仕事ばかりでおもしろいこと何もありません

◎今月のお仕事 『ファビュラス・バーカー・ボーイズの地獄のアメリカ観光』洋泉社より絶賛発売中!
       〈Composite〉(報雅堂)にイエジー・スコリモフスキー・インタビュー
       『出発』劇場用パンフに駄文あり。


1/18(月)
 1時、原書房Iと打ち合わせ。さくっと済ませて午後は東急日本橋店の店じまいバーゲンを覗きに行く。とりあえず靴2足、鞄ひとつ購入。そこまでは良かったんだが、その後急激に調子悪くなってきて、帰ってすぐ寝込む。風邪らしいよ。
1/19(火)
 夕方やっと起き出してきて、ちょっぴり仕事する。いやもう、とてもじゃないけど休んでられない状態なんで。でもこんなことやってると死ぬかもー。

『別宝#428 おかしいネット社会』(宝島社)、『スネーク・アイズ』(デヴィッド・ジェイコブズ 扶桑社)送ってくる。『スネーク・アイズ』は解説を書いた。でも何がなんだかわからないうちに依頼されて何がなんだかわからないままにでっちあげた原稿なので、ほとんど自分でも何がなんだかわからない(笑……笑ってる場合か?)。『おかしいネット社会』は夏原武の原稿だけおもしろかった。


1/20(水)
 ところで、ピカチュウ同人誌が告発された件であるが、みんなニンテンドーの立場は考えるみたいだけど、田尻(サトシ)はどうなんだ田尻は。田尻だったらヤオイはおろかスカトロだってオッケーだと思うんだが、どうか(まあピカ中が田尻の著作物かどうかという問題は残るだろうけど)。
1/21(木)
 10時に渋谷。ねむい。ユーロスペースで『火を噴く惑星』。2月末からある〈ロシア映画秘宝展〉の試写。62年ソヴィエト映画で、人類初の金星探検隊の話。なーんかのんびりしてて優雅な感じの映画である。まあ、62年だったらアメリカでもあのくらい優雅な映画を作ってたかな。話はなんとデニケンだった。「地球にも昔高度な文明を持つ異星人が来ていた。このわれわれを金星の土人が見たら、神様だと思うんじゃなかろうか」なんて言ってる。いやあ、デニケンって世界中で流行ってたんだねえ。

 神保町へまわり、洋泉社でちょっとヒマつぶし。買い物。『芸術と狂気』(加賀乙彦編 造形社)、『学校』(山本直樹 文藝春秋)、『英米法辞典』(東京大学出版会)などなど。


1/22(金)
〈RELAX〉、〈翻訳の世界3月号〉届く。〈翻訳の世界〉はおなじみ翻訳書ベスト10。ぼくは今年も縁がない……っていうかたぶん来年も縁がないと思います(笑)。まともな文学をやらないかぎりここにリストアップされることはないらしい。その意味ではかなり保守的なランキング。中に一人『すべてのリズムで踊れ』に一票入れてくれている人がいるんだが……嬉しいけど、奥付け見ろって(笑)
1/23(土)
〈Escquire〉、〈Bachelor〉、〈SFマガジン〉届く。〈Escquire〉はコメディ特集だが、渡辺麻紀×若林ゆりの『踊る大走査線』やおい対談に大笑い。それにしてもこの雑誌、ますますBRUTUS化しつつあるような。いやおもしろいんですけど(ちなみにおまけでもいっこ、わりとどうでもいい座談会も載っております)。
〈Bachelor〉には『地獄観光』のプロモーション用インタビューが後ろの方に載ってます。ディープなラス・メイヤーファンはどうぞ(まあ、ディープなラス・メイヤーファン以外はバチェラーなんか買わないかもしれん)。

 テレビで『リング』見る。いきなり真田広之が超能力者になって話を全部解明しちゃうのにはびっくりしました。もっとびっくりしたのは横で見ていた妻が貞子を見て「この人知ってる……」と言い出したことだ。なんか友達らしいよ。この映画に出ていたときは妊娠中だったんじゃないかとか(いやな子供だなあ)。


