ホントに出るんか、この本
◎今月のお仕事 『車掌#18』41大特集では柳下家の秘密がすべて暴かれる!
町山とのゲイ的愛憎の発露(笑)『ファビュラス・バーカー・ボーイズの地獄のアメリカ観光』洋泉社より12/18発売!(マジ?)
12/1(火)
三和出版から『お尻倶楽部Jr.』送ってくる。書評が載っていたのでウッチー(はーと)が送ってくれたらしいよ。いやあいつ見てもアツイなあ。あと『殺しの幻想』(ヒラリー・ボナー 二見文庫)、『電撃アメコミ通信』(メディアワークス)届く。『電撃アメコミ通信』には『サンドマン』のコラムを書いたんだが、メールで送ったらシグナチャー部分まで原稿と思われてしまったらしくて、デザインに使われていた(笑)
5時ごろ、代々木上原のPLANKで『地獄のアメリカ観光』の文字校やる。使ってはいけない写真が一点使われていたことが判明、急遽差し替え。間に合うんかいこんなんで。
12/2(水)
1時。GAGAで『ウェディング・シンガー』。久しぶりに「ご本人さまですか?」攻撃を食らってしまった(笑)。町山が「いやあ、オレは好きだけど」と妙に腰の引けた誉め方をしていた映画だが、オレも好き。きみには勧めないけど(笑)。なんか、妙な野心を持ってないところが嫌みじゃなくていい。いずれにしても30代しかわかんない映画だな。昔聞いてた曲がいっぱい流れる(歌詞が全部ギャグになってるんで、せめて曲名くらいはわかるようにしましょう)んで、ま、それだけでも。「The
Cure風の曲なんだ」とか。サイケデリック・ファーズって好きだったっけ。
お茶を一杯飲んでからFOXで『ワイルド・パーティ』。これは来年リバイバルされる予定なんで、そのためのフィルム・チェック試写である。フィルムはひどく褪色していて、ふりだしに戻れって感じ。でも、映画はやっぱり何度見ても傑作である。ともかく面白いのだ。中原昌也とケイブルホーグのNとお茶するが、もう本当に悪い奴だね中原ってのは。ABCで『ウィルソン氏の驚異の陳列室』(ローレンス・ウェシェラー みすず書房)買う。みすずの本買っちまったぜ。これはLAにある妙な博物館〈ジュラ紀技術博物館〉に関するルポのような小説のような本。一読の価値はある。昔一度行ったことがあります。
その後PLANKで『地獄のアメリカ観光』の文字校やるが、終わったと思ったところで文字打ちのミスがあるレイアウトを発見。急遽レイアウトやりなおし。帰宅2時。ねえ、これ本当に間に合うの?
12/3(木)
ホソキン氏が12/1付けで11/28の発言に対するコメント。
柳下さん、映画『アルマゲドン』がダメダメ君だなんて、素人でも劇場で10分も見れば分かるようなことを言っちゃいけません。プロの批評家なら、あの映画をいかに誉めるか、でしょう(淀川さんの名言は「オレはどんなクソ映画でも誉められるぜ」って意味だと解釈してます)。
ではーーとお聞きしたいところだが、商業誌で金をもらっている原稿で、『アルマゲドン』のどこがどうダメかをきちんと語っているものがどれだけあるだろうか? ほとんど皆無、というのが実状である。実はプロの映画批評家は『アルマゲドン』を口をきわめて褒めたたえているんだよ。
なぜ、プロの批評家は映画をけなせないのか? ひとつには、彼らが愚かで、映画のどこがどう悪く、どこがどう優れているかが判断できないからである。信じられないことだが、これは事実だ。あるいは、ホソキン氏のように「けなすくらいならマイナーな映画を誉める方がいい」と考える編集者が多いからでもある。そしてさらに、最大のものとして、映画評論家は(ひどく狭い)映画業界の中で生きる業界人だからだという理由がある。ある映画をクソミソにけなして、それでその映画会社/宣伝マンとの関係が終わるわけではない。また次の映画に行かなければならないし、そこで「勘弁してくださいよー」と言われたら、手心を加えずにいるのは難しい。評論家だって人間だから。それにま、映画会社と仲良くしとけば利権もあるしね(笑)。
ホソキン氏は「けなすだけなら素人でもできる」と書いた。そうではない。けなすのは素人の方がずっと易しいのだ。プロとして映画を非難しつづける方が、はるかに情熱とエネルギーを必要とするのである。だいたい「大森望は友達が多すぎて本をけなせなくなっている」と非難したのはホソキン氏ではなかったか?
送本。『ダスト』(チャールズ・ペレグリーノ ソニー・マガジンズ 白石朗訳)届く。もーどーなってるんですかねえ白石工房は(笑)。オレにもあの才能が欲しい。百分の一くらいでいいから。
今日もPLANKで『地獄のアメリカ観光』の文字校。今日は表紙に洋泉社の偉い人からクレームがつき、そんなんやったらレイアウトいちからやり直しやんかー。帰宅12時。本当に12月中に出るんでしょうか!?
