赤本購入

◎今月のお仕事 『サンドマン#3 ドールズ・ハウス』(ニール・ゲイマン インターブックス)発売中
        処女映画評論集『愛は死より冷たい』(洋泉社)発売よ!
        8/29-30 第37回SF大会CAPRICON1でいくつか企画を。         


8/15(土)
 LAのお友達瑪瑙ルンナが家庭の事情で来日。古本チェックをしたいというので神保町めぐりをつきあう。でも、神保町ってどこも高くってあんまし本を買う気にならないのである。古書センターで『蒼白き裸女群像』(橘外男)を買わせたりしたが、久しぶりに神田を歩いても特に買う気になるものなし。わずかに『毛沢東語録』を500円で買うのみ。これ、前から欲しかったんだよね。これ持って『中国女』見に行くしかないでしょ、やっぱり。

 だらだらと水道橋に向かって歩きながら何軒か中古ビデオ屋を覗く。ダイアン・ソーンのアラブの奴があって欲しかったんだけど、なんか6000円もするんでなあ、そんな金は払えねえよなあ。結局バクシーシ山下のビデオを2本ばかり買う。


8/16(日)
 世間の人と同じように、ぼくも東京ビッグサイト方面に出かける。12時半ごろ会場につき、東ホールを中心にダラダラと見てまわる。今回は(も?)案内を兼ねているので、わりと関係ないところをダラダラ見てたりして。買ったのはストップモーション・アニメマニアの人の雑誌と空耳の本。あと『狼女の香り』のエピソード集など。なぜかは知らねど、〈赤瀬川源平資料〉として『千円札裁判の記録』というのがあったので、これも買う。これ読んでて思ったんだが、やっぱ××裁判の記録ってのを作ってコミケに参加……

 西館へ出かけ、インターブックスのブースで『サンドマン』の3巻を受け取る。わりと入稿がぎりぎりだったので気になっていたのだが、完成したのは8/13だって! そんな、同人誌じゃないんだからねえ。コスプレを見ようと思ってコスプレ広場に出かけたときはもうすべて終わっていたのことであるよ。帰ってすぐ寝る。


8/17(月)
 J・G・バラードの"Running Wild"(東京創元社)の解説をダラダラと書く。なんか不調でちっとも進まず。
8/18(火)
 1時、ワーナーで『シティ・オブ・エンジェル』。ニコラス・ケイジ主演の『ベル天』リメイクものである。まあ『ベル天』よりゃマシっていうか。仕事につかれた30代独身女のヒーリングものっていうか。それにしてもケイジみたいに男性ホルモンが濃い(胸毛もじゃもじゃ、額ひろびろ)タイプは、世の中でもっとも天使から遠い存在であるような気がするんだがねえ。どうでもいいんだけど、名前が「セス」というのはどうもブランドルフライを思い出してしまって……

 終わると急いで東和に出かけて『ザ・グリード』。なんか久しぶりに東和イズム全開の映画で楽しい楽しい。いや実際、『タイタニック』なんかより全然おもしろいよん。なんたって巨大怪物も出てくるし、船の造作はびょこびょこ飛びまわるし、ヒロインは梅宮アンナそっくりだし。ちなみにこの映画の邦題として『ザ・デビス』というのが検討されていたらしいというのは内緒だ。

 江戸木がいたので、そこで拉致して一緒にお茶の水へ。秘宝の田野辺くんと待ち合わせだったので、ついでに3人で飲む。実は江戸木は秘宝の原稿をうやむやにして逃げようとしていたらしいのだが、ぼくのせいで逃げ場をなくしてしまった。すまぬ。というわけで本日見本ができあがった処女映画評論集『愛は死より冷たい』(洋泉社)をおみやげに進呈する。ところで『ムトゥ』も『プルガサリ』も大ヒットで、さぞかし左うちわかと思われた江戸木だが、なんか今にも過労死しそうな状態だったよ。


