初出:ニフティサーブ.詩のフォーラム.詩の投稿室.#19361.1996 / ©ならぢゆん 1996
あなたの冷たいつまさきを
そっと両手につつみこんで
まだ新しい傷口の
ひとつひとつに
唇をおしあてる
しろい肌を汚した
どろも血痕もすべて
ぼくの舌でぬぐい去ってしまおう
つまさき
つちふまず
アキレス腱
それでもぼくは
あなたの痛みに辿り着けない
ふくらはぎ
ひざのうらのくぼみ
大腿
ぼくの唇は
悲しみの凍土に迷い込んだ
一羽の鳥だ
まくらに顔をうずめて
何かを耐えているあなたの
つまさきが白いシーツを
さまよい始める
そのかすかなきぬずれに
ぼくは雪解けの音を想う
そのとき鳥は
あなたの中に
静かに飛び立っていった
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