいにすることが多い。今回はさすがにちょっと反省した。でも反省したのは終わってからだ。次の取材はもうちょっとちゃんとしよう、うん。ええと、中身は死体/殺人ものの流行について(と言えばなぜ気乗りしなかったのかわかってもらえるだろうか)。
6時。ヘラルドで『燃えよドラゴン』。試写室に行くと映画秘宝系のボンクラな人々がいっぱいいて大笑い。マニアは恐いのお。こないだテレビでやったとき見ているので、あまり久しぶりな感じはしませんでした。熊の手。そしてアーナ・カプリの巨乳。
終わってから六本木へ行き、フィリップ・ガレルの『愛の誕生』。ガレルは好きなんだが、これはちょっとうとうとしてしまいました。で、あとからパンフの再録シナリオを読んで愕然。この字幕ってひどいんじゃない? でもぼくフランス語わかんないからなあ。「ぼくらは運命を失ってしまった。あるのは目的だけだ」要再見。終わってからABCで山本直樹の『フレイクス』と諸星大二郎の『栞と紙魚子の生首事件』を買う。なんでって、いやその生首が・・・
6/11(水)
1時。TCCでシュワンクマイエルの新作『悦楽共犯者』。フェティッシュな快楽にふける人々のおはなし。それをフェティッシュな魅力たっぷりの人形アニメ、シュワンクマイエルが作るというところがミソ。まるでブニュエルのように崇高でバカバカしい。まるでビデオドロームのようにエロチック。なんだけどやっぱりビデオドロームは違うかもなあ、という気もした。やっぱりフェティッシュには触感は大事なんじゃなかろうか。
終わったあと「Aの愛人」とお茶。靴に酸を塗られて足が溶けてしまいました事件の話が笑った。
水道橋で髪を切ったあと、FutureBeeでRevisedイタ語版スターターをひとつ、運試しとして買う。あけてラッキー! 見事Taigaをゲットしたぜい。神保町で古本をちょっと買う。式貴士の短編集など。
その後『ロストワールド』の試写があると知って日劇まで出かけるが、「おとといおいで」と追い返される。悄然。なあに、特殊翻訳家なんてこんなもんすよ。
6/12(木)
夕刻、赤坂見附のメキシコ大使館へ。メキシコ映画祭のオープニング・パーティがあるので妻と一緒に出かける。メキシコで死線をくぐった仲間と再会して昔話に花を咲かすとか。ケイブルホーグの人たちやら、なんか偉そうな人とか来ている。メキシコ料理のスナックは美味しい。とくにコリアンダーのムースが絶品。ジェフ(仮名)から「車要らない?」と言われる。話聞いたら車検がない(とっくに切れている!)。そんなのゴミ以下じゃねーかよ。「ダイジョブだよ。いつも乗ってるけど、捕まったことないよ」やーそりゃーちょっとマズイんじゃないすか普通。
帰ってから日刊スポーツのコメントを送る。どうでもいい取材でしたー。
6/13(金)
1時、原書房のIと打ち合わせ。あー仕事しなくちゃー。それが終わってから3時、テレビ朝日来る。土曜日の夕方にやっている報道番組(『ザ・スクープ』だと思う)の取材であった。およそ2時間にわたって喋る。疲れたけど、考えをまとめる助けにはなったから、自分にとっては悪くない取材だった(できあがった番組がどうなるかは知らないけど)。忘れないようにメモ。
・首を切るとか脅迫文の文面とかはあくまでも殺人の表層に過ぎず、本質ではない。本質はあくまでも自分が認められないことに欲求不満を抱いていた一人のバカが目立とうと思って抵抗できない少年を惨殺した、ということ。表層の部分では大いにメディアからの影響を受けているかもしれないが、それが殺人鬼を生みだすわけじゃないのよ。
来週土曜日に放映。でもこうやって取材を受けるたびに、自分は物書きなんだと再認識するのだった。やっぱり前にさかのぼって訂正できないのって苦手。
6/14(土)
大森望に誘われて渋谷DCIでのシールド戦に出場する。5th+VI*2という話だったのに、着いてみるとMI+WL*2だった。ウェザーライトなんか知らないよお。とりあえず開けてみるが、クリーチャーが弱々で辛そう。Fatal
Blow(WL)が2枚あったんで緑赤黒というデッキで組む。緑のギルドメージで1ダメ飛ばし、Fatal
Blowで埋葬するという作戦だ。クリーチャーは3マナ2/2クラスの奴しかいないんで、巨大クリーチャーやフライングが出てくるとどうしようもない。
開始。と、いきなり連敗。2戦目はプレイミスで落としたんでとても悔しい。さすがにそこまで落ちるとなんとかなるようで、そこから連勝。しかし5戦目を落としてしまって、最後お約束のように勝ったんだが最終的には3勝3敗。うーん。どうしても5割の壁を破れない。まあ月に一度しかデュエルしないんじゃダメか。収穫は2敗して当たった女の子に「シャツが素敵」と言われたことだけだった(笑)
6/15(日)
ドナルド・ウェストレイクの"Baby, would I
lie?"を読む。かの傑作『嘘じゃないんだ!』の続編だ。いつ出るかわからないんで英語で読んでみました。ニューヨークの「この瞬間を生きるための雑誌」『トレンド』の特別プロジェクト担当記者こと「セックスで胆石を治す女」サラ・ジョスリンは殺人罪にとわれた大物カントリー歌手レイ・ジョーンズ裁判を取材するため、ミズーリ州ブランソンに向かう。だが彼女の担当編集者ジャック・インガソルはもっとでかい獲物を狙っていた。『ウィークリー・ギャラクシー』の内幕をスクープするのだ!
前作でおなじみの面々が大活躍、なんだけど、やっぱり『ギャラクシー』を敵役にするのは難しいような気がする。だって、あの滅茶苦茶な取材のやり口(ネタのためには盗聴・買収・潜入は当たり前!)はやっぱり圧倒的に楽しいんだもん。なお、早く日本語で読みたい人は木村仁良先生にメールを出すといいんじゃないでしょうか。
サッカー日本代表はトルコを1-0で撃破。中田はいいなあ。FWはやはり総合力でカズなのだろうか。秋田は手癖が悪すぎる。実際にファールしてるにしてもしてないにしても、「ファールしてるように見える行為」は慎むべきだ。あれじゃ、あぶなっかしくて使えやしない。小村カムバーック。
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Kiichiro Yanashita /
柳下毅一郎 / yanasita@gol.com