ボルシェヴィキの国における異常な冒険

◎今月のお仕事 『ファビュラス・バーカー・ボーイズの地獄のアメリカ観光』洋泉社より絶賛発売中!
        12/31は恒例年越しオールナイトBOX東中野 紅白は大スクリーンで!


12/17(木)
 Blast BooksのKen&Lauraを案内することにして新宿・紀伊国屋前で待ち合わせ……したが30分立っても来ない。もしや……と思っていたら、やはり高島屋前にいたことが判明した(笑)。

 二人を連れてタコシェをはじめ、中野ブロードウェイのオタクマンションを案内してあげる。まーなんか喜んでたみたいでよかったよかった。いちばん受けてたのはロボコンのビデオでしたが。タコシェではねこぢるグッズなど買っていた。やっぱあの絵柄は国境も言語も超越したものらしい。やっぱ可愛いのがいいよね!というんで変丸の画集をプレする(笑)。その足で渋谷に行き、根本敬と引き合わせる。実はBlast Booksではガロ系コミック・アンソロジー"Comic Underground Japan"などという本も出している(根本敬の短編も翻訳されている)ので。たまたま『地獄観光』をもっていたせいもあって、そっち方面の妙な観光の話などしてもりあがる。なお、根本再編集の『神様の愛い奴』AV版は来年3月ビデオ・リリース予定とのこと。TSUTAYAにも並ぶとか(笑)。

 6時半からNFTで妻の演奏。今日は『ボルシェヴィキの国におけるウェスト氏の異常な冒険』。ソ連製のウェスタンである。ソ連の連中もアメリカ映画が好きだったんだなあ、というのがよくわかる珍品。


12/18(金)
 終わったと思っていた年末進行がまだ一本あったことを思い出した。で、ちょろちょろ書く。
12/19(土)
 NFTでアルフレッド・ヒッチコックの『農夫の妻』。今日は弁士・澤登みどり付き。澤登人気で満員御礼、演奏の方はおまけみたいなもんだった。

 終わってからアテネ・フランセの映画忘年会に向かう。今年はイスラエル人のアモス・ギタイ監督がゲスト。ほか黒沢清とか塩田明彦とか青山シンジとか篠崎誠とか、アテネ系のインテリな映画監督&評論家が来ている。あ、評論家ってもともとインテリな職業だったのか。どうも秘宝近辺にいるとそういう気がしなくなってくるんで困る。
 まあこういう機会でもないと会えないインテリな人たちに挨拶する。コーディネーターのTさんからケイブルホーグ絡みの血も凍るような話を仕入れるが、あまりに恐ろしいのでとても書けない。まあ、世の中まだまだ奇怪なことは多いんだなあってことで。


12/20(日)
 ところで、ボルシェヴィキの国でのぼくの不思議な冒険を見たい人はここへ。
12/21(月)
 いちんち仕事。海外に注文していた本が届いたが、欲しい本は来ないでどうでもいい本だけ来た。実は今、モルモン教がらみの犯罪について研究している。
12/22(火
 3時、洋泉社で町山と対談。『映画秘宝』のベスト10特集用。ぼくは『スターシップ・トルーパーズ』派で、町山は『プライベート・ライアン』派なんだが、結論はどっちもボンクラであることに変わりはないってことで。

 ぐだぐだ喋っていたら遅くなってしまった。NFTでの妻の演奏に慌てて走る。6時半から29年のドイツ映画『アスファルト』。ベティ・アマンが美しいメロメロのメロドラマ。なんだけど一応ドイツだから表現主義っぽくて、ものすごくいびつな形の階段とか出てきて笑える。場内大盛り上がり大会でした。


12/23(水)
 仕事。
12/24(木)
 イブだね。ふーん、みたいな。出版記念パーティのときに川勝さんからいただいたMoetをあける。美味しゅうございました。
12/25(金)
 洋泉社で年越しオールナイトの打ち合わせ。『秘宝』アーンドBOX東中野のO氏。でも仕切るのは町山。なんか町山的こだわりがいっぱいあって、その細かいのをいちいち潰さないといけないんですが、きっと当日になるとなんか忘れてることが出てくるぜ。まあ上映作品も決まって(一本は秘密だけど、実はこいつがいちばんのお勧め品)、あとは本番のみ。今年はわりとチケット売れてるみたいですな。なんか大阪や北海道から切符予約している人もいるらしいんですが。そんなにヒマなの?