12/4(金)
送本。『20世紀のアダルトビデオ』(アスペクト 中野監督が送ってくれたのかな?)と『悪得インターネット』(オークラ出版)。『悪得〜』はしばさんが送ってくれたもの。この場を借りて、お礼を申し上げさせていただきます。
午後一で校正が出てPLANKで『地獄のアメリカ観光』の文字校。(ここら辺コピー&ペースト)。すでに異常なレイアウトも文字打ちミスも慣れっこなので慌てず騒がず適当に切り張りしていく。で、夕方になって表紙の色校が出た。見て、一同唖然。こ、これ……真ん中に立ってる女の人、すごく生々しくない? すげえエロい、しかも安い感じの色気(笑)。さらにレイアウト全体からただよってくるチープなやっつけ感。これ……エロ本みてえだよ!と言ったらタノベくん「キョービはエロ本でももっとお洒落ですよ」いやもっともなんですけど、そんなんあり? ピ、ピンクチラシになっちゃったんですけど。ちょっと親兄弟に、いや奥さんに見せられない本になっちゃいましたよー。
町山は泣きながらアメリカに逃げていったという。もう12月中に出ようが出まいがぼくは知りませーん。
12/5(土)
昨日はちょっと書きすぎた。実は泣いて仕事をしているのは表紙デザインをやりなおしている宇川くんで、町山は脱力してヘラヘラ笑っていた。
夕方になって町山から電話。やはりあのエロい女の人(撮影ラス・メイヤー)をなんとかせにゃならんだろーってことになったんで、女を差し替えることになる。差し替え〜てんでその材料を探してうちじゅうのグラビア雑誌をひっくりかえす。こんなことで本当に間に合うんですかね。7時ごろ田野辺くんが来て、素材をいくつか持って宇川くんの仕事場に消えた。まーFBBなんかにかかわってしまった身の不運を恨みたまえって本当に可哀想だなあ(まるでひとごと)。
『翻訳の世界』のベスト10送る。ちゃんと読んでいない本もあるけれど、どれがどれかはひみつ。
- 『クルーグマン教授の経済入門』 ポール・クルーグマン 山形浩生 メディアワークス
- 『ウォッチメン』 アラン・ムーア&デイヴ・ギボンズ 石川裕人、秋友克也、沖恭一郎、海法紀光 メディアワークス
- 『フリッカー、あるいは映画の魔』 セオドア・ローザック 田中靖 文藝春秋
- 『キリング・フォー・カルチャー/殺しの映像』 デヴィッド・ケレケス&デヴィッド・スレイター 菊池淳子、とちぎあきら フィルムアート社
- 『殺す』 J・G・バラード 山田順子 東京創元社
- 『ホーリー・ファイアー』 ブルース・スターリング 小川隆 アスペクト
- 『くたばれハリウッド』 ロバート・エヴァンス 柴田京子 文藝春秋
- 『ゴダール全評論・全発言』 ジャン・リュック・ゴダール 奥村昭夫 筑摩書房
- 『死刑執行人の歌〜殺人者ゲイリー・ギルモアの物語』 ノーマン・メイラー 岡枝慎二 同文書院
- 『少年十字軍』 マルセル・シュウォップ 多田智満子 王国社
12/6(日)
先週何もできなかったんで、ちょっと仕事しなきゃなーと思って作業をする(気分が乗らなくて全然進まない)。夜、田野辺くんから電話が。「喜んでください! 作業は順調に進んでこのままいけばなんとかなりそうです! でも、そのかわり『キラー・コンドーム』のチラシのレイアウトがストップしてしまったんでアルバトロスのKが狂乱してます!」なんかどんどん広がる不幸のわっ!って感じだなあ。ま、みんなこれも恐怖の大王がアメリカから帰ってきた祟りだと思ってあきらめてください。ぼくはもう覚悟を決めましたから。
12/7(月)
レイアウトの修正(というか完全なやり直し)は完了。どうやら入稿された(FBBのライター生命も首の皮一枚つながった)。これで発売日がずれないってのがすごい。印刷屋さんってすごいんだなあ。しかしそれで町山の脅威が終わったと思ったら大間違いで、今度はBOXのオールナイトの件で電話が。そんなもんBOXにやらせえ、と言って重荷をどっかのだれかに押しつける。あ、今気づいたけどオレのやってることって全部それだな。重荷を他の誰かにまわすプロ、みたいな(笑)。
12/8(火)
Esquireのコメディ特集でサタデー・ナイト・ライヴ座談会をやってくれと依頼されてしまった。で、恵比寿のEsquire編集部に出かける。出席者はみうらじゅん、みのわあつお、「TVtaro」の編集者(SNLオタク)。まあ、わりと人の話を聞かない人ばかりっつーか(笑)。みうらさんが入ると当然と言えば当然なのだがみうら流の話にしかならない。今回も「モテナイ映画」の話とかで、ちっともSNLの話題にならなかったんだけどいいんでしょうか?「今後期待されるコメディアン」がレスリー・ニールセンだったりとかして(笑)。オラ知らね。
12/9(水)
『地獄旅』をめぐる地獄旅行もいよいよ出口が見えてきたのだろうか。今日は青焼きが出て、直しのチェックをして戻すだけ……のはずだったんだけど、いざ写真が入って出てきた青焼きは問題続出。ちょっとデザイナーの人に聞きたいんだけど、ただ段組みして見えるように写真を置いていくレイアウトってストレスのたまるものなのかなあ。余計なことしないで、当たり前のことやってくれればいいんだけど、写真の内側にスペースを取って、無理矢理写真を外に押し出して断ち落としで使う、みたいなレイアウトばかりでお手上げ状態。しょうがないんでコピーして当たり取ってー縮小かけて写真サイズを変更ーみたいな作業に没頭する。いやーこんなことやるの編集時代以来だよ。町山め「いやー柳下が編集者上がりで助かったよー」とかおためごかしを言っとったが、そんなんで済むかボケ! 結局6時間ほど拘束され、予定していた忘年会には行けずじまい。
仕事する気にもならんので日記書いてウェブサーフィンとかそんな感じ。
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Kiichiro Yanashita /
柳下毅一郎 / yanasita@gol.com