4月1日
俺の名前は瀬戸口 隆之。
今俺は生命のピンチを迎えようとしている。
坂上先生に殺られかけたり、茜が準竜師を暗殺しかけて自分も共犯者になりかかったりと色々あったが、
俺はなんとか切り抜けてきた。
しかし・・・今度ばかりはキツイぜ。
生徒会連合 参謀長執務室
早朝
「突然呼んだのは、他でもない。お前に無茶な頼みがある。」
(うるさいぞ!このぬらりひょん!早朝に呼び出すんじゃねぇ!)
瀬戸口君、気持ちはわかるが聞くだけ聞こうよ。
断りづらかったら、私が替りに返事しておくから。
(・・・わかったよ)
「・・・続けるぞ。猫一匹と少女が一人、敵支配地域で孤立している。いや、そうなる予定だ。
貴様の目的は、これらを救出することにある。
・・・お前は、降下作戦が出来たな。手持ちの資料には、技能資格があるとある。
作戦開始は、今晩。0000時。
単独降下してもらいたい。敵を全滅させろ。
敵の規模は不明だが、スキュラは覚悟しておけ。何か質問は?」
(よし!断るんだ、シゲg!)
「準竜師、恋人は・・・いますか?」
(おいこらシゲg!)
「・・・。少女は外交官だ。幻獣と、人間のな。
場合により、停戦が実現するかもしれん。
お前が倒す敵の幻獣は、その和平に反対する幻獣の強硬派だ。
本来は我らが直接交渉するべきだが、連中と話すには、才能がいる。
・・・純粋な心でないといかんと、そう言ってたな。
まあ、どちらでもいい。
人間の方にも、和平に反対する奴は居る。
お前の目的は秘密裏に敵を全滅させる。
以上だ。分かったな。
よし、さっそく準備しておけ。
それと・・・・俺は今フリーだ」
「はっ!了解しました準竜師!」
(了解するなよ〜)
頑張ろうか瀬戸口君!
(なんで断らなかったんだよ!お前やる気なかったじゃないか?)
出会いはいつだって唐突だ・・・いい言葉だね。
(お前個人の趣味をとやかく言うつもりはないが、俺を巻き込まないでくれ!)
まあまあ・・・戦況を引っくり返すためだ、頑張ろうよ。
(くそ・・・生き残る為にはどうすればいい?)
スキュラを倒すことになるから白兵戦術を取りに行きましょう。
壬生屋と今日中に仲良くなってください。
(壬生屋と!?・・・どうしてもか?)
ええ、斬る(右)斬る(左)をまだ持ってませんし。
好感度も高いのですが・・・瀬戸口君自身が声かけないと技能はもらえないんですよ。
(気が進まないな・・・あいつはどうも苦手なんだ)
どうしてですか?
初いし、なにより第七世界では巫女装束というだけで萌え萌えでハァハァですよ?
(煩い煩い!解かったよ!解かったから接続をさっさと切れ!)
では、降下作戦のときにまた。
ブツン!
「くそ・・・」
「瀬戸口さん?どうしました?顔色が悪いですよ?」
壬生屋が瀬戸口に声をかける。
(なんで・・・こう気持ちがざわつくんだ?)
「なんでもないよ。それより壬生屋、お前の調子はどうだい?(提案)」
「普通ですけど・・・?(100%)」
壬生屋の瀬戸口の評価 友情+3 愛情+3
関係が大恋愛になった!
チャ〜チャラチャラチャラチャッチャッチャ〜
斬る(右)の戦術を手に入れた。
(ま・・まてまてまて!俺も大恋愛状態だと?くそっ!評価下げてやる!
シゲgの思い道理にさせてなるものか!)
「今週の日曜日デートに行かないか?(怒りMAX大声MAX)」
「はい。わかりました(100%)」
壬生屋の瀬戸口の評価 友情+8 愛情+12
関係が運命の絆になった!
