涙目で土下座
9/16(火)
時差ボケでダメダメな状態が続いている。NYからLAへ移動した時点でもすでに時差ボケていたくらいで、こんだけ移動するとどこでどうボケてんのかよくわかんない、みたいなー。しかも自営業だと時差ボケから直るタイミングがないのもちょっと困る。眠たくなったら眠りゃあいいんだもんなあ。
なんだがいつまでもそんなことばっか言ってらんないんで、そろそろリハビリ。1時半、ヤマハホールで『LAコンフィデンシャル』。エルロイ原作。うまいことダイジェストして、きれいにまとめている。思い入れたっぷりの余韻とかそういうのをわざと排除しているところがいい。ハードボイルドっていうとどうしても「男の美学」に走りがちなんだけど、それを切ってるところがハードボイルドだね。ただ、ダドリー・スミスはちょっとイメージ違いました。もっと男臭い感じかと思うんだが。
9/18(木)
1時、原書房のIと打ち合わせ。米国旅行で撮った写真を見せてもらったりとか。今度これスライドにして報告会でもやるか。墓の前でピースサイン出してる写真が鬼畜ですね。3時半、松竹で『ファングルフ』。タイトルからは全然わかんないけど、原題An
American Werewolf in
Parisで、つまり『狼男アメリカン』の続編。監督は『ミュート・ウィトネス(唖の目撃者)』のアンソニー・ウォラーで、これが長編第二作。前作で低予算ならではの頭をつかった映画作りを見せて、期待させた監督なんだけど……ぜんぜんダメでした。全然余裕がないみたいで、クソまじめなんだよな。よく勉強してるのはわかるんだけど、『ハウリング2』や『ウルフェン』を勉強されてもなあ。映画のあと、松竹富士の人たちといろいろお話。そーか『オースチン・パワーズ』やるですかー。
7時。歌舞伎町のルノワールで山形浩生と対談。「現代詩手帳」のバロウズ特集のためにおかま対談再びってことだ。お話はなごやかかつ適当に。なんか進行用の発言とかあってヤな感じ。山形相手に今バロウズの話をする必然性があまり感じられないので、どうも
わざとらしくなっちゃうのよねー。おまけに時差ボケで頭まわらないし。その後山形とタイ飯を食らう。NYのハッカー会議に出席した話など。しかしいちばん笑ったのはメディアワークスから出るalt.cultureの日本版で、山形が「SF」の項と「小谷真理」の項を書いたという話。またどうしてこう地雷がまわってくるかねこの男には。もちろん山形くんはSFクズ論争のことなど何も知らないのだった。
9/19(金)
明治大の刑事博物館でやっている「ヨーロッパ中世拷問展」に。「人間というのは弱くって、すぐ壊れてしまうものだ」という認識がまずある。したがって拷具制作者たちは「いかにして人間を壊さないようにほどほどに痛めつけるのか」ということを考える。つまり「活かさず殺さず」だ。この点に向けてありとあらゆる工夫がはかられる。想像するだに恐ろしいんだねえ。すげえ嫌なもの、いくつか。しばりつけといて足に塩水を染みこませ、足の裏を羊になめさせる。「肉がそげて骨が顔を出すころには、誰でも罪を自白した」あああ想像しちゃうよー。
秋葉原にまわってマウスを買う。
9/20(土)
木村くんと一緒に江古田のプログレ喫茶、フライング・ティーポットへ。『ジョン・ウォーターズの悪趣味映画作法』発刊記念イベントの下見。とりあえず10/19(日)ということで決める。詳細は後に、だが予定としては『ピンク・フラミンゴ』25周年バージョンをビデオ上映の予定。
仕事の話も一段落したところで、近所で家畜生活中の村崎百郎を呼ぶ。と、いきなり『GON』を渡される。「噂の三信半疑」(83ページ)のコーナーにぼくが出てるという。曰く
柳下毅一郎が某武闘派編集者に「そんなに死体が好きなら貴様を死体にしたろか?」とからまれ、涙目で土下座の噂
うわはははははは。だいたいこの武闘派編集者って誰だ? ひょっとして町山か? こういう笑えるデマは今後もどんどん流していただきたいので、なんか思いついた方はぜひ03-3267-4369までFAXを!
