初出:埼玉県立春日部高等学校文芸部.KYLEE-DANCE.創刊号.1980
原題:空
©ならぢゆん 1980
空が高い
いや空が遠い
空は無色透明な広がり
そこには何もない
そんなこと当たり前過ぎるかな
ではもう一つ
空は遠ざかりつつある
僕等を見捨てるかのように
その速度がどんなものか
僕には知る術もないけれど
鼻につんとくるほどの
静けさ
雲のむこう側は
きっと
狭い路地に突っ立って
遠ざかっていく空を見ていた
おっこちてくる雨がひどく冷たく
嘲笑われているような気がした
からっぽの頭がびしょ濡れで
からっぽなのに重くてしかたない
本当は何か叫びたかったんだ
でも何を叫んだらいいのかわからなかった
とりあえず「あい」とつぶやいてはみたけど
かえって疲れてしまうばかりだった
むしろゴミバケツをあさる野良犬みたいに
意味もなく吠えてしまえば
良かったのかもしれない
空が高い
いや空が遠い
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