チャ〜チャラチャラチャラチャッチャッチャ〜
斬る(左)の戦術を手に入れた。
(もう・・・死にたい・・・)
「頬を赤く染める壬生屋さんとは対照的に、瀬戸口は蒼くなっていましたよ。」
と奥様戦隊の一人は後に語った。
そして降下作戦が開始された。
スキュラにミノタウロスにキメラ・・・阿蘇特別戦区は幻獣の赫で染まっていた。
「奇跡でも起きれば生きて帰れるな・・・」
(起きないから、奇跡と言うんですよ)
「うるさいバカー!」
<戦闘>(降下作戦)
大勝 撃破20/瀬戸口20(128)
<戦況>
戦況は膠着状態にあります。
4月2日
生きて帰ってこれましたねー
(ミノパンチを直で喰らって3ダメージってのは信じられなかったけどな)
黄金剣突撃勲章とシルバーソードと星従軍章、それに準竜師に目をかけてもらったお陰で発言力は+8100!
良い事尽くしじゃないですか。
(作戦終了後に準竜師が俺に色目使っていたぞ?)
瀬戸×準か・・・今年の夏は熱くなりそうだ。
(もしもし?)
ああ、こっちの話です。
それでは今後の方針を言いましょう。
とりあえず技能獲得はもういいです、あとは「一緒に○○」で取っていく事にしましょう。
訓練も下がりやすい運動力を維持するだけでいいです。
あと・・・芝村さんがなんと言おうとも、絶対に味方してください。
(わかった、芝村も嫌いじゃなくなってきたからな。味方するくらいなら良いよ)
プールチケットも陳情しておいてください。
壬生屋さんとのデートの為に。
(嫌な事を思い出させるなよ!)
ブツン
「いきなり切れやがった・・・」
[出撃]
201v1 201v1 現時点で作業内容を放棄し直ちに集合しなさい。
「出撃か・・・朝のHRもまだだぞ?」
瀬戸口は教室に走り出した。
<戦闘>
大勝 撃破26/瀬戸口23(151)
<戦況>
政府は中学生の卒業を一年早めて戦線に投入したようです。
人類はかろうじて優勢を維持しています。
八代戦区へ転戦。
4月3日
一日遅れでシルバーソードと黄金剣翼突撃勲章を受章。
皆が褒めてくれるが、壬生屋と滝川が意味深なセリフをはく。
「最近、殺しが楽しくなってきてませんか?」
「お前と俺とじゃ住む世界が違うんだ!」
そうかもしれない・・・俺は何一つ変わっていないのかも知れないな。
すでに死んだシオネ・アラダを、いつまでも追い続けている。
身体を変えながら1000年も。
思い出も顔も時の流れに埋もれてしまったが・・・この身と共有した温もりは、今も俺を焦がし続ける。
愚かだな・・・俺って。
<獲得技能>
隊長2(若宮) 幻視2(芝村) 整備1(狩谷)
<戦況>
人類はかろうじて優勢を維持しています。
4月4日
壬生屋とプールデート。
袴姿しか見たことないから新鮮に見える。
壬生屋が可愛く見えた、重傷だ・・・
そしてデートから帰ってきた瞬間に出撃命令が出た。
最近はスキュラもJFSで一撃で仕留められる様になったので、最初から全滅狙いで戦っている。
そして応援要請で連戦した時、ついに壬生屋の1番機が大破した。
もう我慢の限界だ。
<戦闘>
大勝 撃破32/瀬戸口30(181)小隊損壊1(0)
<戦況>
人類はかろうじて優勢を維持しています。
天草戦区へ転戦。
4月5日
なんで配置変換を陳情しているんだい?
(シゲgか・・・指図しないでもらおうか?)
壬生屋をいつの間にか移った誘導技能でオペレーターにして、1番機を空席にするのかい?
壬生屋さんが心配なんだね。
(アイツが心配なわけじゃない、1番機が壊されるのが嫌なだけだ)
はいはい・・・
ブツン!
「俺だ」
接続が切れると同時に、慇懃無礼なぬらりひょんが画面に写った。
「壬生屋をオペレーターに変えたいのですが?」
「いいだろう、すぐ手配する」
いい返事に思わずホッとする。
ホッとする?
なんで俺がホッとしなきゃならないんだ?
「それと・・・もしよければ、今度の日曜日デートせぬか?(提案)」
カチャッ!
身の危険を感じた俺はとっさに接続を切った。
<戦況>
幻獣が数を増やしています。
人類はかろうじて優勢を維持しています。
4月6日
壬生屋をオペレーターに異動完了。
それが(春の嵐 第二幕)の皮切りであった。
ここで表記するのも馬鹿馬鹿しくなる位の陰謀の嵐。
突撃軍歌に「陰謀と血の色の空から、それは生まれ出る」という一節があったが、この小隊は何を生まれ出そうとしているのだろうか?
