やっぱり貧乏ヒマなしでした

◎今月のお仕事 3/23(火)ロフトプラス1出演 。with佐川一政、森達也(『A』監督)
        『ジェフリー・ダーマー/死体しか愛せなかった男』(ブライアン・マスターズ 原書房)発売中。
        〈イーター#6〉(テレグラフ・ファクトリー)にインタビュー載ってます。前にはバクシーシ山下、後ろには村崎百郎。


3/2(火)
 図書館から連絡があったのでリクエストしていた『インタビューズ』(文藝春秋)借りてくる。主にブリガム・ヤングのインタビューを読むためである。でもよく考えたら山形に頼めば良かったのかな?

 洋泉社にまわり、ベルリンのおみやげ(ドイツの怪獣本&スプラッタ雑誌。ドイツ版の東宝映画ロビーカードがいっぱい載っていてなかなか笑える)をわたし、貸していたポスター類を回収。そのままバカ話と秘宝リニューアル計画など。と、そこにInferno Prisonの高橋ヨシキくんが来ているので挨拶する。なんつーか、日本中の「そういう」人たちがどんどん秘宝に集結しつつあるとかそんな感じかもしれない。で、今後は世界だ、ってなことなんだが世界まで広がってもあんまかわんなかったりして。

『死を処方する』(ジャック・キヴォーキアン 青土社)、『この映画がすごい! '99』(宝島社)届いている。キヴォーキアンは自殺補助装置を作って、何度も殺人罪に問われているドクター・デス(訳せば死神博士)だ。そう言えば、「デス博士の島その他の物語」ってやっぱ「死神博士の孤島」の方がかっちょいいかな?(全然本題と関係ありません)


3/3(水)
 ところで最近はHotlineを諦めてCarrachoに未来を見いだそうとしてるんだが、ベータ版のせいでやたら落ちるのと、リジューム機能がないっつーのがどうもやれん。今後はそこら辺をなんとかしていただきたい。
3/4(木)
 4月にあるパゾリーニ映画祭の試写で『奇跡の丘』見る。ところでパゾリーニと言えば世界三大カソリック監督の一人である(あとの二人はブニュエルとジョン・ウォーターズ)。こいつはマタイ伝をそのまま映画化したものなんだが、キリストの言動がだんだん変化していくのがよくわかっておもしろかった。最初は愛を説いてるんだけど、エルサレムに入るころから終末を唱えて攻撃的になっていくんだよね。これってキリスト教団の変化を反映しているんだろうか? つまり、カルトの拡大にともなってキリストのエゴが破綻していったことを示しているのではなかろうか(これで一本原稿書けたかな)。もう一度福音書読み直してみるか。

 久しぶりにイエナで本を大量購入。"Bestial" Harold Schecter, "Rope" Micheal Neewton, "The End of the Dream" Ann Rule、あとエド・ウッドの書いたハリウッドで成功するためのハウツー本(笑)など。Bloomsbyryの映画ガイドシリーズの『ゴールドフィンガー』も買う。これ、凄すぎるガイド本。いったい何本分出るかはわからないが、とりあえず買いだ。

 原書房のI来て『ジェフリー・ダーマー/死体しか愛せなかった男』(ブライアン・マスターズ)を置いていく。なんか先月まで訳してた本なのにもうできちまうってのはどうも。中身はコンパクトにまとまっていてなかなか面白い。訳の方は……まあ再版に期待ってことで。


3/5(金)
 松竹で『ライフ・イズ・ビューティフル』。ロベルト・ベニーニがのべつまくなし喋りつづけてるもんで、あおりをくらって登場人物が4人くらいしか出てこない。世界が狭すぎて舞台劇を見せられてるみたいだった。

 そのまま続けて『ラウンダーズ』を見る。天才役者マット・デイモン、今度はポーカーに挑戦、って奴だ。あ、ここで天才って言うのは演技がうまいって意味じゃなく、天才役しか演じないって意味だけど(今後は犯罪の天才リプレーくんなどを演じる予定)。で、こういう映画を見るたびに思うんだけど『ハスラー』は偉大だったなあ。ビリヤードのシーンだけで、全員の性格とか全部わかっちゃったもんなあ。この映画だと、ジョン・タートゥロの役とか、何がすごいんだか全然わかんないんだよね。とりあえずエドワード・ノートンは嫌になるぐらいうまい。


3/6(土)
「東京地方裁判所民事第20部」から封書が来ていて一瞬ビビる。いやなんかこういう仕事をしていると「裁判所」とか「警察」とかいう文字には敏感になってしまうのだ。悪い友達の裁判に絡んで召喚されたとか?
 中を見てみるとそれは高橋良平が書いていたせいでつぶれた雑誌(ここ参照)を出していた出版社の破産宣告書だった。ぼくはどうやら債権者らしい(未払いの原稿料がある)んだけど、いくら未払いなのかわかんないので借金ゲームに参加できない。残念。

 Jリーグのブームがおさまったのも善し悪しで、ぼくぐらいのあまり気合い入ってないファンでも見に行けのはありがたくもある。つうわけで国立の開幕戦に行って来ました。いくらJリーグ一の不人気チームじぇふ相手だといっても、鹿島で2万人入らないというのは寂しい。でも相変わらずインファイトは気合いバリバリで、「もうちょい手加減したれや」って感じ。いや試合の方もだけど。
 じぇふは中西が孤軍奮闘って感じ。あと酒井も非常に効いていたが、まだまだ鹿島相手にどうにかなるレベルではないなあ。前線をなんとかせんと10回闘っても1点も取れないままだろう。上位陣との対戦で妙な負け癖をつけないでおくれ。

 その後馬場に行って久しぶりにユタ。なんか若い人たちがいっぱいいた。


3/7(日)
『オーケンののほほん日記ソリッド』(ぴあ)読む。なぜか大槻とは会ったことがない。一度くらい会っていても良さそうなもんなんだが(共通の友達は腐るほどいる)。昔はよくロフトに聞きにいっていたし(なんで行ってたのかしらんが、エディの脱退ライブもたしか見た)、宝島で文筆の才を発揮しだしたころは編集部にいたのに。
 で、中身は超絶的に笑える。すばらしい日記。
3/8(月)
〈CREA〉の編集者来て打ち合わせ。5月発売の映画特集の話。まあ、なんかやります。つうか、みなさまのご期待通りの結果になるか!?

