あらすじ
ゲームデザイナーの公平は、恋人、奈美を伴って長野へとドライブへと出かけた。途中で対向車を避けようとして車ごと谷底へと落ちてし まう。車が使い物にならなくなったため、徒歩で救出を求めて歩き出すと、洋館が目の前に姿を現す。雷雨とマムシから避けるため、洋館へと 入る2人だが、その洋館は公平が過去に手がけたゲーム「弟切草」の洋館にそっくりだった。弟切草の罠にはまっていってしまう2人は…。
感想
ゲーム「弟切草」の小説移植版。ゲームの焼き写しではなく、小説用に新たなストーリーを組んだらしいです。この小説は新たな試み として(?)、公平の視点と奈美の視点とで交互に同じ話を繰り返し書くという手法を用いています。Aの出来事に対して、公平はこのような 見方をして、奈美は別の見方をする。それは極限状態に追い込まれた二人の恐怖が描き出す幻影なのですが、この食い違いが今後のストーリー 展開に意味をもたらしてきます。
どうも作者は、どんでん返しをばしばし取り入れて、それで意表をつきたかったようなのですが、そのどんでん返しがかなり無茶苦茶です。 ちょっとありえないというか、強引過ぎるところがあります。何でもかんでも盛り込みすぎたために、物語として成立しなくなってきている かなとちょこっと思いますね。正直、ここまでどんでん返しする必要もないような気がするし、そんなどんでん返しもあんまりうまい感じ でもないし、「えっ!そんな!」という驚きよりも「はぁ〜そんなことあるかよ〜」という呆れのほうが大きい。リアリティに欠けるというか、 唐突に真実突きつけられても、戸惑ってしまうという感じです。
この話、ちょっと背徳的な表現が多々あります。18禁にしたほうがよいです。というか、じゃないとイマイチ理解できんと思うんですよね。 子供は見ちゃダメ…というよりも、子供にはようけわからんでしょう。正直子供には見せたくないですし。いくらなんでも、これはやりすぎ だなと思わせるような箇所が多くて、私が見ても顔をしかめたくなりました。しかも、その点の表現が薄くて、どうも背徳感が感じられない。 それは多分、登場人物たちの性格描写が稚拙で、しかもたまに幼稚なセリフ(「グフフ」とか「あはは」とか)があるところが、物語から 重厚感を失わせ、軽くさせてしまってます。若者むけにしたのかもしれませんが、それはあんまり効果を発揮したとは思えません。
あんまりきつい事ばかり言ってもダメなので、いい点を紹介すると、やっぱりこのゲームの一番の売り、洋館での仕掛けの部分ですね。
洋館の中には色々なカラクリがあって、そのカラクリを見ていくと面白い。それと、洋館を探検するシーンなんかも、まるで自分がこの
ゲームの登場人物になっているかのような、そんな面白さがあります。ただまぁ、後になればなるほど、設定が無茶苦茶になってきて、
読む気がうせてきてしまうのですが。。。