最終的には司令:ののみ スカウト:善行・萌と適材適所とは程遠い配置となった。
そのお陰で一組には俺・善行・萌・加藤・ののみ・舞・壬生屋と7人しか居ない状態。
5121小隊、無職者続出。
「僕はこの国の守護者となる」と言った速水も無職。
おもしろいので放置しておく。
滝川はいつの間にか天才技能を持っていたので、空席の2番機パイロットに配置異動と善行の司令復帰を陳情しておいた。
しかし今まで何故2番機パイロットが空席だったのだろうか?
それと芝村の姫さんがなにか企んでいるらしい。
話半分に聞いていたのでよくわからないが、熊本城が何とか・・?
一体何が起こるのだろうか?
<戦闘>
1番・2番共に出撃不能、指揮車も援護射撃も出来ない状態。
なおかつスカウトは善行・萌の貧弱コンビ。
死なせないようにするのに精一杯の戦いであった・・・
連戦先で、危うく善行を殺しかける。
大勝 撃破40/瀬戸口37(218)
<戦況>
人類はかろうじて優勢を維持しています。
阿蘇戦区へ転戦。
4月7日
しばらく接続してないうちにえらい事になりましたね。
説明お願いできますか?
(熊本県全域に最重要コードが発足された。
簡略化すると「幻獣のオリジナルが熊本城の地下から発見された。
それを防衛するために熊本の全戦力の一割を割く」らしい。
たぶん俺たち5121は最戦線に立つと思う)
さしずめ熊本城攻防戦と言ったところでしょうか。
(例えが上手いな。・・・芝村の姫さんは俺になにをやらすつもりなのだろうか?)
300の幻獣を狩り、瀬戸口君を絢爛舞踏に仕立て上げる。
あくまで予想ですがね。
(だろうな、現段階の撃破数は218。決して絢爛舞踏に届かないわけじゃない)
そのわりには乗り気じゃないね。
(誰も進んでバケモノになりたがるわけないじゃないか?)
だけどパイロットである以上、幻獣を狩らなきゃ生き残れない。
そして率先して敵を倒さなきゃ、愛する者も護れない。
だけどバケモノにはなりたくない。
ジレンマですね。
(まあな・・・とりあえずお前が来たって事は、なにかやれってことだろ?)
ご名答!売店の牛乳・紅茶・コーヒー・コーラを総て買占めて飲みきってください。
(お腹壊すだろうが!)
一月寝かしたシュークリームや焼きそばパンを常食としている瀬戸口君なら大丈夫です!
(なんで飲まなきゃならないんだ?)
体力・気力・運動力、もう頭打ち状態です。
上昇させるにはドーピングしかありません。
では又!
ブツン!
ののみはその日の瀬戸口をこう語った。
「あのね、おひるごはんをたかちゃんといっしょにたべようとたかちゃんさがしてたら、
たかちゃんがね、ばいてんのほうにいくのがみえたから『いっしょにたべよ?』
ってこえかけようとしてね、ののみもばいてんにいったの。
そしたら『コーラ・コーヒー・紅茶・牛乳をありったけくれ』
っていってりょうてにいっぱいのみものをかかえてたのよ。
ののみは『たかちゃんのどがかわいたの?』ってきいたら、たかちゃんは
『ののみは心配しなくてもいいんだよ、でも心配してくれてありがとう』
ってあたまをなでなでしてくれたの」
速水はその日の瀬戸口をこう語った。
「瀬戸口君?校舎裏で飲み物をがぶ飲みしていたよ。
だけどその後トイレに駆け込んだらしいね。
そりゃあそうだよ、100リットル近い飲み物飲んでお腹壊さないのは若宮君だけだよ」
その日「瀬戸口はベンキマン?」という悪い噂が流れたとか流れないとか。
<戦況>
福岡が陥落しました。
幻獣が北部から続々侵入しています。
戦況は膠着状態にあります。
4月8日
「士魂号、リフトアップ!」
熊本城の特徴の一つ、武者返しの切り立った石垣を戦術的に有効活用できる唯一の部隊、5121が最前線で戦う事となった。
リフトアップした士魂号の目の前には、幻獣たちが犇いていた。
「瀬戸口、幻獣の数は20!防衛の命令が下ったが全滅させた方が早そうだ!我々は戦うぞ!」