8/19(水)
 『疾風魔法大戦』(トム・ホルト 古澤嘉通訳 早川文庫)届く。
8/20(木)
 『HEAD+』の編集部からメールが来ていたが……いやもうかなりとんでもない感じでしたわよ。ま、好きにしてって感じ。とりあえず次号はコラムなしだが、じゃあその後載るかっていうとどうかね……
8/21(金)

 2時半。BACHELORのOと待ち合わせて記念号用プレゼントのポルノスターミニ写真集をあげる。3時半から松竹で『ワイルド・マン・ブルース』。ウディ・アレンのヨーロッパ演奏ツアーを追いかけたドキュメンタリーで、ウディの性格破綻者ぶりがイヤになるほど味わえる。もう本当に嫌な奴なんですよ。完全にイジメられっこタイプですな。で、ムーランみたいな(西洋人が描くステレオタイプの東洋人、の意)顔したスンイーとラブラブしてるシーンもいっぱいあってすごいです。まあここまで破綻してるとちょっと尊敬かも。
8/22(土)
 渋谷DCIでMtGのシールド戦。TE+SH+EXで、開けるとSoul Warden、Master Decoy、Mounted archer、Soltari Championと白の嫌らしいクリーチャーがいっぱい。というわけで白緑黒の粘りまくって墓場回収シャドーデッキに決定。不安点はフライングに弱いのとパーマネント除去が何もないこと。結果は3勝2敗であるいは決勝も……の第6戦に何もできずに完敗。負け試合を分析すると、やはりマナ比の判断がちと甘かったかも。プレイミスで落とした試合はなかったと思うんだが(プレイミスがなかったわけではない)。ところで、まあ公式戦だから当然なのかもしれないが、DCIではどんどんフランクなプレーが許されなくなりつつある。妙に緊張するばかりでおもしろくねーよ。ちなみに大森望はさっさと3敗して途中棄権でしたとさ。ま、ポイント抜く日も近いな(笑)。

 終わったあと、最終戦の相手とデュエルしたりする。ところでデュエルしながら気づいた(彼はイラクサゲドン、ぼくはメダリオンブルー)んだが、MIブロックが抜けると緑と青は死ぬほど弱くなってしまうのだった。やはりこれからは黒の時代らしいよ。


8/24(月)
 GAGA『イン&アウト』『フィラデルフィア』のトム・ハンクスの受賞スピーチの相手が実はカムアウトしてなかったもんで大騒ぎ……お話は後半腰くだけ(だって、勝手にアウティングする人間が、わざわざ騒ぎを鎮めに戻ってきたりはしないよな)なんだけど、そんなに不愉快じゃないんで許そう。それに頭が良くて洗練されていてファスビンダーやラクエル・ウェルチが好きな男にとってはあまり他人事じゃない映画だったりして。
 忌々しいのは字幕で、別にゲイとなんの関係もないことを全部ホモがらみにしてしまう。「なぜ3年も婚約期間をおいたかということですが……彼がアカデミー候補になるまで待とうと思ったんです。それなら安全だと思ったから」と言ってるのを「彼がアカデミー候補になるまで待とうと思ったんです。別にホモじゃないですよと字幕をつけるセンスはなんというのか……わかりやすくしてるつもりかなあ。でもホモフォビアックになってるんですけど。
 ちなみにGAGAの試写室は駅から遠い上にいったい全体映画の仕事をしてるんだかなんだかよくわかんない人たちに占領されていていつ行ってもとっても不愉快。今日も最初から最後まで、のべつまくなしにケタケタ笑ってる奴がいて非常に不快だった。

 終わったあとABCで『誰も知らない名言集』(リリー・フランキー 情報センター出版局)、『善人はなかなかいない』(フラナリー・オコナー 筑摩書房)、『フェルマータ』(ニコルソン・ベイカー 白水社)、『筑摩世界文学大系・ジョイス&オブライエン』買う。どれも以前から読もうと思っていて買いそびれていた本ばかり。でも、この中でいちばん天才なのはリリー・フランキーかもしれない、と思った。 


back to INDEX Diary INDEX
Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / yanasita@gol.com