あらすじ
「坊っちゃん」の両親が死に、その遺産を兄と折半した。両親の遺産で教育を受け、四国の学校で算数教師の口を見つける。 四国に赴任してみると、東京とのあまりの違いに唖然としつつも、持ち前の明るさと気風のよさで「住めば都」とばかりに我が物顔に ふるまう。あまりに奔放すぎるために、坊っちゃんの周りで大騒動が起こってしまう。
感想
「夏目漱石でも読んでみるか〜」という訳で、読書週間だとばかりに夏目漱石の「こころ」と「坊っちゃん」を見つけてきては読んで みました。この人、というかこの時代はどうも単語の表現が今と違うんだか、あえて違う表現をするのが粋らしくて、ちょっと読みにくい です。読みにくいから時間がかかり、理解するのが大変でした。今の小説はページにかける深さが足りないのかもしれません。こころも表現が わかりにくく、難解なところありましたが、坊っちゃんはそれほどではありません。でも、その時代のことがわからないとイマイチ解せない ところも多少あります。
坊っちゃんは随分と奔放な性格で、思ったことをバンバン言ってしまう気風のよい性格です。それは人々から愛される性格です。実際に こんな人が近くにいたら、それはそれで大変だろうなとも思うのですが、小説として彼の日々を追って行くと、なんとも楽しい。「俺が 食べたいなら、食べていいじゃないか」というのが、なんとも頼もしく、うらやましく思ってしまうんですね。こんな風に言いたい事を いえないのが日本人で、そんな日本人の羨望のまなざしというのが、この小説に注がれているんでしょうね。
とにかく楽しい、健全極まりない小説です。一つ一つの表現にわかりにくいところあれど、それはその時代の小説、漱石の小説ならでは。
中高生に対して「推薦されたし文学」の最たる作品である事は変わりません。大人になっても、とっても面白いと思います。単純明快で、
明治の香り漂う、懐かしくて楽しい小説です。でもなんだか、今にも通じるものありますね。時代を超えて捕らえられる、普遍的なテーマ
が根底にあって、それを見事に捕らえた作品だと思います。