「こちら2番機!突貫します!」
「1番機もいきまーす!」
滝川機と昨日付けで1番機パイロットになった新井木が先行する。
「滝川!新井木!前に出すぎだ!」
瀬戸口は通信機に手を掛ける。
「やめよ瀬戸口」
舞が瀬戸口を制止する。
「それより我々はこの92mmライフルで一体一体撃ち抜いていく」
三番機の通常装備は超硬度大太刀とGアサルトであり、芝村も装備に関してはノータッチだったが、今回に限っては装備を変えていた。
92mmライフル×1
砲弾倉×2
多目的ミサイル倉×2
いわゆる「ゴルゴスタイル」と言われる戦術を取っていた。
「姫さん、新井木と滝川を見捨てるのか?あいつらの装備じゃ生き残れないぞ?」
1番機はGバズーカ×2
2番機はGアサルト
白兵技能に乏しく、代わりの武器が用意されていないので弾が無くなった時が最後である。
「あやつらは撒き餌だ」
「撒き餌?」
「そうだ、幻獣を引き寄せるためのな。この92mmは射程は長いが射角が狭い。
その性質を生かしきるには幻獣を動かさなくする必要がある」
「だからといって奴らを見殺しにするのか!?」
「瀬戸口・・・だから滝川達が引き寄せているうちに撃ち落す必要がある。
お主の腕前ならそれが出来ると信じている」
全くの他人である俺を信頼している?あの芝村一族の女が?
なんか愉快だ。
「わかったよ・・・だがこちらも滝川達と一定の距離を保って進行する」
「よかろう、行くぞ瀬戸口!」
そして俺達5121小隊は、一人の死者も出さずに熊本城攻防戦を切り抜けた。
あと後から聞いた話では、幻獣のオリジナルは嘘だったらしい。
「じゃあ何故、熊本城で幻獣と戦ったんだ?そもそも幻獣がなんで熊本城に大量に来たんだ?」
と小隊の連中は分からなかったが、俺には分かった。
芝村は言った「芝村はヒーローの呼び水となる一族」と。
芝村は言った「300の敵を狩れ。そうすれば竜がやってくる」と。
つまりこの戦いは、俺を絢爛舞踏に仕立て上げる為の茶番劇だ。
目的の為なら手段を選ばないとはよく言うが、まさか自分がその策略に巻き込まれるとは思っても見なかった。
この戦いで狩った幻獣は58体、累積で276体。
あと二戦も戦えば絢爛舞踏章を受賞するだろう。
冗談じゃない!俺はもう二度と・・・あんな思いをするのは御免だ。
<戦闘>(熊本城攻防戦)
大勝 撃破60/瀬戸口58(276)
<戦況>
熊本城攻防戦により、熊本市内の敵が全滅しました。
人類はかろうじて優勢を維持しています。
4月9日
「・・・で芝村の姫さん、こんな屋上で何の話だい?」
夕焼けの光で芝村の頬が赤く染まる。
尤も元々赤く染まっているという話もあるが・・・
(回想)
熊本城攻防戦を成し遂げた5121小隊の勲章授賞式の後、俺が教室に帰ると机の中に手紙が入っていた。
(1700時、屋上にて待つ。 芝村 舞)
簡単な文だが、その文面に込められている真意を見抜けないほど俺はポヤヤンじゃない。
さてどうしようか・・・?
いいなぁ・・・瀬戸口君。
僕も超ときめきてぇぇぇぇぇぇ。
(突然接続して、地獄の釜の蓋が開いた様な声を出すなよ!)
失礼失礼。
(熊本城攻防戦にも接続してこなかったな?)
ああ、少々プライベートで立て込んでいたので。
(まあいい、どうする?これ?)
芝村さんのラブレターですか、断りましょう。
(ときめきたいと言っていたわりにはドライだな)
これには理由もあります、そこにいる速水君に(好きな人は誰?)って提案してみてください。
「速水!ちょっといいかな?」
速水が瀬戸口の方に向かってくる。
「なあに?」
「お前の好きな人ってだれだ?(提案)」
「誰にも言うなよ・・・・芝村かな(100%)」
速水はそう言った途端、頬を赤く染めた。
(なるほど)
「人の恋路を邪魔する奴はCAJFSV」とは名台詞ですね。
(そうだな・・・しかし振ったら能力値が激減してしまって役に立たなくなるぞ?)