『ボルシェヴィキの国におけるウエスト氏の異常な冒険』@NFT。さすがに二度目になると安心して見ていられる感じ。なかなかいい出来だったんじゃないでしょうか。終わってからフィルムセンターの忘年会に誘われ、顔を出す。と、高野悦子名誉館長様がいらっしゃるではないか。「わたくしは、日本が素晴らしいのは日本の文化が素晴らしいからだと思っています。日本のすばらしい文化、すばらしい映画のために、これからもみなさんのお力をお貸しください」へへーっ(一同平伏)。


12/26(土)
 三茶のパブリック・シアターで『ふくすけ』見る。滅多に芝居なんて見ない人間なんだけど、今回は松尾スズキのお誘いを受けたもんで、はい。中身は薬害で奇形に生まれついた「フクスケ」が世界に復讐をくわだてようとするお話(自己流に要約しすぎだ)。おもしろかったです。芝居という形式は物語に回収されやすいものなのだろうか、などと思う。

 渋谷で『バチェラー』のOと待ち合わせ。『地獄観光』のプロモーション用インタビューを受ける。もっぱらラス・メイヤーの話中心に。

『夢のなか』(宮崎勤 創出版)、『6月の軌跡』増島みどり 文藝春秋)、『モンスターの眠り』(エンキ・ビラル 河出書房新社)買う。『6月の軌跡』は傑作、泣けるなあ。それにしても、このメンバーの中でいちばんの求道者が相馬だったなどとは誰が思うだろうか。そしてパシリが森島だったなどとは(笑)。


12/27(日)
 年賀状製作。手差しのプリンタで一枚ずつ刷ってくので、一行翻訳しては横に手伸ばして葉書を口に差し込む作業のくりかえし。で、一日終わった。でもプリントゴッコで300枚刷るのに比べりゃあだいぶんと楽になりましたな。
12/28(月)
 iMac届く。妻用に買ったものなのだが、はたして正月前にセットアップできるかどうか(笑)。

 下北沢でeiga.comの忘年会。出席者はeiga.comから二人。あとフリー編集者と映画ライター数名と某社の編集者の人。焼き肉を口から出そうになるくらい食う。話題は多岐にわたるが配給会社の淀川番の話がいちばんおもしろかったかね。まあ、みんな苦労しているのである。体を張って。あと、よくパンフに原稿書いてる映画ライター兼女優(笑)のY(夫はイラスト描いてる)ってなにもんだ!みたいな話。「いや悪い人じゃないんです」とかいう奴がいるんだけど、悪い人じゃなかったらバカでモノ知らずで文章がつまらなくて新しい発見が何もなくても原稿を書けるのか! ページをもらえるのか! と悲憤慷慨(まあ、八つ当たりともいう)。帰宅12時半


12/29(火)
 アメリカから小包。Blast Booksの恩返しで、本の詰め合わせセットを送ってくれる。あと、講談社から白石朗翻訳本(『多重追走』 ウィリアム・バーンハート)が! いったい何冊訳せば気がすむんだろう!? こっちが読むより早いんですけど。
12/30(水)
 コミケ、行こうかと思ってたけど、目が覚めて、飯食ってたらもう1時だった。で、面倒になっちまったんで、ヤメ。

 今日が誕生日。これで四捨五入して40という奴である。別に珍しいこともないまま終わる。


12/31(木)
 BOX東中野年越しオールナイト。8時ごろ入って打ち合わせ。町山は体調不良とかで「あとは頼んだ」とか言ってる。しかしいざ始まってしまえばそんなことは関係なしで、自慢の映画クイズでは飛ばしまくりであった(客より全然先走っていたような)。ちなみに当日発表のまる秘作品はピーター・ジャクソンの『コリン・マッケンジー/もうひとりのグリフィス』。ニュージーランドにいた幻の巨匠、コリン・マッケンジーがニュージーランドの密林に作った巨大セットを発掘に行く話。もちろんノンフィクション。もう本当にすごい巨匠で、1907年に最初に作った映画がすでに84分の長編でトーキーだったりする。しかもカンフー映画(笑)。ジャクソン、ジージャンズの魂百までって感じである。

 二本目の『スイッチブレード・シスターズ』は見ないでBOX事務所で山ちゃんや秘宝のメンバー、今年も来た松竹富士のHらと酒盛り。藤原章が今年も投じた爆弾の話とか(えー水際でくい止められたので不発に終わりました)、映倫の話とか。結局、二本目が終わったところで抜けて、遊びに来てくれた大森望、さいとうよしこと飯田橋の東京大神宮で初詣。でもトークとクイズ大会が延びまくったので家に帰り着いたのは7時ごろだったとさ。  


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / yanasita@gol.com