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北海道新聞14日夕刊に掲載されました
北の宿 出会いの旅

風呂なし食事なし でも、語らいがある

 静かに流れるジャズ。壁や欄間にびっしり貼られた年賀状。その宿の居間は不思議な温かさが満ちている。
夜になると、酒を手にした宿泊者が集まってきた。横浜の会社員針生有之さん(36)は銭湯で汗を流し、弁当とビールを買って戻ってきた。「風邪気味で、今日は昼まで寝ていたよ」。
話しかけられた相手は、東京からきた自衛官の守友靖夫さん(28)らで、昨日まで顔も知らなかった客同士の話が弾む。
傍らで、宿の主人の増田和美さん(48)と妻のやよいさん(49)が笑顔で耳を傾けている。居間の明かりが消えたのは日付が変わる頃だった。その宿を常連客は「布団付き飲み屋」と呼んでいる。風呂がない。食事も出ない。チェックアウトの時間もなく、いつまでも寝ててもいい。サービス過剰な世の中にあって徹底した放任主義が旅人を引きつける。主人の和美さんは鹿児島県出身、妻のやよいさんは山梨県出身で、道内旅行中に、釧路で知り合って結婚、14年前から元下宿の建物を借りて宿を開いた。 各地を旅行した和美さんは「住んでいる感覚で街を楽しんでほしい」との思いが強い。だから、風呂や食事を提供せず、

地元のうまくて安い店を紹介した「酔いどれマップ」を作り、渡している。
 宿を始めたころは金のない若者が多かった。最近は中年の客も目立つ。昼過ぎまでゆっくり眠り、
夜は酒を飲んで悩みや迷いを吐き出す。帰るときには表情がすっきりしてくる。新年に届く年賀状が、
居心地の良さを物語る。
 「休坂」の名前は近くの坂からとった。激しい競争社会の坂を上り続けた日本人は、不況に苦しみ、
途中で一服したい気分だ。「みんな疲れているのね。本当の意味でT休坂Uになっちゃった」。
やよいさんはこうつぶやいた。(文:釧路報道部 片岡麻衣子 写真:玉田順一)


・・・味・みせ自慢・・・

スパイスの配合に工夫を
民宿のくつろげるスペースで

 黒魔術は増田和美、やよいさん夫妻が営む「民宿休坂」の居間にある。民宿の玄関で靴を脱いで入る、くつろげるスペースだ。口コミで存在が伝わり、いつも同じメニューを注文するカレー好きが多い。昨年はこうしたファンの推薦で道内のおいしい物を紹介する「ごちパラ」に選ばれた。
 メニューはシンプルで、チキン、やさい、その両方を合わせた曼陀羅カレー。タイ風のスープカレーの4種類。
 どれもスパイスの配合を工夫したこだわりのカレー。辛さもあるが日本人の口に合うよう旨み、こくを出し「自分たちが食べておいしいと思う物を出したい」と増田夫妻。1年ほど前に、釧路ではまだなじみが浅いスープカレーを加えた。たっぷりの野菜とチキン、コクのあるさらさらのカレーが好評だ。



石炭列車(旧臨港鉄道)の存続決まる

 石炭列車は、釧路市春採の選炭場と同市知人町の釧路港のふ頭を結ぶ約4キロで、30トン貨車24両をディーゼル機関車が引っ張っている。1日あたり4回運搬する。


釧路の東中学校が日産のカタログに登場

 素敵な新車の背景に欧州風の建物ー。まるでヨーロッパの街並みを舞台にしたような日産自動車の新車シーマのカタログが釧路の市民にホットな話題となっている。
 同社によると、この背景のロケ地はヨーロッパではなく、実は釧路市立東中学校だった。石造りのような重圧な外観と天井に連なるアーチがまるで欧州の古城の雰囲気を漂わせる。
 雑誌「AERA」(アエラ)の昨年1月号に掲載された後、日産がPR用のカタログやタペストリーに採用。最近、市民の目に多く触れるようになり「どこかで見たことがある風景だ」と評判が出始めている。東中学校は故、毛綱毅こう(もづなきこう)氏が設計した斬新なデザインで評判になった。
 この他にも厚岸町のけん暮帰島を背景にしたページもある。


カレーや黒魔術、4/9(火)から平常通り営業再開!
長い間土日のみの営業でしたが
4/9から平常通りの営業になりました。
昼12:00〜夜7:00まで(毎週月曜日お休み)
ココナッツ風味シャーベットが食後に付きます

赤天狗が開業50周年
いまだ現役の小野寺さん

赤天狗50周年・・3/22釧路新聞より

常連客を癒す2坪のオアシス
(85歳で現役店主、小野寺さん)

 現役で半世紀ー。釧路市で屋台一筋のれんを守り続けている小野寺辰三郎さん(85)の焼き鳥「赤天狗が、開店50年を迎える。店自慢の特製カクテル「摩周湖の水」を注文するときは、グラスの底でカウンターを「ダン!」とたたく。小野寺さんは「この音は店の印象付け。お客さんと触れあう音」と言う。3年前、高齢な小野寺さんが50年まで続けられるか心配した常連客が47周年を祝う会を催したが、無事に半世紀を迎えた。50周年を祝う会は5月25日午後6時半から栄町会館で開かれる。
 釧路市川上町の「赤ちょうちん横丁」は屋台28店が軒を連ねる。赤天狗は入口にあり、2坪ほどの狭い店内に仕事帰りの常連客らが1人、2人と肩を並べる。摩周湖の水とおいしい焼き鳥で酒談義が弾む。
 小野寺さんは1916年5月、宮城県出身。36年に来釧し、北方領土・色丹島で漁業関連の仕事に就いた。戦後、52年から北大通り3丁目でリアカーを改造した屋台を引き始めた。赤天狗ののれんを掲げた年だ。夕暮れから、仕事の疲れを癒しに来る。その一角は小野寺さんの相談コーナーともいわれた。
 68年、現在の店舗形式になった。「当時、おやじ、おやじといろいろ相談に来る客がいっぱいだった。その顔を見るためにも、のれんを外せない」。今もおやじさんの説教は現役。
 ある常連客は「通って何年になるか分からないが、この雰囲気がいいんだよなあ」と話していた。50周年を祝う会の参加希望者は、赤天狗で出席届けが必要。