後釜ならいますよ、少なくとも使える人材だと思います。
(誰だ?)
とりあえず芝村さんは断っておいてください。
それではまた!
ブツン!
(回想終了)
「お前がどうしてもと言うのならば、私と一緒に居てもよい。・・・どうしてもと言うのならばだが」
「・・・ごめん」
芝村は失意状態になった。
「そうか・・・やはり芝村らしからぬ行動だったな。すまぬ瀬戸口、忘れてくれ」
芝村は瀬戸口に背を向け、走り去ろうとする。
「そうじゃない、芝村。お前の傍に居ても良い奴は、俺じゃない」
「じゃあ誰だと言うのだ!芝村を愚弄するつもりか!」
瀬戸口は頭をポリポリと掻きながら、ゆっくりと語る。
「お前さんの隣に相応しい人間はバンビちゃんだ」
「はっ・・・速水だと?ばか者!あんなポヤヤンな奴なんか何とも思っておらぬ!」
そう言いながらも芝村の頬が赤く染まる。
「・・・加藤から(心の世界地図)を見せてもらいな。少なくとも速水がどれだけ深く思っているか分かるよ」
瀬戸口は放心している芝村の額にそっと口付ける。
「俺が出来るのはせいぜいこれくら・・・」
「この間男がぁぁぁぁっ!」
CAGPW!
ゴキッ!
鈍い音を立てて、瀬戸口は芝村の渾身の右フックを顔面に被弾した。
瀬戸口の神経接続・反応速度低下!(嘘)
芝村は倒れる瀬戸口に目もくれず、駆け足で去って行った。
「あ痛たたた・・・」
瀬戸口の左の頬は腫れ上がっていた。
瀬戸口の魅力が−100!(嘘)
「効くねぇ・・・」
彼女が傷つかないように、あえて間男の役を演じますか。
(シゲgか・・・見ていたのか?)
信じてはいましたけどね。
一応保険という意味で。
(・・・これで良いんだろう?)
実は結構気に入っていたのではないんですか?芝村 舞さんの事を?
(まあな・・・でも、愛の伝道師といえど愛情よりも友情を優先させる事もある)
とりあえず傷の手当てをしないといけませんね。
(ああ・・・整備員詰所に救急箱が置いてあったな)
ではまた。
ブツン!
「どうしたのですか!」
マイクを握り締めた壬生屋が素っ頓狂な声を上げる。
(なんでコイツがいるんだよ・・・)
瀬戸口は心の中で呟いた。
やっと辿り着いた整備員詰所には、軍楽技能を取ろうとして歌っている壬生屋がいた。
BGM「勝吏のズンドコ節」(嘘)
「ついさっき転んでね。」
作り笑いをしながら瀬戸口は救急箱に手を掛ける。
「私がやって差し上げます!そこにお座りになってください!」
壬生屋は瀬戸口から救急箱を取り上げ、テキパキと瀬戸口の頬に手当てをする。
瀬戸口は横目で壬生屋を見る。
黙々と治療をこなしているが、顔は不安でしょうがない顔をしていた。
(思っているより心配性なんだな、剣術だけの直情バカだと思っていたのに)
そして湿布をはり、治療が終わった。
「これで大丈夫だと思いますが、もし腫れが引かなかったりしたら病院に行ってくださいね」
「ありがとう」
瀬戸口は手鏡で自分の顔を見る。
「水も滴る良い男が台無しだな」
「転んだのは嘘でしょう?どうみても殴られた様にしか見えませんよ?」
壬生屋が救急箱を片しながら言う。
その声には若干の怒気が含んでいた。
「麗しい姫君に愛を振りまこうとしたら・・・ね」
「ふ・・・不潔です!」
壬生屋の顔が赤くなる。
「別にこの歳の健全な男女だったら普通の行動だと思うが・・・壬生屋だってそうだろう?」
瀬戸口の言葉に壬生屋が俯く。
「わたくしは瀬戸口さんとは違います・・・」
整備員詰所が(気まずい雰囲気)に包まれる。
(まずったな・・・さっさと引くか)
「でも・・・」
瀬戸口が腰を上げると同時に壬生屋が独り言のように話し始める。
「そうですね・・・私も16になりましたし、何も知らない少女でいるには、もう・・・無理があるかも」
「(何言っているんだ)そう?」
壬生屋はこちらの言うことを聞いていない。
「このまま歳をとってしまったら、わたくし困ります」
(おいおい具体的にどう困るんだよ、と言うより妙な雰囲気になってきたぞ?)
