日本企業の表と裏


タイトル:日本企業の表と裏
作者:高杉良・佐高信
出版元:角川文庫
発行日:1999年12月15日
形式、ページ数:文庫、251ページ
難解度:★★★
ためになる度:★★★
感動出来る度:★
面白さ度:★★
おすすめ度:★★★

あらすじ

 経済系小説メインの小説家、高杉良氏と、経済評論家、佐高信氏の対談。今までの高杉作品を引用しながら、現代日本企業の表と裏を 浮き彫りにする。

感想

 私の大好きな作家、高杉良氏と、そんな高杉作品の解説をよくしている佐高氏の対談ですが、ちょっとやっぱり難しいです。でも、なんとなく 日本企業というものがどんなものなのか、おぼろげながら対談の中からわかってきます。銀行の腐敗、マスコミの功罪、消費者金融の闇、 組織とは、サラリーマンとは、そんなところから「株式会社ニッポン」の側面を鋭くえぐる対談です。

 個人的には、高杉作品を引用しながら、それぞれの小説の背景となった出来事が暴露されていく様が面白かったです。やっぱり、高杉氏 は人並みの作家ではなく、職人作家なんですよね。緻密で綿密な取材を繰り返し、膨大の資料のもと、あまりにもリアルすぎる小説を書いて いく。それは、角川ホラー文庫に多く見られる「無茶苦茶な」ストーリーのぶっ飛び小説ではなく、現実にあった世界の出来事。高杉作品には フィクションはなく、ノンフィクションだけしかないというくらいに、リアリティなんですよね。仮にフィクションの物語だとしても、細部 にまでこだわったストーリーで、しかもその中の数々のエピソードの多くは、実際にあった出来事だそうです。

 非常に丁寧で、リアリティがあり、面白い!教訓とか、タメになる話ももちろんあるのですが、彼の作品には大きな感動があったりします。 「サラリーマンもいいな、サラリーマンかっこいいな」と思わせるだけの感動を与えてくれる、高杉氏はそれを表現できるのです。

 それにしても、この中にたまに出てくる「怪物」達の存在が不気味です。日本経済を裏で掌握するフィクサー。彼らは一様に、私利私欲と 公私混同を繰り返し、権力にすがり、権力者になろうと死に物狂いでうごめく。正直、こんな人たち、怖すぎです・・・。

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