 最近日記につまらないミスをすることが多くて、指摘されまくり。コソクに直したりしている。


3/9(火)
 早起きして秋葉に出かける。いくつか用事があるんだが、メインは妻のためにMIDIキーボードを物色するのと、CDRを買うこと。で、ちょっと検討の結果TEACのCDR55SBを購入。\38,800は安いのか? まあ相場かなあ。

 家に帰るとさっそく焼き焼きくん。つってもHDのバックアップをとってるだけだよ。将来はVideoCDを焼こうとかそういう野望はいろいろあるらしい。


3/10(水)
 夜、〈恐怖の快楽〉ってマンガ雑誌の編集者来て話す。これからちょっとコラムを書いたりするかもしれないので、気になる人はチェックしよう。なんかわけわからん文章ですが。
3/11(木)
 UIPで『恋におちたシェイクスピア』。これ、なんで『恋するシェイクスピア』じゃないんだろうねえ。UIPの言語感覚だけはわからん。久しぶりにUIP試写室に行ったら、なんと入場整理券が出ていた! 整理券つきの試写なんてもんを見たのははじめてである。いいものを見せていただいたよ。
 中身はどうってことはないただの映画だったが、ジュディ・デンチだけは謎。ヴィクトリア女王とエリザベス一世って同じ人だったの? つうか女王役者なの? あと、ルパート・エヴァレットがクリストファー・マーロウというのも笑った。ホモ役者(そりゃそうだ)。

 その後『バッファロー'66』の披露試写に行く。二度目(2/25)。超満員でホールなのに補助椅子だった。今日はこんなんばっか。たとえばエド・ウッドは自分一人で映画の作り方を発明したため、誰の映画にも似ていない映画を作った。ヴィンセント・ギャロもそうなのかもしれない、と思う。あの信じがたいストリップ・クラブのシーン!

 終わってから中原昌也、川勝正幸、高木完、〈米国音楽〉の編集者というメンバーでビーフン食う。中原のためにあるような映画だから、大満足だったことは言うまでもなし。それにしても、川勝さんがキューブリック死んだのを知らなかったというのには驚いた。


3/12(金)
 海外に送らなければならないのでSFMのバックナンバーを求めようと早川書房へ。ついでに塩澤SFM編集長を呼びだしてちょっと挨拶する。それからたらたら神保町まで歩いてきたら結構な時間がたっていた。どうして書店街を歩くと財布が軽くなり、足が重くなるのでしょうか。
 でも〈ホラー・ウェイヴ〉は見つけられなくて、しょうがなしに高橋源一郎の『あだると』(主婦と生活社)買う。最初と最後の話だけでいいような気がする。それにしても印税半分くらいバクシーシ山下に払うべきなんじゃなかろうか。

 ダリの『天才の日記』を読んでいる。引用したくってたまらないのだが、すべてがだらだらとつながりあっているので気の利いた警句をうまいこと抜きだすことができない。さすが元祖天然。


3/13(土)
 昼間は確定申告書類を製作していたのだが、去年の収入は思ったほどたいしたことなかったという衝撃の事実が判明。あんなに本出したのになあ。

 夜、BOX東中野『RIP』公開記念トークショー。はじまる前、BOX事務所でお茶飲んでると香山リカ嬢とともにどっかで見たことある白髪の男性が……って鈴木慶一さんですか!? なんつーか得した気分。なお、トークの方はきちんと準備していったんで、近年稀な良い出来だったのではないか、と自画自賛。満員御礼札止めだったが、まあBOXで満員にならんでどこでなんねん、って場所だからなあ。村崎百郎氏が来てくれたのだが、ちゃんと列に並んでお金払って入っていた。律儀な人である。終わったあと、香山リカ、鈴木慶一らとBOX事務所で飲む。京極夏彦と村崎百郎が同郷なのは有名だが、実に香山リカも近くの出身らしい。なんかものすごい土地だなあ。

 香山さんらが帰ったあと、場所を変えてBOXの人々、アップリンクの担当*2、『A』のプロデューサー安岡氏らと終電まで飲む。キューブリックはいかに非人間的な奴かという話でもりあがったり。ぼく自身はけっしてキューブリックには感情移入できないのだが、あの非人情の世界、蟻の巣を見つめる昆虫学者のような視線にはひどく憧れるものがある。


3/14(日)
『探偵ナイトスクープ』をぼーっと見ながら朝飯を食っていたら1時。あわてて小岩へ出かける。例によって妻の演奏の付き人。今回はガルボの昔の映画で『イエスタ・ベルリンクの伝説』というのだが、まだ酒が残っていたのか眠くって途中うとうとしちゃいました。で、わかったのはイエスタ・ベルリンクがすげえいい加減な奴だ、ということだけ。話ぜんぜんわかんなかったー。
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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / yanasita@gol.com