「特に、今もですが・・・もう半年もしないうちに、絶対、たくさん、競争相手・・・じゃない、ええと、その、いろいろ困るんです。
特に長女で、一人娘で、道場育ちで、少し世間はずれで奥手でオペレーターで、かわいいと思って貰えるといいなぁ、なんて・・・
そんな甘いことを考えている女なんて、若さで押し切るしかありません」
(そんな事を考えていたのかよ・・・)
「ええもう、絶対それしかありません」
(決め付けるなよ)
心の中で壬生屋にツッコミを入れる。
「私の祖母も、その奥義で成功しました」
(奥義?それって家伝なのか?)
「剣術の真剣勝負における極意は先手必勝、相手が恐れおののくまで突撃しかありません」
(そうだったのか・・・これで神風特攻にも説明がつくな)
「・・・とにかく、それは全然関係ありませんが、わたくし、あと一年も戦争が続いたら、行き遅れになってしまいます」
行き遅れになるよりも、その前に死んでしまう可能性の方が高いんじゃないか?
とは言えなかった。
いくら現在の戦況が有利だとしても、人類と幻獣では数が圧倒的に違う。
自然休戦期になれば人類は戦況を立て直す事が出来るだろうが、休戦期明けになれば再び俺たちは戦場に向かう。
戦友達の作った血の池で、血反吐を吐きながら戦う事になる。
陰惨な光景を想像し、瀬戸口の顔が複雑に歪む。
「・・・瀬戸口さん、もし・・・その時はわたくしを貰ってくださいましね。
約束ですよ。
瀬戸口 隆之は、壬生屋 未央を貰い受けて、ずっと大切にすると」
!!
デジャヴを感じた。
壬生屋の顔と、シオネの顔が重なって見えた。
俺の胸に懐かしさと愛おしさが込み上げる。
「・・・ええと、なんちゃって。う、うそです。
いくら浅はかなわたくしでも、そこまで軽率な行動は・・・行動は・・・。
・・・自爆です」
もうどうしようもなくなっていた。
気付いた時には俺は壬生屋を抱きしめていた。
「良い提案がある・・・なんてな。
・・・ごめん参った、なんて言おう。
・・・付き合ってくれ、じゃ、飾り気なさ過ぎかな」
壬生屋は瀬戸口の腕の中で固まっていたが、すぐに胸に顔を埋める。
「・・・お慕いしております。
あなたを・・・お慕いしております。
・・・嬉しい時でも涙が出るものなのですね」
瀬戸口と壬生屋が恋人関係になりました。
<戦況>
人類側は押しています。
人吉地区へ転戦。
4月10日
午後の授業も終わり、俺はすぐに行動に移した。
「壬生屋を3番機パイロットに変えたいのですが」
「いいだろう、すぐ手配する。所で今度食事にでも・・・」
ブツン!
もったいない・・・人の奢りを断る奴は人類失格ですよ?
(俺は身持ちは固い方でね)
恋人が出来たら変わりましたね、瀬戸口さん。
(男を変えるのは女次第・・・だろ?)
いい言葉ですね、知り合いの好色一代男に聞かせてやりたい言葉です。
(・・・そんな奴がお前の知り合いにいるのか?)
まあ・・・良いじゃないですか。
それより壬生屋さんをパイロットに戻したのは何故ですか?
(指揮車じゃゴルゴーンの生体ミサイルを撃ち込まれたら一発で終わる。未央は1番安全な場所にいた方がいい)
その場所は3番機、いわゆる自分の手元ですか・・・
まあ良いですけどね。
(所でお前は誰を芝村の代わりにしようと思ったんだ?)
善行 忠孝さん、通称ヒゲスネゲ
(なんでまた?)
深い意味はありません、なんとなく瀬戸×善行でハァハァなシュチュエーションにしたかったからでありまして・・・
(前から疑問に思っていたんだが、瀬戸×準とか瀬戸×善行ってなんなんだ?)
人は、語り得ぬものについては、沈黙しなくてはならないんですよ。
ブツン!
