◎今月のお仕事 『バットマン:ダークナイト・リターンズ』(フランク・ミラー 小学館プロダクション) 5/27発売予定
BWIで車を借り、フリーウェイを時速40マイルのおばあちゃん運転しながらかろうじてホテルにたどりつく(途中、縁石に乗り上げてバックしようとしてパトカーに止められたが、こっちがあんまり情けなかったもんで勘弁してくれた)。疲労困憊。もう外に食べに行く気力もなく寝る。
あわててホテルに戻り、NYから来るカメラマンと合流。すぐにディヴァインのお墓参りに出かける。場所はボルチモアの北、ホテルの近く。ちっちゃな墓地なのでじきに見つかった。なんと墓石には真っ赤なルージュのキスマークがついていました。
そのまま迎えのバンに乗ってジョン・ウォーターズ邸へ。もちろん住所や外観については極秘事項なのでここに書くわけにはいきませんが、ボルチモア北の閑静な高級住宅地です。ウォーターズ、だいぶブルジョアな感じ。およそ1時間半にわたりたっぷりくだらない話を聞かせてくれました。この顛末は現在進行中の極秘プロジェクト(ってバレバレですな)にて発表されることでしょう。ウンコ食べに行ったって言ったらメチャクチャ受けて、ウォーターズったらその場でパット・モーランに電話して「今ぼくの翻訳者が来てるんだけどさ、なんか君の昔の家の前に行ってきたんだってさ!」とか言ってました。あと家の中を案内してくれたんですが、見るもの全部なんだかわかる(「あ、これはひょっとしてテックス・ワトソンからプレゼントされたおもちゃですね」とか)んでウォーターズに受けまくり。生きててよかった。
マーブル夫婦が住んでいたところに寄って帰宅。飯食って寝る。
そのままドライヴでフィラデルフィアに向かう。フリーウェイを飛ばすことおよそ2時間で古都フィラデルフィアへ。とりあえずということで予約していたモーテルに向かうが、言われた住所にあったのは看板も出てない朽ち果てた建物で、仕事もなさそうなホワイト・トラッシュどもがひなたぼっこをしている。あまりのヤバさに即座に逃げ出し、ビジター・センターで紹介されたホテルに泊まることにした。ここはベッドルームとリビング、キチネットまでついたスイートで89ドルという異様な安さ。やっぱり首吊りがあったとかそういうことでしょうか? 残念ながら何も見られなかったけど。
ところで、この日ぼくはMutter Museumを訪れるということもあってRe/Search特製のチンポ・ピアスTシャツを着てたんですが、それを町山が嫌がる嫌がる「俺までゲイだと思われるじゃねーかよ」とか言うんだけど、まったくホモフォビアな奴は困るよなあ。あまりうるさいんでホテルでシャワーを浴びてシャツを換える、とかしてたら美術館に行く時間がなくなっちゃった。しょうがないから(いや、しょうがなかったんですよ、あくまでも)アメリカ版アンミラとも言われている巨乳ファミレス「フーターズ」へ出かけてウェイトレスを堪能……したようなしなかったような。そしてその後は(検閲されてしまったんで以後不明)
マンハッタンに戻り、町山妻と落ち合ってチャイナタウンで食事。ソフトシェルがうまかった(ちょっと塩っぱかったけど)。その後ボイスの広告につられて"Let's Kill All the Lawers"という映画を見に行く。「弁護士が世の中に不和をまき散らしている!」という宗教を奉じるニューエイジ系姉ちゃんが弁護士を誘惑しては殺していくブラック・コメディ……と書くとおもしろそうなんだけど、まるっきり学生映画でした。疲労も重なって結構寝る。
お参りもほどほどにしてまたマンハッタンに戻ってくると、3時から49丁目の劇場でクエンティン・タランティーノが出演している芝居『暗くなるまで待って』のマチネー公演。芝居の評判はさんざんだが、タランティーノ人気のおかげで劇場は超満員。タランティーノくん劇評はさんざんでしたが、そんなに言われるほどひどいとは思わなかった。だって、演技する場面ほとんどないんだもん。最初から最後までアーとかウーとかうなってるだけなんだよお。まあ評価すべきポイントもほとんどなかったですが、それならあいこでしょう、ってよくわかんないけど。終わったあとは劇場外でサインに応じるサービスぶりでした。
その後は海から6時間というド田舎に住む町山夫妻のリクエストに応じて日本食を食いに行く。なんかNYに来るたびに日本食レストランに来ているような気がするんですが気のせいでしょうか? NY在住の翻訳家梅沢葉子様も加えてあやしい寿司を食いまくる。
夜、ロウアーイーストに住むカメラマンのところへ行ってボルチモアの写真を受け取り、食事。飯を食ったのはソーホーの料理屋デ、タイビーフンとベトナムの生春巻きとインドネシアのカレーが出てくる謎めいた店。「何これ?」って聞いたら「パン・アジアン」だって。最近流行ってるらしい。
10時からアンジェリカで"The Butcher Boy"。ニール・ジョーダンの新作で、バッタ人間に侵略されていると思いこんで近所のババアを虐殺する電波系ハイパーアクティブ悪ガキの話。アイリッシュなまりがきつくて何いってんだか全然わかんなかったけど、それでも十分おもしろかった。電波受けるところの描写が妙にチープなのにひかれる……のは『乙女の祈り』と一緒かも。
ビレッジをうろついて鞄を購入。まだ買い物するつもりだったが、いささか疲れたので早めにリンカーン・スクエアのバーンズ&ノーブルへ行き、カフェで原稿を書く。なんか日本人をやたらと見かけるんだけど……これは早めに劇場に連れてこられたものの行き場がなくて困っているゴジラ組ではなかろうか? とりあえず6時半くらいになったんで劇場へ。ロビーでばったり堺三保と出くわす。ところで堺はまるっきりの偶然だと思っていたようだが、ぼくは日本からのゴジラ組がここに来るのは知っていたわけで、その点ではなかば確信犯なのだった。で、まあ映画なんですが……とりあえずエスクァイアに書いた奴を再録しとくか。あとTVBros.、ぴあ、SFオンラインなど持っているありとあらゆる媒体で原稿を書いた。元は取ったかな。終わったあと堺、ぴあのY、映画ライターのKと会食。おしゃれな店だったが、ぼくはフォクシー・ブラウンTシャツというなんかこう嫌な感じなのであった。