1/25(月)
 イマジカで『シン・レッド・ライン』。二度目。今度は字幕が入っている。やあ、さすがに字幕が入るとちょっとは話がわかるようになったような。でも今度はテーマ的にいろいろ考えてしまうんでたいへんである。やはりハイデガーとか勉強しなければならないのか。現存在。なんつー映画監督なんや(しょうがないんで帰りに本屋で哲学事典の実存主義のとこを立ち読みする)。
 実はそのあとにもう一本見て行くつもりだったんだが、いろいろ頭の中を考えがぐるぐるまわっているんで、とても集中できそうもない。あきらめて松竹富士のHとお茶を飲みにいく。いろいろ話すけど、オフレコ。
1/26(火)
〈Composite〉送ってくる。スコリモフスキーのインタビューが掲載されているもの。これ、ヒマができたらウェブに転載しよう。あと〈お尻クラブJr.〉(三和出版)。

 3時からどっかのビデオ製作会社の人と打ち合わせ。待ち合わせは銀座ライオン(笑)。そんな真っ昼間っからねえ。1時間ほど喋ったけど内容は不明、って打ち合わせして不明もくそもないもんだが不明なもんは不明だ。

 その後喫茶店でちょっと原稿を書き、7時にDTMで川勝氏と。ウェイン町山がアメリカに帰国するため、一応その前に飯でも食いましょーか、という話に。テンプラを食い、場所を替えて12時前まで飲む。話題はいろいろ、もっぱら町山がだらだらくだらない話を喋って、適度突っ込みをいれるという、いつも金もらってやってることをやるっつーか。まあ食事おごってもらってるんで(笑)。


1/27(水)
 特になし。
1/28(木)
 なんもなし。
1/29(金)
 だらだらと仕事をしているだけなので書くことが何もない。実は、ものすごくストレスがたまっている。
1/30(土)
『デス:ハイ・コスト・オブ・リビング』(ニール・ゲイマン 海法紀光訳 インターブックス)、『モンティ・パイソン大全』(須田泰成 洋泉社)届く。『デス』は『サンドマン』の外伝。早くも今年のベスト1候補ってことじゃないですかね。『大全』はすごすぎるっす。でもこれ読む前にもう一度ビデオで全部見直そうかなあ……

 テレビ東京でやってた「日本のパン屋」みたいな番組に、昔佐川くんとコリン・ウィルソンの対談本を作ったとき、通訳してもらったM嬢がレポーターとして出ていてのけぞった。なんか安そうな仕事……しかも老けてるし(笑)。


2/1(月)
 夜、フランスから来たハーフの美女(ここが肝心とか)の就職相談を兼ねて業界の人たちを集めて飲み会。しかし、ぼくに頼っても無駄ではないかという声も。顔は知られているかもしれんが、人望はないからなあ。
 集まったのはアルバトロスのK(〈Quick Japan〉で大人気)、シネカノンのA、あとフリー2名。なんか会社員は飲み会を途中で抜けて劇場に行ってまた戻ってくるとか、たいそう忙しそうなのだった。あんなん見てたら普通就職やめたくならんか? そんなことを言いながら適当に自分の仕事の打ち合わせをしているぼくなのであった。こんなことをしてるから人望がないのだよ。
2/2(火)
 ちょっと伝説になってみたい。

キイチロウの伝説はこのように語り継がれる・・・

ルードの森に豹頭と屈強な肉体を持つ異形の超戦士として突然この世に現われる。覚えているのはキイチロウという自分の名前だけであった。
21歳で突然天啓を授かり、キイチロウ教の教祖となった。
この年の冬コミで「キイチロウxセフィロス」のやおい本が売り出された。
30歳のとき「キイチロウの手」という商品が発売された。手首から先の複製が台座に付いてて、実物そっくりの感触で、手が‥‥こう、何かをつかむ形にまるまってる。マニュアルには「適度に暖めて御使用ください(ただし電子レンジ不可)」書いてあった。
34歳になる頃、愛人の妹の夫の兄の親戚の叔父の従兄弟の隣の旦那の得意先の娘のクラスメイトの彼氏の愛人(男)の勤務先の工場長の近所に住むSMクラブの女王様の借金の連帯保証人となってしまい、1534万円の借金を抱えてしまう。
だが、戦いは続く。
そういえばあんなこともあったがそのことについては伏せておくことにする。
78歳のときに実は女だったことを知るが、面倒くさいので男として生き続けることにした。
だが、この伝説は影武者の物で、真のキイチロウの伝説はいまだ闇に包まれたままであるという。

 やおい本はちょっと読んでみたいような気もする(笑)。


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / yanasita@gol.com