「チッ!あの野郎・・・都合が悪くなるとすぐに逃げやがる」
舌打ちしながら瀬戸口はポケットからテレパスセル(芝村作)を起動させる。
「なるほど・・・未央は今(一組教室)で一人っきりか」
そしてテレポートセル(芝村作)を起動させる。
「あら瀬戸口さん、どうしたんですか?」
「二人っきりの時は隆之でいいよ・・・未央」
壬生屋は教室内を見渡すと、いるのは瀬戸口と自分のみ。
ムーディな音楽が流れてきそうな甘い雰囲気が二人を包み込む。
瀬戸口は壬生屋を抱き寄せる。
「綺麗だよ。本当に綺麗だ。・・・君を隅々まで冒険したい」
小鳥がついばむように壬生屋にキスをする。
「・・・わたくし・・・幸せです」
瀬戸口の胸元にしな垂れかかる。
「あれ?師匠ーなにやってるんですか?」
滝川が入ってきて(Hな雰囲気)が消えて(普通な雰囲気)へ変わる。
(お〜の〜れ〜)
その日の滝川は仕事しないで一日を終えた。
なんでも突然倒れたらしい。
滝川を介抱した石津曰く
「滝川君・・・突然・・・倒れたの。多分・・・誰・・呪われたわ」
<戦況>
幻獣が絶望的な数を投入してきました。
戦況は膠着状態にあります。
4月11日
俺と壬生屋を乗せた3番機は、今日の戦闘で幻獣を30体狩った。
合計撃破数は306体、俺は絢爛舞踏を受賞することになった。
4月12日に絢爛舞踏章を授章する、しかし大統領は気付いているのであろうか?
この俺が四番目の絢爛舞踏だという事に。
<戦闘>
大勝 撃破37/瀬戸口30(306)
<戦況>
戦況は膠着状態にあります。
4月12日
ついにこの日が来たね。世界を悲しみから解き放つ日が。
(・・・とぼけるのもいい加減にしてもらおうか?)
なんのことですか?
(お前は最初から知っていたんだろう?俺が四番目の絢爛舞踏だった事を)
ええ・・・
(あの時・・・俺は失敗した。また失敗するかもしれない男に、お前は何を期待する?)
過ちを知っているからこそ、次は失敗しないと思いませんか?
(・・・・)
今の瀬戸口君だったら大丈夫ですよ、貴方は今一人じゃありません。
1000年求め続けたシオネ・アラダも傍にいますし。
(!!)
瀬戸口は後ろのガンナー席を見る。
後ろでは壬生屋が凛とした顔つきで???を見据えている。
(あの時感じたデジャヴは本当だったのか・・・お前はどこまで知っているんだ?)
私は、私が知っている限りの事しか知りませんよ。
・・・そろそろOVERSシステムが限界です、もう二度と接続する事は無いでしょう。
(・・・結構嫌いじゃなかったぜ、お前の事)
私も瀬戸口君と(Hな雰囲気)になりたかったですよ。
(あばよ)
この世界に未来を!
ブツン!
「隆之さん!どうしたのですか?突然黙り込んじゃって」
壬生屋が心配そうな声で瀬戸口に話しかける。
「なんでもないよ、未央」
瀬戸口は前を見つめる。
目の前には世界に絶望し、未来を否定する異形がいた。
何も期待も希望も抱いていないかつての自分。
異形はその自分の心を映している様に見えた。
「俺はもう後ろを見せない・・・犯した罪にも自分にもだ!」
3号機は異形に向かって駆け出した。
蒼の光輝をその身に纏って。
<結果>
Sランク
体力:2085
気力:1698
運動力:979
知力:769
魅力:679
士気:3008
技能3 白兵・話術・情報・軍楽
技能2 夜戦・狙撃・戦車・隊長・強運・密会・参謀・幻視・統率
技能1 家事・開発・飛行・天才・整備
技能0 医療・降下・事務
授章した勲章:WCOP・深紅のスカーフ・銀楯従事章・国連軍平和維持章・傷ついた獅子章を除いて全部。
最終撃墜数 :306体
<総評>
22人プレイをはじめて一番最初が瀬戸口だったので、一発目の日記は瀬戸口です。
最初はオペレーターでやっていたのですが、戦死者続出だったので一旦リセットしてやりなおしたのが、この日記のベースになっています。
小説テイストで書きましたが「つまんない」「書き方がなっていない」等の苦情は覚悟の上です。
だって書いた事がなんだモン!(死)
ではまた。