その後村崎の案内で江古田の古本屋めぐりなどする。『処女の熱き唇』(フランシス・レンゲル)と『トゥルー・ストーリー』を相場よりちょい高めくらいで買い、あと『キャンディ』(テリイ・サザーン)を4冊100円のコーナーから救出。
9/22(月)
2時、小学館。来年だかに作るという人名辞典についての予備打ち合わせ(企画がとおってないから正式な打ち合わせになるかどうかわかんないんだって)。歴史的重要性より現代欧米カルチャーを理解するために必要な人名を並べる、という趣旨らしい。おもしろそうなんで快諾。
その後フォリオで青土社の編集者と会って『ジョン・ウォーターズの悪趣味映画作法』見本を受け取る。リクエスト通りピンクのフラミンゴをちゃんと表紙にしてくれたんでまあ満足だ。本屋には今週末くらいに並ぶはずとのこと。これが売れたらトッド・ブラウニング伝記とかも出せるかも、なんで是非みなさん買ってー買ってー
9/23(火)
UAE戦とカザフ戦に一応並んでみる。まー参加することに意義があるっていうんですか? それにしてもサッカーでこんなに切符が取れないことがあろうとは。メキシコ予選もスペイン予選も行ったオレなのに。今回の予選は全部テレビ観戦ということに決定してしまったのだった。
9/24(水)
やる気がないので試写をさぼって家でうだうだ。6時、早稲田の『バチェラー』編集部へ。洋もの巨乳専門誌『バチェラー』から「なんか書いて」と依頼があったのだった。もちろん快諾していそいそと出かけ、打ち合わせ。「マンスフィールドとかにしようかなー、うーん」とか悩んでいたが、ふとパム・グリアーのことを思い出す。「そーだパム・グリアーにしましょう」ということで年末からとりあえず3回?連載。でもこの時期にはじまるのってちょっと面倒かも。立て続けに2本入れたと思ったらすぐ休みになって、年が明けたらおしまいってとこが。まーでもエロ本に原稿書くのは男のロマン! なんたって堂々とエロ本送ってもらえるってのがいいよね。
9/25(木)
2時、『Saturn
Magazine』から取材。トレーディング・カードについて。自分の立場はわきまえてますからフリーク・カードとか殺人カードとか死体カードとかお墓カードとか出してきてひととおり説明する。取材に来たのが昔の同僚だった美女こと「Aの愛人」だったもんでびっくりとか。
『スタジオ・ボイス』から電話。「あのー日韓戦の観戦記書いていただきたいんですが」ラッキー!「行かれますよね?」スタジオ・ボイスごときが切符を手配できると一瞬でも思ったオレがバカだったよ。あのねー、テレビ観戦で観戦記書く阿呆がどこにいるわけですか? 切符が用意できたら電話くださいよ。でもダフ屋から買う金はないだろうね。普通それくらいなら先に原稿料払うもんな。
『嫌われ者の記ーエロ漫画業界凶悪編集者血闘ファイル』(塩山芳明 一水社)読む。今頃……と言いつつ10月には単行本第二弾が出るみたいだからタイミングとしてはいいかも。噂通りなかなか読ませる。大笑いしたのは著者の下で働いていた編集バイトがなんと元毎日新聞映画記者・松島利行氏の息子だったという話。つまりこの家庭崩壊の元凶になった愛人というのは……
夜、「佐川さんの使いの者」なる者から電話。なんかイベントへの出演依頼をされたが、何をすればいいのかよくわからないので断ってしまう。むしゃくしゃしたので中原くんに電話してムダ話。
9/26(金)
『エスクァイア』の締め切りなんだが全然原稿進まず。『LAコンフィデンシャル』なんかにしなきゃ良かった。考えれば考えるほど、原作の方がおもしろかったという気がしてならない。むしゃくしゃする。
6時。帝国ホテルで江戸川乱歩賞受賞パーティー。日韓戦のために上京してきたコナリー古澤、SFオンラインの堺先生、大森望らもっぱらSFの人たちとお話する。その後カフェと焼鳥屋でしばらくムダ話して帰宅。12時半。
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Kiichiro Yanashita /
柳下毅一郎 / yanasita@gol.com